報道発表資料

2020年11月02日

中央アルプス駒ヶ岳へ放鳥したライチョウ3家族のモニタリング結果について(10月30~31日)

 環境省では、令和2年8月上旬に中央アルプス駒ヶ岳に放鳥したライチョウ計3家族19羽(雌3羽、ヒナ計16羽)について本年度最後の生存確認調査を1030日及び31日に実施しましたのでお知らせいたします。

1.事業概要

 環境省では、平成30年に約50年振りにライチョウの雌1羽が確認された中央アルプス駒ヶ岳において、令和2年4月に策定された「第二期ライチョウ保護増殖事業実施計画」に基づき、中央アルプスの個体群を復活させるための事業を進めています。

2.放鳥したライチョウの概要及び9月のモニタリング調査結果

 環境省では、8月1日に乗鞍岳から中央アルプスへ移送した3家族を高山帯に設置したケージ内で保護しながら現地環境に慣らした上で、8月7日までにすべての家族を放鳥しました。放鳥した際の家族の詳細は以下の通りです。
 (1)第1ケージ 雌1羽 ヒナ6羽 放鳥日:8月3日
 (2)第2ケージ 雌1羽 ヒナ6羽 放鳥日:8月7日
 (3)第3ケージ 雌1羽 ヒナ4羽 放鳥日:8月7日

計19羽(雌3羽 ヒナ16羽)
*雌は左右2個ずつの足輪で標識済、ヒナは右足に足輪1つのみの簡易的な標識で放鳥

 9月9日及び10日に行われた環境省のモニタリング調査では、第3ケージの家族のみ(雌1羽 ヒナ4羽)しか観察されませんでしたが、中村 浩志信州大学名誉教授の調査や一般登山者からの情報提供(写真から個体の足輪やヒナ数が確実に判別できるもの限定)によりこの時点で少なくとも19羽のうち18羽が生存していることが確認されました。
 9月24日及び25日に実施した調査では再び第3ケージ家族(雌1羽 ヒナ4羽)を確認し、発見したヒナ4羽の足輪を雌と同じように左右2個ずつになるよう付け替えました。この時点では、ヒナはまだ親と一緒に行動していました。

3.10月30日及び31日に実施したモニタリング調査結果

 ヒナは雌(親)とほぼ同じ大きさまで成長し、雌と離れて群れを作っていることを確認しました。今回の調査では以下の群れについて確認しました。
   1)乗鞍岳から移送したヒナ5羽で構成された群れ(雄3羽、雌2羽)
     *放鳥時に簡易的に行ったヒナの標識から、この群れは第1ケージと、第2ケージのヒナが混じっ
      たものであることが確認されました。

 今回発見したヒナ5羽のうち3羽について足輪の付け替えを行いました。
 なお、9月に入り一般登山者からの目撃情報も少なくなり、正確な生存個体数を把握することはできていませんが、放鳥1ヶ月後の調査においてほとんどの個体が生存していたこと、調査の度に新しい糞などの痕跡が各地で見られることから現在も多くの個体が良好な生存状況を保っていると推察されます。

4.捕食者対策について

 環境省では、人間活動に依存して高山帯に分布(生息)域を拡大していると考えられるテンやキツネなどの捕食者を除去・低減することによってライチョウの生息に必要な好適環境を創出することを目的として、長野県知事の鳥獣捕獲許可を受けた上で、中央アルプス駒ヶ岳周辺においてライチョウの捕食者となりうるテン等の捕獲事業を8月21日から開始しました。罠は宝剣山荘及び頂上山荘の関係者の協力を得て各小屋周辺に2基ずつ設置しました。
 この事業において、9月20日に宝剣山荘で雄のテン1頭が捕獲されました。捕獲されたテンは、動物園での飼育展示に活用することを目的として、翌9月21日に那須どうぶつ王国(栃木県那須市)まで生体搬送しましたが、9月23日の朝に死亡しました。動物園にて検死を行いましたが、明確な死亡原因の特定にはいたりませんでした。
 頂上山荘では10月上旬、宝剣山荘では10月中旬をもって罠の設置を終了しました。



5.今後の予定について

 環境省による今年度のモニタリング調査及び捕食者捕獲事業は今回の調査をもって終了します。今後はライチョウが越冬地から繁殖地である高山帯に戻ってくる来年4月以降に調査を再開する予定です(中村名誉教授による調査が11月上旬に行われる予定となっておりますが、こちらの調査結果については環境省からの発表はなく、11月7日及び8日に実施される第19回ライチョウ会議ぎふ大会で中村名誉教授より報告される予定です。)。
 なお、今後も中央アルプスでライチョウを目撃した場合は、静かに観察していただくとともに、目撃日時、場所、標識足輪等の情報を下記の問合せ先までお寄せください。

(参考)ライチョウ保護増殖事業計画及び生息域内保全事業について

http://chubu.env.go.jp/shinetsu/wildlife/rockptarmigan.html(環境省信越自然環境事務所ホームページ)

■ 問い合わせ先
環境省中部地方環境事務所信越自然環境事務所 野生生物課 
TEL:026-231-6573 FAX:026-235-1226
メールアドレス:NCO-NAGANO@env.go.jp
(〒380-0846 長野市旭町1108 長野第一合同庁舎3階)
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