環境省ちゅうぶ環境メールマガジン コラム(第21号)

伊勢志摩国立公園におけるエコツーリズムの取組について~エコツーリズム、旅が守る自然・文化・ひと~

(有)オズ海島遊民くらぶ 代表取締役 江崎貴久

伊勢志摩国立公園の最大の特徴は、公園区域のほとんどが民有地であることである。そのため、当然その自然は人のそばにあり、人によって利用され守られてきた地域である。
そのうち鳥羽市には有人離島が4つ(神島・菅島・答志島・坂手島)と10以上の無人島が鳥羽湾に点在している。島では、豊かな自然だけでなく、島の人々の暮らしや島ならではの時の流れが、私たちをいつも待ち受けてくれている。現在、海島遊民くらぶでは、「つりざお片手に路地裏お散歩ツアー」「砂浜ランチツアー」「無人島たんけんツアー」「島の裏側たんけんツアー」「海藻の森たんけんと洞窟ランチツアー」「海ほたると4億年のタイムスリップ!!」など、離島を中心に素朴な漁村と自然のつながりをテーマに様々なツアーを行っている。人はいい環境に包まれると、人や自然に優しい気持ちになることができるものだ。優しい気持ちになることはとてもリラックスできて、心地よい。旅を共にする人は、必ず自分の大切な人である。共にこの鳥羽のとっておきを体感していただき、島々や海の風情の中で本来のとっておきの自分を発見してほしい。今年はさらに他団体との連携を強め、特に障がい者のお客様にも自然度の高いフィールドでエコツアーに参加していただくツアーを実施する。障がい者が障がいを持って一番遠ざかるのが自然である。あきらめることなく感動を伝えたい。目標はユニバーサルガイドだ。
さてここで、観光とは、地域の「らしさ」と「ならでは」の追求である。「らしさ」という素材の持つ性質を、エコツアーとしてメッセージを伝える際に「ならでは」の付加価値を付けることで、お客様(参加者)の興味を惹きつける。それによって、より一層その素材や営みを単なる知識ではなく、魅力的なメッセージとして受け取ることができ、お客様の記憶と感動により深く残る結果を生み出す。本来、旅は楽しみであり、情報伝達手段であり、異文化(地域)の交流によるまちづくりの手段であった。その点で、エコツーリズムは楽しいだけの観光ではなく、本来の日本らしい旅の姿を取り戻したといえる。
私達は、エコツーリズムを進めるにあたり、3つのキーワードを見つけた。これは、必ず踏みしめなければならない道である。
「資源(らしさ・ならでは)」
「連携(Give & Take 利害調整・感謝の形)」
「理念(Give &Give)」
この3つの本当に意味するところを感じ取り、進むことで人々が幸福感や満足の視点を共有することができる。一足飛びに即席で得る方法もあるだろうが、必ずスピードに乗せて作り上げたものは、即座に壊れる危険性がある。エコツーリズムはまさにそういうものである。ゆるやかで持続可能な、しかも時代時代の変化により調整できる心地良い時間と地域が続いていくことを願う。

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