ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

長野

76件の記事があります。

2009年11月24日初冬の菅平

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 雪が積もり始め、いよいよ寒~い時期がやってきました。この夏、合宿でにぎわった沢山のグラウンドは来年春までちょっとお休みです。
替わりにゲレンデと言う名のグラウンドにバトンタッチの準備が始まっています。菅平での積雪はまだまだ本格的ではありませんが、確実に気温は低くなってきています。標高の高い菅平では下界で雨が降ってる場合、降雪となる確率が高くなりますので、スタッドレス・防寒着は必須です。
すでに根子岳や四阿山の山頂付近では20㎝以上の積雪があり、一足早い冬の装いになっていました。


(白く薄化粧した菅平全景)
今年の1月には最低気温マイナス23.7℃に達した菅平ですが、来年はさらに寒くなるのでしょうかね?

※すでに県道長野菅平線は冬期通行止となっています。
現地注意看板に、期間は「当分の間」・・・ちょっとアバウトな表記で書かれていましたが、夏期間はちゃんと開通するようです。


(パインビークスキー場)
一見利用できそうな感じですが、まだまだ地面が露出している部分があります。
スキー場施設の準備は大方終わっているようなので、あとは雪を待つのみです。


(五竜・唐松方面)
菅平から見た後立山ですが、こちらはさらに標高が高いだけあってすでに厳冬期に近い姿になっています。
毎年の事ですが、この時期になると冬遊びの準備が楽しい時期でもありますが、ウィンタースポーツ利用者も経営者もまだか?まだか?と言ったもどかしさが募る時期でもありますね。

ページ先頭へ↑

2009年10月14日秋支度菅平

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

日が射せばまだまだ温かい時期ではありますが、標高の高いところでは朝の気温はマイナスになることも珍しくありません。昼と夜との温度差が大きくなる頃、山の木々たちは1年を締めくくるかのように最後の晴舞台が始まります。
例年に比べ少し早い秋の便りとなった菅平では、野山の葉が色づき始め訪れる人を情緒豊かな気分させてくれます。菅平の高原野菜は収穫の時期を迎え、下界へと秋の味覚を届ける準備で大忙しでした。

(パインビークスキー場とナナカマド)
菅平牧場から見える大松山周辺のスキー場です。ウィンターシーズンに向けゲレンデの草刈りが行われあとは雪を待つのみといった感じでした。去年は雪の少ない年でしたが今年はどのぐらい降るのでしょうか?一足早く真っ赤に紅葉したナナカマドの木が今冬の降雪量を物語っているのかもしれませんね。


(菅平牧場入口道路の散策者たち)
菅平牧場へ至るこの長く続く直線道路脇には立派なシラカンバが並び、根子岳とセットで景観美のあるビューポイントになっています。根子岳山頂部ではすでに紅葉は落ち着き、下界へと色づきが下降してきました。毎年この時期になると登山者よりもカメラマンの姿が目立ちます。訪れる観光客・登山者は、秋の醍醐味を満足そうな顔で散策し、三脚を添えカメラ越しから被写体に熱い視線を送っていました。
※四阿山は針葉樹林が多いため紅葉は期待できませんが、未だに青々とした山容を放っています。


(二重滝)
ちょうど国立公園境にあるそんなに知名度は無い滝ですが、一年を通して水量が多く豪快さを演出し、周りの景色においてはちょっとした絶壁や落葉樹が多いため秋の紅葉なんかも楽しめたりもします。ただ残念なことに滝の上部すぐ裏に建物(浄化センター)があり、見る位置によっては一緒に見えてしまい自然美に萎えてしまいます。写真を撮るときは周りの広葉樹をうまく使い建物を視界から消すといい写真が撮れるようです。カエデの葉が多くあるのでこれからの紅葉がとても楽しみな場所です。

ページ先頭へ↑

2009年09月04日後立山登山道調査

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

気づけばもう9月、北アルプス後立山連峰も登山シーズン折り返しの時期でもあります。2泊3日の行程で勝島ARに同行してもらい登山道調査に行ってきました。今回歩いたルートは大町市の扇沢を始終点にし、柏原新道を登り爺ヶ岳から針ノ木峠の稜線を歩き、下山は針ノ木雪渓を下り扇沢に戻るコースを調査してきました。全体的に歩きやすいコースですが一部ガレ場や鎖場などがあり、高度感を感じるところがありますが慎重に通行してもらえれば問題なく通過できます。今回の調査ではすれ違う人も少なく、山本来の壮観・静観を体験することができました。


(ライチョウ雌 針ノ木岳)
登山道上で人目を気にせず砂浴びをしていたライチョウと出会いました。
羽についたダニや寄生虫などを、砂と一緒に落とすために行う行為らしいです。


(スバリ岳登りの途中で振り返って見た赤沢岳)
稜線上は県境で写真左側が富山県、右側が長野県になります。
ちょうどこの時は稜線を境に気象条件が異なったため、珍しい光景を見ることができました。
※このような状況が見られる時は、稜線上では強風の場合が多いので歩行には注意が必要です。


(針ノ木雪渓 ノド付近)
ここへ通る前日に崩落した雪渓です。現在は雪渓を縦断することは出来なく、高巻ルート(夏道)から対岸へトラバースするルートに変わっていました。現地はグリーンロープや簡易道標が設置してありますが、さらに崩落の危険があるため、なるべく雪渓上では素早く通過するようにお願いいたします。
今後の状況次第では沢を渡渉する事もありますので、現地の小屋などに情報確認をした上で入山することをお勧めいたします。

ページ先頭へ↑

2009年06月30日根子岳・四阿山はレンツツ最盛期

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

レンゲツツジは北海道から九州の広い範囲に分布する落葉低木です。別名は鬼ツツジ。信州の安曇地方で歌われる安曇節の中に「聞いて恐ろし 見て美しや 五月野に咲く 鬼つつじ」という一節があります。
花を鬼に見立て豪快で綺麗な花びらを歌にするほどインパクトのある花です。その鬼ツツジですが、菅平高原の山岳地ではほぼ満開の状態です。
白樺の白い幹との対照が美しく、さながら初夏の紅葉と言った感じです。


(四阿山山麓)
レンゲの由来は蕾の状態が蓮華に似ている所から名前が付いてます。
菅平の根子岳・四阿山麓の牧場で大変多く見かけます。花弁だけを見ているとなぜか南国気分になりますね。


(根子岳山麓)
登山道脇でも賑やかに咲いているので元気が湧きます。ちょっとした休憩時の清涼剤としても担っています。


(バックの稜線は小四阿)
牛さんは花や葉に毒があるのをわかっていて食べないのか、それともあまりにも綺麗なため景色を観賞しているのかは定かではありませんが、何とものどかな風景が広がっていました。

根子岳付近の高山植物も徐々に花が咲き始めました。ミツバオウレン・ハタザオ・アヤメ・ムラサキヤシオツツジなどがメインでヤマハハコやハクサンチドリも若干見られます。レンゲツツジの開花は7月上旬頃までですが、この後もレンゲツツジに負けないぐらいの豊富な種類の花達が咲き乱れます。百名山として魅力的な四阿山とは対照的に、花の種類が豊富なので花の名前を覚えたい人には喜ばれる山、それが根子岳です。

ページ先頭へ↑

2009年05月21日栂池自然園開園祭

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 五月晴れの5月20日に栂池自然園にて開園祭が開催されました。今年も園内及び周辺の山岳地域の安全を祈願しつつ神事が行われました。
今回で3度目の出席となりましたが、新型インフルエンザの影響でしょうか?
一般の観光客の姿が去年と比べかなり少ない訪れとなっていました。  
積雪に関しても去年に比べ明らかに少なく、今シーズン園内の雪解けは早いかと思われます。今年のミズバショウは早い段階でお目にかかれるかもしれませんね。


(栂池ビジターセンター前)
この日は近年にないポカポカ陽気でした。神事の後は餅つきイベントが開催され、参加者にはきな粉餅が配られました。


(自然園入口)
園内はまだほとんどが雪に覆われています。散策する場合は滑らない・濡れない靴を用意した方がいいでしょう。また自然園は山岳地でもあるため急な気候の変化もありますので、寒さ対策もお忘れなく。


(栂の森)
ロープウェイ乗り場付近の池唐ではすでにミズバショウの開花が始まっています。このあたりの個体は自然園の個体よりも倍以上に成長(緑の葉の部分)しますので、見応えある開花を楽しめます。

ページ先頭へ↑

2009年04月15日菅平季節の移り変わり

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 ちょっと前まではスキーシーズン真っ盛りだったはずが、いつの間にかスキー場の営業も終了してしまいずいぶんと早く春が来たような感じがします。
畑や牧場などの広い所では雪解けが進み農作業をしている姿を沢山見かけます。町の人たちもグリーンシーズンに向け急ピッチでスポーツ施設などの整備を行い、また今年の夏にやってくる観光客や合宿者の受け入れの準備に追われていました。
春は一年のスタートの季節ですが、菅平高原の動植物たちもゆっくりと着実に春を迎える準備にかかっているようです。


(菅平湿原 ~みずばしょうちゃん1号~)
まだ小さいですが白い部分の仏炎苞(ぶつえんほう)が開花していました。
周りをよく見ると新芽も多く確認できます。


(菅平から見える浅間山をバックに)
ちょっと前まではのんびりとした雪原だった畑も、春の訪れとともに農家は畑作業で大忙し。今年はどんな美味しい高原野菜が出来るか楽しみです。


(春の唐沢の滝)
雪解けの時期なので1年で一番多い水量となります。下流では渓流釣りを楽しむ人もいました。

※現在の根子岳・四阿山の登山道はまだ8割以上雪道の状態です。この先早い段階で雪解けは進むと思われますが、例年通りにいけば北斜面や日影などはかなり遅くまで雪が残ると予想されます。まだまだ入山に際しては冬山の装備でお願いいたします。

※冬期通行止めの地方道長野・菅平線は4月24日まで通行止めとなっております。

ページ先頭へ↑

2009年03月13日AR国立公園写真展白馬にて開催

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 去年の白馬村役場から開催が始まり、各地を巡回して開催してきた「アクティブ・レンジャー 国立公園写真展」も3月に入り無事1年間展示することができました。平成21年度もここ白馬から新しい展示がスタートとなります。
今年の写真選定基準は「人・花」で、去年よりもよりテーマ性の強い展示内容となっております。
しかし展示内容・展示方法について私共はプロではありませんので、見映え的に至らぬ点があろうかと思いますが、手作り感あふれる作品、展示をご堪能いただければと思います。
※開催内容については長野自然環境事務所トピックスをご覧ください。


(2階展示会場)
施設内にはバス待合所・観光案内所・喫茶(Vagin Cafe)・有料ネットパソコンなどがあり情報発信基地的な複合施設となっています。
1階にも数点作品を展示しています。


(開催場所となる八方インフォメーションセンター)
ここの施設は白馬三山を眺望できる所に建っています。
展示会場の窓越しからも見えますので、晴れた日は展示物の一つとして演出してくれるはずです。


(松川より真冬の白馬三山)
最近の白馬三山です。今年は雪が少ないと各地で耳にしますが、白馬村も下界では積雪がほとんどない状況です。
でもさすがに山の上は綺麗な雪景色です。
この本物の風景には勝りませんが、展示写真も併せてご覧頂き国立公園の素晴らしさを感じていただけたらなと思います。

ページ先頭へ↑

2009年02月12日菅平冬の巡視活動

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 定期的に行ってる定点観測の為の巡視ですが、時期に応じて観測ポイントを変えて調査をしています。現在はウィンターシーズンですので、スキー利用調査(ゲレンデや駐車場)がメインになっています。
去年から調査を行っていますが、利用層は小・中・高の学校関連利用が多く、全国各地から沢山の生徒が集まってきます。
個人で菅平のスキー場を滑る場合、一般客の中に混じってという表現よりは、スクールの中に混じって一般客がスキーを滑る、そんな状況です。
生徒のほとんどはスキー初心者なので、スクール集団の近くを滑る時は気を使わなければいけません。反面、中級以上の方であればちょっと目立っていい気分になれます。


(パインビーク オオマツゲレンデ)
集団のほんの一部です。ゲレンデを見渡すと同じ色のウェアーがあたり一面を覆い尽くすことも。


(唐沢の滝)
スキー場とは対照的に冬は訪れる人が少ないですが、一見の価値はあります。


現在、菅平国際リゾートセンター内にてアクティブ・レンジャー撮影による「国立公園写真展」を3月1日まで開催しております。
上信越高原を中心に展示しておりますので是非ご覧いただければと思います。
詳細は長野自然環境事務所HPに記載しております。

ページ先頭へ↑

2008年12月17日雪乞い菅平

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

 最近は好天が続く日が多く、雪が降っても降雪量が少なくスキー場関係者を悩ませている状況にあります。去年の同時期も似たような状況でしたが、例年より降雪量が少なくなってきているようです。
温暖化のせいでしょうか?確実に受ける影響として、主に環境問題や経済などが取り上げられます。あまり思いつかなかったのですが「遊び」においても温暖化は大きく影響してくるのですね。
いずれにしても来年1月からの雪に期待しつつ、現在雪は少ないとは言え日蔭では所々アイスバーンになっておりますので車の方はお気をつけて運転してください。


(裏太郎ゲレンデ)
積雪は少ないですが、一部オープンしている所もあります。
ここの他にオオマツゲレンデも一部オープンしていました。


(日の出ゲレンデ)
リフトは営業していませんが人工降雪機の頑張りにより、少しだけ滑走が可能な状態です。搬機に頼らず登った利用者が一本一本大事に滑走する微笑ましい風景でした。


(ツバクロゲレンデから見た根子岳・四阿山)
山に積雪はあまりないように見えますが、登山道はすべて雪道で分かりにくくなっております。入山の際は、雪道で気温も低いので冬山装備が必要になります。

ページ先頭へ↑

2008年11月13日霜月の後立山

長野 アクティブレンジャー 東原 桂一

今は秋から冬へ突入する季節変わりの時期ですが、標高の高い山頂付近では完全に雪山状態になってきました。冠雪した山々を見てちょっと肌寒く思う時期でもありますが、夏に比べ空気も澄んで山々のくっきりとした遠望が得られるのもこの時期です。自分の足での登山もいいですが、下界から遠望する雄大な稜線を見ながら頭の中で散策するのも脳内リフレッシュになり楽しいと思います。晴れた日には下界からでもはっきり見えるこの時期に是非、頭の中で後立山の縦走を楽しんでみてはいかがでしょうか?


(中条村道の駅付近から見た鹿島槍ヶ岳)
晴れた日には爺ヶ岳から白馬岳までの稜線が一望できます。
仮想縦走には最適な場所です。


(白馬村松川より白馬連峰稜線)
すっかり雪化粧ですが、10月下旬頃の降雪時は今より積雪がありました。
白馬村からの眺望は時間的に稜線が日影にならない午前中がオススメです。


(栂池自然園)
こちらも10月の降雪以来それほど雪が降ることがなく雪解けが進んでいました。園内のミズバショウはあちこちで新芽が出始めています。また来年の春も沢山育っている姿を思うと楽しみですね。

※後立山のグリーンシーズンは終わり稜線の山小屋、八方尾根や栂池自然園のリフト・ゴンドラはすべて夏の営業を終了しています。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ