ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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長野

76件の記事があります。

2008年09月25日爽秋菅平

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

最近の長野市内では一気に季節の変わり目を迎えていますが、標高の高い菅平では下界よりも顕著に表れてきています。まだまだ紅葉の時期とまではいきませんが、着実に秋の気配が迫ってきている状況です。ナナカマドの実も赤く実り、菅平湿原では枯草などが目立ち秋の準備が着々と進んでいるようです。
季節用語としてスポーツの秋とよく耳にしますが、ここ菅平でもまさにそんな時期を迎えあちこちでグラウンドなどのスポーツ施設の利用がよく目につきます。爽快な秋空の下、暑さを気にせずノビノビと遊びやスポーツを体験できるそんな時期になってきたようですね。

※四阿山・根子岳へ登られる場合は、状況は晴れている日でも吹く風はもう秋風で冷たく、山頂部ではそれなりに冷え込みますので防寒対策をしっかりした上で入山してください。


(菅平牧場より)
夏空とは違う澄み切った高い空が秋の到来を感じさせます。


(菅平湿原)
湿原内の木道上では落ち葉が目立ち始めてきています。
とても情緒のある風景ですが、雨の日は滑りやすいので気をつけて歩きましょう。


(唐沢の滝)
流れる水はとても澄んで奇麗ですが、手を入れるとびっくりするほど冷たく感じます。真夏でも冷たい水ですがこの時期ともなると、さらにしびれる水温になります。

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2008年07月18日栂池自然園の夏

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 白く輝くミズバショウの花はほとんど役目を終え、ようやく夏花達が主役になる時期がやってきました。最近では山間部と下界との温度差もそれほど大きくなく、自然園も夏の暑さが押し寄せてきているようです。じっとしていればまだまだ涼しいのですが、園内を散歩するだけで汗ばむ陽気になってきました。ここで花を咲かせる植物の開花時期はその種類ごとに違いますが、今ぐらいの時期が開花する植物が重複し一度に沢山見れる時期かと思います。
開花している植物の種類が多いため散策はとても楽しくなるでしょうが、帰りのロープウェイには間に合うよう時間に気をつけて楽しく散策してください。


園内の木道際で撮影したほんの一部の植物たちです。他にも沢山咲いていましたが、あまりにも種類が多すぎて頭が混乱してしまいます。
花の図鑑を持っていくとより一層楽しめるでしょうね。


栂池自然園では珍しいと思われるグンナイフウロが咲いていました。


キヌガサソウも今が見頃です。ユリ科の植物で白い花弁はガクになります。
木道近辺で咲く植物の中で一番の目立ちたがり屋でした。

※園内の一部で古くなった木道を新しい木道に交換する工事が行われています。また天狗原・白馬乗鞍岳方面への登山道において登山口から約5分ほどの地点で一部崩壊している個所がありますので通行の際は落石やスリップに気を付けてください。(通行用の補助ロープが設置されています)

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2008年06月19日八方尾根から唐松岳巡視

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

最近は梅雨とは言え、しばらくは晴天に恵まれていた後立山でした。現在の八方尾根の残雪状況は、遊歩道の巻道(木道)には所々残雪があり、一部通行止めになってる個所がありますが、尾根道は完全に溶けていました。
八方池から唐松岳の登山道にも当然ですが残雪が多く残ってます。夏道はほとんど歩けず、尾根を直登する形になります。要所要所には赤いマーキングが施されていますが尾根道は痩せている部分が多いので落石や滑落に気をつけて歩くことになります。
下山時は雪渓のトラバースにも注意が必要です。(出来ればアイゼン着用)


(上ノ樺から見た八方池)
残念ながら八方池はまだまだ雪解けに時間がかかりそうです。
池周辺にある植生マットからはタテヤマリンドウやウメハタザオが咲いていました。
八方を愛する地元の方の努力が報われた瞬間ですね。とても感動的でした。


(標高2,600m付近の岩稜帯)
このルートは本来夏道としての利用が少ないルートですが、残雪期にはこの尾根を歩くことになります。


(牛首から唐松岳頂上山荘と唐松岳)
山荘からの唐松岳への登山道には残雪が無く、夏道と同じルートになります。

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2008年06月02日針ノ木岳慎太郎祭

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 6月1日に大町地区の夏山開きとして「針ノ木岳慎太郎祭」が日本三大雪渓の一つの針ノ木雪渓にて行われました。今年は第51回目で私が生まれる前から行われている歴史の長い開山祭です。近代登山の先駆者であり歌人でもある百瀬慎太郎を偲び、夏山登山安全祈願の神事が執り行われました。
今年も多くの人が参加し神事の後は針ノ木峠まで記念登山を行い、参加者全員無事に下山いたしました。下山後はおしるこが振る舞われ、大人も子供もとても満喫した雪焼けの黒い顔で帰路についていました。


(標高1600m付近にて神事)
天候が良かったため針ノ木峠まで見渡すことができました。
今回は約150名の参加があり、中には以前この慎太郎祭にて挙式を行い、今回は2人のお子さんを連れて参加されてる家族がいました。
なんだか心温まる風景でした。いつまでもお幸せに…。


(針ノ木峠と針ノ木岳)
神事会場から約2時間弱で峠に到着です。お昼ごはんを食べる人や蓮華・針ノ木方面へ登って行く人も見られました。
峠からは南に槍ヶ岳、北は白馬岳まで遠望ができました。


(峠直下の雪渓下り)
下りの最初の部分はかなりの急勾配なので参加者は恐る恐るの出足でしたが、途中慣れてくると皆思い思いに楽しく色々なスタイルで下山していきました。私も普段自分の足では出せないようなスピードで駆け下りていきました。
走る・滑る・転がる、まさしく雪渓下りの醍醐味といった感じですね。

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2008年05月29日初夏の白馬連峰

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 白馬村や小谷村のゲレンデの雪はほとんど溶けてなくなり低山帯では新緑がきれいな時期になりました。最近は少しずつ平均気温も高くなり、夏に向けて動植物達も活発に活動しはじめています。私が訪れた時にはなんと蝉が鳴いておりました。この日はちょっと欲張りな行程で、八方尾根の巡視と栂池自然園のモニタリングを行いました。この2ヶ所はすでにリフト・ゴンドラ・ロープウェイは営業開始済みで登山客・観光客ともに賑わっていました。
積雪に関しては、八方尾根の八方池は残念ながら雪の中でした。登山道も木道はまだ積雪のため通行できませんが、尾根道であれば歩くことはできます。
栂池自然園はこちらもまだ積雪が1メートル以上はありそうで、ほとんどの木道は雪の下です。でも所々地面が露出している所では、ミズバショウがたくさん咲いておりました。八方もタテヤマリンドウなどの高山植物が咲きはじめ、花の季節の到来を感じました。


(栂池自然園入口の様子)
看板がまだ半分以上雪の中です。園内は雪道ですが、ガイドロープが張ってあるので夏道の木道とほぼ同じ位置を歩けるようになってます。


(栂の森のミズバショウ)
毎年行ってるモニタリングポイントで咲いているミズバショウですが、芽が出始めた頃に動物(カモシカ?)に食べられたようです。形を崩しながらも成長していました。


(八方尾根から見た白馬連峰)
尾根上のルートは第2ケルン付近以外は積雪はありませんでした。八方池~唐松岳間はまだ一部稜線上に雪があるので最低でも軽アイゼンは持参したほうが無難です。

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2008年05月21日菅平湿原

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 菅平の自然と言えば四阿山・根子岳などが代表的ですが、実はこの菅平高原にはその副産物としてりっぱな湿原が存在します。この菅平湿原は旧四阿火山が噴火した際に現在の場所にあった谷を溶岩でせき止め、湖が出来て浸食され湿原が形成されました。現在この湿原は動植物が多く生息し、遊歩道として木道などが整備され地元の方にとても大切にされています。
しかし残念なことに近年土砂の流入により湿原の陸化が進行しているとのことです。対応策として沈砂池などを造り陸化を防いでいますが、私としても現地状況をモニタリング(定点位置にて植生変移などの観測)することによって、この先のより良い保全のために役立てていけたらなと思います。
今回の調査で思ったことですが、野鳥がとても多く渡り鳥もたくさん飛来し、人の利用のみならず動物たちの利用も多いことから、ここの自然の豊かさを感じ取ることができました。



カルガモも春の芽吹きを楽しみながら木道を散歩です。
人も動物も季節を感じ取る五感は同じなのでしょうね。



ミズバショウは数こそ多くはありませんが、一つ一つ元気に咲いています。



沈砂池周辺と湿原遊歩道(木道)です。池の中にはクロサンショウウオの卵嚢が所々見られます。周りにはイチリンソウなどの野花が沢山咲いていました。

※湿原内の木道は部分的に老朽化して危険な為、立ち入り禁止表示のある木道は歩かないようお願いいたします。

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2008年04月15日アルペンルートの春

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 去年はアルペンルートの開山祭の出席でしたが、今年は4月10日に行われた立山黒部アルペンルートオープンカーニバルに出席してきました。この行事は立山黒部アルペンルートの大町側の開通を祝う式典で、メインイベントとしてエキストラによる佐々成政(富山城主)の雪中行軍を再現していました。
この日はあいにくの雨で(私は雨男のようです)残念でしたが、とても風流な行事に感動と歴史を感じました。ここアルペンルートではこの行事を皮切りにこれから様々なイベントが開催され、観光シーズンへと突入していきます。
利用者の無事故をお祈りしつつ、今年度も再任となりましたのでまたよろしくお願いいたします。

※4月10日~16日の期間は、利用者の安全確保と自然保護のため室堂平でのスキー、スノーボード、キャンプを目的とした入山をご遠慮いただきます。
アルペンルートの全線開通は4月17日の予定です。


(安全祈願神事)
本来は黒部ダムの上で行われる予定でしたが、降雨によりトロリーバス待合所にて神事が行われました。なんとこの日は室堂でも雨が降っていると言うことで、地元の人も驚かれていました。


(黒部ダム上にて雪中行軍の様子)
ビニール袋や傘で雨をしのぎながらの行軍でしたが、エキストラ達の顔はとてもご満悦な笑みを浮かべていました。


(まだ全面結氷中の黒部湖)
4月に入り暖かく感じる日が出てきました。でも周りの気温が高くても、凍った湖面を見ると寒く感じたりしませんか?黒部湖の氷は6月までには溶けてしまいますが、ここはまだまだ真冬の景観です。

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2008年03月03日国立公園写真展の開催

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 長野管内アクティブレンジャーが撮影した中部山岳国立公園、上信越高原国立公園の写真を「国立公園写真展」として管内の各地で展示していきます。
今回(初回の展示です)は、長野県白馬村役場玄関をお借りして展示します。
写真は準備中のものですが、役場へ来訪してくる方々の中には、早速観覧したり、展示準備の私達に質問をされる方があるなど、写真展に手応えを感じることができました。
この写真展を通して自然のすばらしさ、保護の重要性、共存のありかたなどを考えていただき、それぞれの写真が持つメッセージを感じ取っていただけたらなと思います。お近くにお寄りの際は、是非ごゆっくりご覧になってください
※この写真展は3月3日~21日まで白馬村役場にて開催されています。

  詳細はコチラを参照してください↓
アクティブレンジャー国立公園写真展


どうやって写真を並べるか試行錯誤中です。


このパネルは裏表に2枚ずつ写真が展示されています。


作業中とても気になっていた風景なので、思わず写真に撮ってしまいました。
設置会場の大きな窓から見えていた白馬三山です。
写真展の写真よりもこっちの方が主役になってしまいそうな風景でした。

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2008年01月21日菅平スキー場巡視

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 最近菅平はぐっと冷え込む日が続いてますが、1月に入りようやく本格的なスキーシーズン突入です。今回は公園内にある菅平スキー場の利用状況を確認するため、万座の宮西ARと二人で現地調査を行ってきました。
ゲレンデ内で標高の高い所では気温-10℃。晴れていても風邪が吹けば確実に体感温度-15℃以上は味わうぐらいの寒さです。スキーをして体を動かしていれば大丈夫ですが、ずーっとじーっとしていたら凍ってしまいます。
そんな中でスキーをしていないスキー場関係者様、ホントお疲れ様です。
 この日は平日と言うこともあり一般客の利用はほとんど無く、学校の授業やスキースクールの生徒達の利用が大部分を占めていましたが、学校の大半は県外からの利用というのも驚きでした。
スキー場に来ている利用者とお話しをしてみると中学生の利用が最も多く、中にはスキー初体験の生徒も沢山いました。
ただこの日は残念なことに、青空が見えることがあっても悪天候な状況であったため、生徒達は高所ならではの洗礼を受けながらの授業となりました。



(オオマツゲレンデ最高所)
見るからに「寒い冷たい痛い」の世界です。
この一本松は何度も何度も凍っては溶けてを繰り返し今日に至っています。
一見凍ってそうに見える木ですが、実は樹木にも体温があり、根本にある雪を
ゆっくりと溶かすぐらいの暖かさがあります。夏場はわかりにくいかもしれませんが一度この時期の樹皮を触ってはどうでしょう?木の温もりを感じ取ることが出来ますよ。



(白銀シュワルツゲレンデ)
標高の高い所では、場所によりホワイトアウトに見舞われる所がありました。
生徒達は隊列を崩さず、寒さに震えながら先生の指導に従っていました。



(ゲレンデルートと看板のチェック中)



(裏太郎ゲレンデ)
写真を見てわかるようにH型のポールが何本か見えますが、この場所は夏にラグビーなどで利用されているグラウンドになります。ほんとに菅平は、夏も冬も通年を通して合宿やスクールイベントが多くスポーツ関連に密接な地域なんだなあと改めて思いました。

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2007年11月26日雪化粧菅平高原

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 最近ご無沙汰であった菅平の状況をお知らせいたします。
以前の情報は春先のお話でしたが、今回は一気に冬の話題になります。
菅平へは夏場だと長野市内から1時間もかからずに行けますが、この時期ですと少し時間に余裕を持って行動をした方が無難です。長野市との標高差が1,000m以上もありますので、下界では積雪がない状態でも、菅平では普通に積雪があり道路も主要道路以外は圧雪アイスバーンという状況です。
根子岳や四阿山に関しては完全に雪山状態です。登山口のトイレや売店も冬期閉鎖となっています。
(現時点での入山に関しては、それなりの知識と体力が必要となります)
夏はスポーツの合宿や登山者で賑わっていましたが、これからのシーズンはスキー客で賑わう事になるでしょう。
スキー場をご利用される方は、車とスキーの運転に気をつけて菅平を満喫して下さい。
※主要地方道長野・菅平線は現在冬期通行止です。


スキー客を迎えるため高原のゲレンデは大忙しで、人工降雪機を使いスキー場の整備を行っていました。


唐沢の滝)
この時期の滝の流れは、寂しさの中に情緒を感じます。
さすがに滝に打たれている人はいませんでした。


(菅平牧場)
牧場内の白樺が雪樺になってしまいました。周りの木々たちも見事に樹氷状態でした。

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