報道発表資料

2011年09月26日

お知らせ:白山国立公園におけるコマクサの調査結果及び除去作業の実施について

中部地方環境事務所

 白山国立公園の高山帯では、白山には自然分布せず、人為的に持ち込まれたと考えられるコマクサが生育範囲を広げ、生態系への影響が懸念されており、その対策について有識者を交えた検討会において検討してきた結果、除去を含めた早急な対策が必要との結論に至りました。
 中部地方環境事務所では、白山国立公園の原生的な自然環境の維持・回復のため、石川県の協力も得て、今秋よりコマクサの除去作業を開始します。さらに、効果的な除去手法の確立に向けた調査を行うとともに、生育状況のモニタリングを継続します。
 なお、コマクサの除去は、環境省が自然公園法に基づく生態系維持回復事業として行います。同事業で行う作業以外でコマクサを持ち帰ったりすることは、自然公園法で禁止されています。

1.白山国立公園に生育するコマクサについて

 コマクサは、美しい花を持ち、厳しい環境に良く耐えて生育し「高山植物の女王」と呼ばれています。ケシ科コマクサ属の多年草で、日本では北海道(知床連山・大雪山系など)、本州(岩手山・秋田駒ヶ岳・蔵王山・八ヶ岳・北アルプスなど)に分布しています。白山には、従来自然分布しないとされていますが、平成4年にその生育が確認されました。
 これらの個体は当時より人為的に持ち込まれたものであると考えられていたものの、十分な確証が得られなかったこと等から、関係者によってモニタリングが継続され、生育状況の推移が監視されてきました。平成21年度及び平成22年度の調査では、山頂部付近に約5,900個体(うち有花のもの約1,800個体)が確認され分布範囲が拡大しています。

2.白山国立公園におけるコマクサ対策

 近年、生態系保全や生物多様性に関する社会的関心が高まり、平成22年には自然公園法が改正され、外来の動植物やシカによる高山植物の食害といった対策を総合的に実施できる生態系維持回復事業が創設されました。白山国立公園でも、その原生的な自然環境を守るため、生態系維持回復事業が実施されています。その一環として、コマクサの分布状況の詳細な調査、過去の証言や既存文献におけるコマクサの記録の有無の精査に加え、白山に生育しているコマクサと他の山域に生育しているコマクサのDNAの比較を実施しました。その結果を学識者と関係機関等で構成する検討会(別紙2参照)において検証し、白山に分布するコマクサは人為的に持ち込まれたものであるとの結論に達し、その除去を含めた対策をまとめました(調査結果の詳細は、別紙1参照)。
 これを踏まえ、平成23年度は、以下の対策を実施します。

■平成23年度に実施する対策

1)除去
 人為的に播種されたことが確実と考えられたコマクサの生育地点において、下記のとおり生育状況に応じた除去を実施する。除去は、地表面から約10~20cm下にある生長点より上の部分のみを行う。このことにより、コマクサは枯死するが、土壌の流亡は最小限に抑えられることが期待される。
・個体数が多い地点:
開花していた個体、近い将来開花が予想される大きな個体
・個体数が少ない地点:
実生など目視で確認が困難な個体を除き、全個体を除去
2)現地調査、モニタリング
(1)白山で生育しているコマクサのDNA解析
白山で生育しているコマクサのうち、平成22年度にDNA解析を行わなかった地点のコマクサについて解析を行い、由来を確認する。
(2)除去に関する試験研究
個体数の多い生育地点の作業において、一部で根系までの全草を除去する方法を実施し、生長点より上の部分の除去と比較して作業時間の長短や土壌改変への影響について調査する。このことにより、より効率的な除去手法の検討に資する。
(3)調査区のモニタリング
平成22年度にコマクサ生育地に設けた調査区において、コマクサの生育状況や除去後の植生の推移、コマクサの除去効果の確認のため、植生調査を行う。

■参考資料

 白山国立公園に生育するコマクサ

白山国立公園に生育するコマクサ

別添資料

 別紙1 [PDF 135KB]
 別紙2 [PDF 100KB]

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