報道発表資料

2020年04月30日

令和2年度ライチョウ保護増殖事業(生息域内保全事業)の実施について

環境省では「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づき、文部科学省・農林水産省と共同で策定した「ライチョウ保護増殖事業計画」(平成24年1月)を踏まえ、「第二期ライチョウ保護増殖事業実施計画」(令和2年4月)を作成し、ライチョウの保護増殖事業を進めています。令和2年度の中央アルプスにおける個体群復活事業をはじめとする実施予定の生息域内保全事業内容について、以下のとおりお知らせします。

現地で取材を希望される場合は、下記連絡先までお願いします。

1.中央アルプス国定公園駒ヶ岳周辺における事業

第二期ライチョウ保護増殖事業実施計画に基づき、環境省レッドリストにおけるダウンリストを念頭に置き、地球温暖化リスクへの対策として絶滅山岳における個体群復活試験を実施します。平成30年8月に雌1羽が確認された絶滅地域の中央アルプスは、現在でもライチョウが生息できる植生が残されていることから、絶滅個体群における個体群復活手法の確立を目指し、以下2つの事業を実施します。

  1. 中央アルプスに生息する雌1羽に対する飼育卵の野生復帰事業(*)

    令和元年11月まで生存が確認されていたライチョウ雌1羽について、確認情報の収集や調査を行います。生存が確認され営巣活動がみられた場合は、動物園で飼育されている個体が産んだ有精卵を、中央アルプスで生存する雌が産んだ無精卵と入れ替えます。その後、孵化した雛は家族ごとケージに収容して南アルプス北岳周辺で実施しているケージ保護法を用いて、7月上旬~8月上旬まで捕食者や低温から雛を守り生存率向上に努めます。併せて、捕食者対策試験を実施し、絶滅要因解明のため捕食者生息状況調査や植生調査も昨年に引き続き実施します。

    この事業への協力体制を構築するため、長野県をはじめとする関係機関及び地域住民等と連携を図りながら進めます。

    (*)生息域外から生息域内に卵や個体を導入することを野生復帰と言います

  2. 乗鞍岳から中央アルプスへの家族の移植

中央アルプスにおいて安定した繁殖集団を創出するために、安定した集団を維持している乗鞍岳から3家族20羽程度(雌親3羽とその雛)を中央アルプスに移植します。移植に当たっては移植対象となる家族を、乗鞍岳において6月下旬から7月下旬まで3週間程度ケージ保護法を用いて保護します。これにより雛が移植前に死亡することを防ぎ、より多くの雛を移植できるように努めます。その後、ヘリコプター(予定)を用いて中央アルプスに移送します。移送後は、1週間程度ケージ保護法を実施し、現地の環境に慣らした後に放鳥します。

2.妙高戸隠連山国立公園火打山(ひうちやま)周辺における事業

ライチョウを取り巻く高山の環境を保全することを目的として、環境省及び新潟県妙高市では、妙高戸隠連山国立公園の火打山地区において、平成28年度より生息の阻害要因であるイネ科植物の除去等の作業を実施しています。令和2年度は、50m×50m程度の試験区を2箇所設置し、イネ科植物の除去作業を8月に実施します。その後は試験区画内の植物開花状況やコケモモ等の矮性低木の結実状況等を調査します。

3.南アルプス国立公園北岳周辺における事業

ライチョウの個体数の減少が著しかった南アルプス国立公園北岳周辺において、平成27年度から令和元年度までライチョウの雛を捕食者や低温から保護するケージ保護法を実施しました。この事業により、ケージ保護法を開始した平成27年度から個体数が約3.5倍まで増加しました。一定の個体数が回復したため令和2年度は南アルプス北岳周辺でのケージ保護法は実施せず、なわばり数のモニタリングと平成29年度からケージ保護法と共に実施してきた捕食者対策試験を北岳山荘及び北岳肩ノ小屋周辺において継続して実施します。また、この事業を通じて北岳周辺で巣立った雛の確認調査を北岳周辺から赤石岳・荒川岳においても実施します。

【今年度事業の取材について】

◎上記1.については、事業の円滑な実施及び希少種保全の観点から現地取材に制限があります。事前調査及び中央アルプスでの卵の野生復帰、中央アルプスおよび乗鞍岳におけるケージ保護法については非公開とすることから必要に応じて信越自然環境事務所より情報提供を行います。乗鞍岳から中央アルプスへの家族の移送時に現地取材の受入れを検討しておりますが、天候によるヘリコプターの運航に変更が生じる可能性があることから、移送予定日(7月下旬)が近づきましたら下記連絡先までご確認下さい。

◎上記2.については取材が可能です。

◎上記3.については、事業の円滑な実施及び希少種保全の観点から非公開とします。

◎なお、上記の各事業は現時点では計画通り実施する予定ですが、新型コロナウイルス感染症や山小屋の運営状況によっては事業の一部に変更が生じる可能性があります。

※現地での取材を希望される方は、事前に社名、代表者氏名、取材名簿、取材方法(写真、カメラ等の機材状況)、連絡先(電話、FAX、E-mail)を下記までご連絡の上、あらかじめ日程の調整をお願いします。なお、天候によっては、直前に変更をお願いする場合がありますのであらかじめご承知おき願います。

図1.ライチョウが生息する主な山岳(事業実施場所参照用)

■ 問い合わせ先
○中央アルプス国定公園及び妙高戸隠連山国立公園での事業(主に上記1.2)について
信越自然環境事務所 野生生物課
    生息地保護連携専門官 小林 篤
TEL:026-231-6573 FAX:026-235-1226
E-Mail : ATSUSHI_KOBAYASHI@env.go.jp
(〒380-0846 長野市旭町1108 長野第一合同庁舎3階)

○南アルプス国立公園での事業(主に上記3)について
関東地方環境事務所 野生生物課
生息地保護連携専門官 新井 孝尚
 TEL:048-600-0817 FAX:048-600-0521
 E-Mail:TAKAHISA_ARAI@env.go.jp
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 さいたま新都心合同庁舎1号館6階)
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