SMART BIKE
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環境省中部地方環境事務所が提唱する人と環境に優しい乗り物である自転車の
利用を促進し、ライフスタイルの変革を通じて持続可能な地域や社会づくりを
目指すコンセプトです。またこのコンセプトに基づき中部地方環境事務所が取組
んでいる施策やプロジェクト等のパッケージも指します。
自転車は基本的に人力を動力源とすることから、移動する時に化石燃料起源の
CO2や大気汚染物質を排出しないため自転車利用を進めることは気候変動対策
や大気汚染防止対策など環境対策としてとても有効です。
スマートバイク・イニシアチブの基本コンセプトは次の5つから成り、まちづくり・
地域づくり、ライフスタイルの変革や「質」を極める新たなビジネスの展開を通じて、
低炭素のみならず同時に資源循環や自然共生型のレジリエンス(災害などからの
しなやかな回復力)も備えた持続可能な社会の実現を目指します。
スマートバイク・イニシアチブのロゴマークのデザインは、5つの基本コンセプト、
自転車の車輪やフレームなどのメカニズム、持続可能な社会で暮らす人々などを
表現したものです。
スマートバイク・イニシアチブのコンセプトに賛同された個人、団体、NGO/NPO、
企業、自治体などあらゆるステークホルダーの皆様方には、スマートバイク・イニ
シアチブのロゴマークを使っていただき、本ウエブサイトをプラットホームとして、
情報の発信・共有や普及啓発等の企画、形成を行っていただくことを期待しています。

※スマートバイク・イニシアチブは「移動(モビリティ)」を「エコ」にすることから環境省の提唱する「スマート・ムーブ」の
一環としての性格も有しているものですが、地域において低炭素・資源循環・自然共生+レジリエンスを同時に達成する
持続可能な社会の構築に資することを念頭においています。

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公共交通機関とリンクした自転車や徒歩をまち・地域の基幹的な移動手段と位置づけて、自転車が快適で安全に利用できるようなハードとソフトのインフラ整備を進め、人と環境に優しい持続可能なまちづくり・地域づくりを目指します。また、自転車のスロースピード、回遊性の特性を活かして地域の活性化・振興を図ります。

 人類の生存にとって大きな脅威となる気候変動をもたらすCO2などの温室効果ガスの排出を削減することは地球的な課題です。また日本は少子高齢化社会を迎え、将来に渡って日常生活を快適で健全、安全に送るためには円滑な移動(モビリティ)の機会の確保や屋外の子どもの遊び場などオープンスペースの確保は欠かせない要素です。このためにはまちの構成をコンパクト化(コンパクトシティ)し、環境汚染や交通渋滞、オープンスペース占有の原因となる過度な自動車利用依存を転換して、LRT、鉄道やバスなどの公共交通機関とリンクした自転車や徒歩をまち・地域の基幹的な移動手段と位置づけて、必要なハードとソフトのインフラ整備を進めることが重要です。
 その中で自転車は主要な役割を果たすため、自転車が快適で安全に利用できるようなハードとソフトのインフラ整備を進めることが必要です。例えば、道路空間シェアを再配分することによる自転車レーンのような自転車走行空間の整備を、電車・バスなど公共交通機関の駅、ターミナルといった交通の結節点や商業施設、オフィスなどにおける駐輪スペースの整備を、またメンテナンスや休憩、情報収集などができる自転車基地(バイクステーション)の設置を、さらにバイクシェアリング(比較的短い距離の移動に分散配置されたレンタルバイクを使うシステム)の導入などを図ることにより自転車利用空間をまち・地域全体にネットワークとして展開することが考えられます。さらにまちとまちとを結ぶ長距離自転車走行路の整備も視野にいれていいでしょう。
 また、自転車の特性であるスロースピードと機動性及び自動車交通の低減により、まち・地域における人々の周遊性、回遊性、地域との密着性が高まり、地域資源の掘り起こしやヒューマンスケールのにぎわい空間の創出など地域の活性化や振興にも貢献します。
 このようにして自転車利用環境を整備し、自転車の快適で安全な利用を促進することにより、低炭素で人と環境に優しい持続可能なまち・地域づくりを目指します。

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まち・地域における自転車利用環境の進展とあいまって、日常生活や仕事、あるいは余暇や遊びに自転車の利用を積極的に取り入れた、「エコ」で「健康」、「お洒落で格好いい」新たなライフスタイルの定着・拡大を目指します。この人々のライフスタイルの変革を通じて、低炭素で人と環境に優しい持続可能な社会づくりに貢献します。

 まち・地域における快適で安全な自転車利用のハード・ソフトのインフラ整備が進むことにより、自動車に過度に依存していた移動(モビリティ)を公共交通機関とリンクした自転車や徒歩へと転換できる環境が整ってきます。これとあいまって買い物や通学、通勤などの日常生活や仕事に、まち中の散策や各種施設等への訪問、観光旅行などの余暇や遊びに自転車の利用を積極的に取り入れた「公共交通機関とリンクした自転車や徒歩」が移動(モビリティ)の中心となる新たなライフスタイルの定着と拡大を進めます。
 このようなライフスタイルへの変革を人々に自然に促し、あるいは自ら進んで行っていくためには、自転車に乗ることが「エコ」であり「健康の増進」にもつながるとともに「お洒落で格好いい」ことであるとの意識の啓発を進めたり、このライフスタイルが文化、ファッション、デザインとしても優れたものであることが重要です。
 また、自転車のスロースピード・回遊性・滞留時間の長さの特性を活かした、ポタリング(自転車散歩)や自転車ツアーなどを盛んに行うことにより地域の魅力の再発見、地域とのつながりやコミュニケーションの強化にも寄与し、地域コミュニティと連携したライフスタイルの展開にもつながります。
 このような自転車利用を主体とするライフスタイルの変革により、低炭素で人と環境に優しい持続可能な社会づくりに貢献します。

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自転車利用環境の進展や自転車ユーザーの増大により新たなビジネスチャンスが生まれ、「量」から「質」を重視したクラフトマンワーク志向の新しい自転車ビジネスの創出、振興を目指します。この新ビジネスの展開により、新たな産業・事業と雇用を生み出し、低炭素、資源循環、自然共生で人と環境に優しい持続可能な社会づくりに貢献します。

 まち・地域における自転車利用環境の進展とそれに伴う自転車ユーザーの増大により、自転車に関連する新たなビジネスチャンスと市場が生まれ、20世紀の「大量生産・大量消費・大量廃棄」型ではない、「量の増大」から「質の向上」をより重視したクラフトマンの手仕事を評価する自転車関連のモノづくりやサービスの新しいビジネスを創出し、その振興を目指します。
 例えば、まち・地域づくりに関しては、自転車レーン、道路サインのデザインや整備、駐輪システムの開発やパッチワーク型駐輪場の展開、バイクシェアリングシステムの開発や整備、交通系ICカード等の自転車利用共通化システムの開発、電動ハイブリッド自転車(電動アシスト自転車)充電支援スタンドのスーパーマーケット等における整備などが考えられます。また、自転車本体の開発に関しては、自転車フレームの自然素材あるいは先端的素材の開発、スマートフォン等情報端末に連動・端末を充電可能なICT化自転車の開発、電動ハイブリッド自転車のイノベーション、子育て用、高齢者用、障害者用、災害時支援用など目的・機能に応じた自転車の開発などが考えられます。さらに自転車関連用品・サービスに関しては、自転車用の各種装備品、ウエア等のファッション、自転車向け地図ナビゲーションサービスの提供、自転車を利用した電気・水道・ガスメータの検針や宅配等の配送サービス、自転車基地(休憩、メンテナンス等のサービスが受けられる)の設置、サイクリストに対応したカフェやレストランなどが考えられます。
 また、自転車を利用した自然の風景や町並み、名所の探訪などは旅におけるエコで周遊型の利用スタイルであることから、ポタリング(自転車散歩)や地域の文化を巡るミニツアー、国立公園などの自然を訪ねるエコツアーの企画・商品化、自転車を鉄道やバスに載せて運ぶサイクルトレイン・バスの運行などの事業が考えられます。さらに使用された自転車のリユースや再資源化を適正に進める資源循環産業の育成や自転車により削減されたCO2のカーボン・オフセット事業(CO2削減効果の定量的把握、クレジット化)の展開などが考えられます。
 このような「質」を究める新たな自転車ビジネスの創出、振興により、低炭素、資源循環、自然共生で人と環境に優しい持続可能な社会づくりに貢献します。

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自転車が主役でその利用に適したコンパクトなまち・地域は、災害に対してもレジリエンス(災害など危機からのしなやかな回復力)が高く、機動性のある自転車は災害時の有効な移動手段でもあります。また、災害に備えた機能を有する自転車の開発も重要です。このように自転車を通じてレジリエンスのある持続可能な社会づくりに貢献します。

 将来想定される巨大地震、気候変動による異常気象や火山噴火などの災害に対する備えを普段から行っておくことは持続可能な社会づくりの観点からも重要であり、災害等の危機に見舞われてもそこからしなやかに回復する力を表すレジリエンスという言葉が注目されています。
 公共交通機関とリンクした自転車・徒歩を基幹的な移動手段と位置づけて、必要なハードとソフトのインフラを有するコンパクトな構成のまち・地域は、災害の発生や化石燃料使用の制約に対しても自動車に過度に依存する地域よりも多様な対処能力に優れ、レジリエンスが高いといえます。また自転車の特性であるその機動性により災害のために自動車が使えないような状況下でも自転車は避難等の移動や物資の運搬の手段として有効です。また、災害に備えた機能を有する自転車の開発も重要です。例えば、普段からスマートフォンなど情報端末を充電可能な自転車を普及させておくことにより、非常用電源として使用できます。さらに自転車を動力が人力の回転装置として捉えれば、河川水の非常用給水ポンプとして使用するなどさまざまな機能が発揮できる可能性があります。
 このように自転車を通じてレジリエンスのある持続可能な社会づくりに貢献します。

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公共の道路空間における徒歩、自転車、自動車などそれぞれの移動手段が快適で安全に共存するためのルール&マナーを社会で主流化することを目指します。まず核となる考え方として交通優先順位を高い方から、歩行者>自転車>自動車と明確化し、これに基づき安全な共存のためのルール&マナーを決めて、学校教育や社会教育などの場を通じて普及啓発に努め、社会での主流化を図ります。

 道路、広場など公共の空間における徒歩、自転車、公共交通機関、自動車などの移動手段について快適で安全に共存するためのルール&マナーを社会で主流化することは、公共交通機関とリンクした自転車・徒歩を基幹的移動手段と位置づけて自転車利用を促進するまち・地域づくりを進めていく上での大前提です。自転車が快適で安全な乗り物として広く利用され認知されるためには、歩行者やバス、自動車との安全な共存が不可欠です。
 そのためにはまず整備すべきハードとソフトのインフラをデザインするための核となる考え方として、道路など公共空間における交通優先順位の明確化が必要です。順位の高い方から、ベビーカーや車いす>歩行者>自転車>公共交通機関>自動車とすることを原則とします。この考え方に基づき、安全で円滑な移動(モビリティ)を確保するためのルール&マナーを決めたり、具体的な道路空間のシェアをデザインして歩道、自転車レーン、車道などに再配分したり、交差点のデザインやシステムを考えたりします。
 そして交通優先順位の考え方やルール&マナーの普及啓発を図り、人々が深く理解することが重要です。子ども達には学校教育において、社会人には社会教育の場において、ESD(持続可能な開発のための教育)の一分野として、運転免許更新時の講習やその他セミナーなど、あらゆる機会を捉えて普及啓発を実践し、ルール&マナーの社会における主流化を進めます。
 また、併せて万一の事故に備えるための自転車を対象とした保険制度の充実も重要です。

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