報道発表資料
- その他
令和3年度中央アルプスにおけるライチョウの確認状況について
環境省ではライチョウ保護増殖事業において、中央アルプスの個体群を復活させるための事業を進めて
います。今般、令和3年4月下旬から中央アルプスにおけるライチョウの生存個体の確認調査及びなわ
ばり分布調査を実施しましたので、その結果をお知らせします。
1.事業概要
環境省では、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づき、文部科学省・農林
水産省と共同で策定した「ライチョウ保護増殖事業計画」(平成24 年1月)により、ライチョウの保護増
殖事業を進めています。そのうち、平成30 年に約50 年振りにライチョウの雌1羽が確認された中央アルプス駒ヶ岳周辺において、「第二期ライチョウ保護増殖事業実施計画」(令和2年4月)及び「中央アルプス
におけるライチョウ野生復帰実施計画」(令和3年3月)に基づき、中央アルプスの個体群を復活させる
ための事業を進めています。
昨年度は乗鞍岳から3家族計19 羽の個体を中央アルプスに移送しており、平成30 年に確認された飛
来個体1 羽と合わせると、そのすべての個体が生息していれば20 羽の個体が中央アルプスに生息してい
ることとなります。令和2年度は10 月末に調査を終了しておりますが、今年度は4月下旬から生存個体
の確認調査及びなわばり分布調査を開始しました。
2.生存確認調査及びなわばり分布調査結果(別添地図参照)
令和3年4月下旬から5月末までに実施した環境省の調査及び一般登山者から提供された目撃情報に
よって、雄5羽、雌5羽の計10 羽の個体が確認・識別されました。この他に5月中旬以降に三ノ沢岳、
檜尾岳及び熊沢岳周辺においてそれぞれ少なくとも1個体が生息している痕跡が発見され、これらを含
めると現在中央アルプスには少なくとも13 個体が生存していると考えられます。このうち、駒ヶ岳周辺
のが、つがいとなっています。(平成30 年に飛来した雌を含む。)
3.今後の予定について
今後予定されている中央アルプスにおけるケージ保護事業及び日本動物園水族館協会加盟動物園への
野生家族の導入については、今後の調査結果及び繁殖状況(孵化した家族数、雛数)などの総合的な状況
を踏まえ決定します。なお、今後も中央アルプスでライチョウを目撃した場合は、静かに観察していただ
くとともに、中央アルプスロープウェーしらび平、千畳敷両駅や宝剣山荘に設置したライチョウ観察情
報収集カードに記入いただくか、または、目撃日時、場所、標識足輪等の情報を下記の問合せ先までお寄
せください。
- ■ 問い合わせ先
- 信越自然環境事務所 野生生物課
生息地保護連携専門官 小林 篤
TEL:026-231-6573 FAX:026-235-1226 E-Mail : ATSUSHI_KOBAYASHI@env.go.jp
(〒380-0846 長野市旭町1108 長野第一合同庁舎3 階)