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中部地方環境事務所

環境省ちゅうぶ環境メールマガジン コラム(第20号)

協働で作る環境講座 ~なごや環境大学~

環境カウンセラー 岡本明子氏

名古屋市には、なごや環境大学という大学があります。この大学には校舎もキャンパスもありません。《まち中がキャンパス》を合言葉に、各所で開かれている環境講座の集合体です。支えているのは市民団体・企業・大学・行政などです。それぞれが企画・運営した講座を持ち寄ります。
講座開講希望者は、企画書をなごや環境大学実行委員会に申請、審査を受け認定されると、広報などの援助を受けることができます。一般へ広く広報するのが難しい市民団体などにとって、とてもありがたい制度です。
私は、『環境カウンセラーといく』シリーズを、毎回、企画・運営しています。既存施設の見学+講義から成る、大人の社会見学です。
2007年春、2008年春に開講した『モノの移動と環境』『セントレアまるごとウォッチング』はもう一度企画して欲しいと言われるほど好評でした。グローバル化が進み、膨大な物流の陰には、環境負荷も伴います。物に附いてきてしまう種・虫や病気など、目的としない物の侵入を水際で取締まる仕組みを学ぶ講座です。名古屋港周辺・中部国際空港の検疫関係施設(検疫所・動物検疫所・植物防疫所)、税関、海上保安庁、環境省などを訪れ、見学だけではなく、ワシントン条約や海の環境、外来生物の講義も受けました。空港自体の環境配慮やバードパトロールなど興味は尽きません。
複雑ではありますが、これらの水際の取締りにより、人間や農作物だけでなく、間接的には、日本の生態系が護られてきた、という事がよくわかります。
この様に、なごや環境大学は、ちょっと違う視点からでの環境講座の企画や、個人での開講が許される懐の深い協働の形です。皆さんも参加してみませんか?

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