自然を守る取組み

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パークボランティア

パークボランティアは、国立公園を管理している環境省の担当官やビジターセンターのスタッフと共に、伊勢志摩国立公園を調査・管理しています。ボランティアは公式の帽子とワッペンを身につけています。

パークボランティアは遊歩道に落ちている枝拾いや施設の補修をするなど、国立公園施設のメンテナンスを手伝っています。また、横山では生態調査も実施しており、ホトケドジョウやアカガエルといった生き物たちの生息数をモニタリングしています。例えば毎年、創造の森の沼や湿地でアカガエルの卵の数を数えており、調査結果は、繁殖しているメスの個体数を割り出すために使われています。

また、横山の外来種対策にも貢献しています。環境省の担当官やビジターセンタースタッフの指導のもと、外来植物を根元から取り除き、在来種の生育を促すための活動が定期的に行われています。

広報活動も重要な仕事です。横山展望台でガイドを行ったり、子ども向けに工作などのイベントを開催したりしています。 全部で40名前後のパークボランティアが国立公園全域や横山周辺で活動しており、その日数は年間100日以上になります。パークボランティアは全員、環境省が実施する研修を受けた後に登録されています。横山ビジターセンターを拠点として、環境省の担当官によるサポートを受けて活動しています。

レンジャーの自然解説を聞いている人たち写真です。子どもから大人まで、多くの人が耳を傾けています。パークボランティアは、こうした活動をはじめ、国立公園内で行われる調査や作業に協力したり、ガイド活動を行ったりしています。

外来種駆除の取り組み

外来生物は限られた資源をめぐって在来種と激しく競争することなどにより、生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。横山展望台周辺では、外来植物への対策が大きな課題となっています。国立公園を管理する環境省の担当官やビジターセンターのスタッフは、こうした外来植物を駆除し、生態系を守るための活動をしています。またその活動にはパークボランティアも参加しています。

外来生物の駆除には大きな労力を必要とします。集めた外来植物は、種子や根が別の場所で繁殖するのを防ぐため、全て適切に処理しなければなりません。

横山で特に問題になっている外来植物にヒメヒオウギズイセンがあります。特徴的なオレンジ色の花を咲かせる園芸品種です。ヒメヒオウギズイセンは、ニュージーランドからカリフォルニアまでの環太平洋地域で侵略的な雑草として知られています。日陰でも生育できるため、横山天空カフェテラスのデッキの下に生えているのが見つかることもあります。

オオフサモなどの外来水生植物も池や湿地で繁殖し問題となっています。これらの植物が水面を覆い尽くしてしまうと、カエルなどの動物の繁殖が妨げられる可能性があるため、急いで取り組まなければならない脅威となっています。

他にも侵略的な外来種にオオキンケイギクがあります。ヒマワリの仲間であるこの植物は、当初観賞用として日本に持ち込まれましたが、その後、在来種の生態系を脅かす存在として認識されるようになりました。オオキンケイギクは夏に開花しますが、種が拡散し始める前に駆除する必要があります。

横山天空カフェテラスの展望デッキの下で、外来種であるヒメヒオウギズイセンを駆除している写真です。オレンジ色の美しい花を咲かせるヒメヒオウギズイセンですが、増える力が強いため、球根を残さないように慎重に掘り起こさなければなりません。写真では、袋いっぱいに、駆除したヒメヒオウギズイセンが詰められています。