ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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伊勢志摩国立公園

108件の記事があります。

2018年04月13日ドローンで横山を撮影!!

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

先日、横山園地において、リニュアルされた展望台をドローン(マルチコプター)で撮影しました。

横山展望台天空カフェテラスとリアス海岸の英虞湾です。

かすみがかった天候でしたが、きれいに撮影できています。

天空カフェテラスとスロープを海側から撮影しました。

麓からはほとんど見えないスロープも、

上空から見ると、その全貌を把握できます。

パノラマ展望台(そよ風テラス)が左下に、

見晴らし展望台が小さく右上に見え、

中央の山が横山(山頂方向)です。

その奥には英虞湾の湾口、御座岬と矢取島も見えています。

今回はテスト飛行なので十分な撮影が出来ませんでしたが、

これから伊勢志摩国立公園の美しい景色をより魅力的にお伝えしたり、

植生の様子などを記録して自然調査に役立てたりする予定です。

なお、横山展望台周辺でドローンを飛行させる場合には、

必ず事前に志摩自然保護官事務所に相談をして承諾を得て下さい。

また、法規制や一般的なマナーを十分に守っていただきますようにお願いします。

志摩自然保護官事務所

TEL:0599-43-2210

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2018年04月11日レンジャー出前授業@神社幼稚園

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー 半田俊彦

3月のことになってしまいましたが、

伊勢市立神社幼稚園でレンジャー出前授業をおこないました。

神社幼稚園では毎年2回、出前授業をおこなわせていただいています。

今回は、幼稚園近くの神社港で野鳥の観察をしました。

はじめに、国立公園やレンジャーのことについて前回のおさらいです。

みんな良くおぼえていて、こちらがびっくりです!

神社港は伊勢神宮の森を流れる五十鈴川の河口にあり、

潮が引くと干潟が広がります。

干潟には野鳥が集まり、比較的近くで観察をさせてくれます。

みんな双眼鏡を使うのは初めての体験で難しいところもありましたが、

一生懸命のぞいて、見えたときにはちょっとした感動です!

今回はカモの仲間をはじめ、カワウ、トビ、ユリカモメなど、

10種類以上の野鳥を観察することが出来ました。

観察のはじめと終わりでは、子どもたちの「生き物を見つける目」が違っており、

帰り道にも野鳥や昆虫などを見つけて楽しんでくれました。

伊勢志摩国立公園のレンジャー出前授業は、

幼稚園、小中学校から高校、大人の団体まで様々な方々に対して

伊勢志摩国立公園の自然や身近な自然環境についてお伝えをしています。

今年度も御利用をお待ちしています!

詳しくは、こちらまで↓

http://chubu.env.go.jp/to_2018/2018_1.html

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2018年04月04日横山展望台の一部が新しくなりました!

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

伊勢志摩国立公園では「国立公園満喫プロジェクト」の一環として

志摩市阿児町にある横山園地の再整備を行っています。

今回、横山展望台の展望デッキをはじめ3箇所の展望施設が完成し、

3月31日から利用できるようになりました。

■横山展望台展望デッキ

供用開始前には完成披露会がおこなわれました。

■木もれ日テラス

ケヤキやスダジイのつくる木かげがあります。

■そよ風テラス

標高が高く海にも近いため、英虞湾の景観に迫力があります。

8月には横山展望台に天空カフェテラス(カフェ併設の休憩所)がオープンする予定です。

また、展望台駐車場および駐車場にアクセスする車道についても同時に供用を開始する予定です。

ぜひ英虞湾の景観を楽しみに来て下さい。

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2018年03月30日横山で英語ガイド、企画中です!

伊勢志摩国立公園 麻生里衣

久しぶりの投稿です。

この1年間、英語研修やワークショップ、下見などを行い、暖め続けてきた英語ガイドですが、

少しずつ形になってきました(*^^*)

横山を訪れる外国人観光客の方々に、もっと伊勢志摩のことを知ってもらいたい!という思いから、伊勢志摩パークボランティアの中でも英語に興味を持ってくださったボランティアさんと構想を練ってまいりました。

横山はまだ英語圏のお客さんが多くないため、日本語でも対応できるように併記で資料を作成しております。

3月も中旬に入り、横山でも早咲きの桜が咲いてきました!

桜を目当てに来る外国人には、花見のお話もする予定です。

こちらの画像は横山創造の森の桜園に多い、ヨウコウザクラ。

全国より少し遅いような気がしますが、2月頃から横山でもヤブツバキが咲き始め、まだ山中では花が残っています。横山から眺める英虞湾のリアス海岸や、真珠養殖やミキモトの創始者:御木本幸吉氏にまつわるエピソードなども紹介予定です。

ガイドの下見をしていると、ヤブツバキにメジロがー!

ヤブツバキとメジロ

ちょっとぼけてますが、資料作りにちょうど欲しかった絵が撮れました♪

私というとは、外国から伊勢志摩を訪れる人々に里山の自然の大切さを知っていただきたいという思いから、「ウバメガシ」を紹介したいと思っています。このウバメガシは、海岸沿いの岩場などに自生するカシの一種で、紀伊半島ではとても良く見られます。横山の尾根にも多いこの木は、昔から「備長炭」の原料として重宝されてきました。

前回のレンジャー日記にも書きましたが、この地域では伊勢神宮に奉納する神饌(神様にお供えする食事)にもなっている鰹節を燻す薪としても使われてきました。里山では、木を切り、山を管理することで、そこに生息する動植物の多様性を守ることが出来るという、外国ではまだ一般的でない日本の里山における自然保護の在り方を説明できるように、試行錯誤中です。

お客さんがどんな反応をみながら、少しずつ良くしていければと思っています。

まずは実行ということで、今月20日は雨天のため中止になりましたが、来月10日に再度決行予定です!

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2018年02月20日レンジャー出前授業@代々木高校2回目

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

2月13日(火)に代々木高校フリースクールで2回目の出前授業をおこないました。

前回は横山園地に来てもらいビジターセンター周辺の自然調査をしましたが、

今回は代々木高校の周辺で、より実践的な調査をおこないました。

代々木高校はもともと旅館だった建物を利用しています。

全域が伊勢志摩国立公園の第3種特別地域に指定されている賢島にありますが、

周辺には近鉄賢島駅や大型のホテル、水族館なども整備されおり、

開発の進んだ地域になります。

はじめに、代々木高校の校舎周辺で植物の名前を記録しました。

高木か低木か、落葉樹か常緑樹か、草本か木本か、

外来種か在来種かなどについても見分けて記録しました。

次に賢島金刀比羅宮でも同様の調査をおこないました。

ここは神社なので古くからの自然が残っている場所です。

調査結果は学校に戻ってから模造紙にまとめました。

2箇所に共通して見られた種、どちらかの場所にしか見られなかった種で分けると、

賢島には全体に常緑広葉樹が多く見られること、

代々木高校周辺では草本や外来種が多く見られたことなどがわかりました。

今回の調査結果は、主に賢島を利用する観光客の方に、

賢島にはどんな種類の植物があるのかを伝えるために作成しました。

短い時間の作業でしたが、とても良い作品が出来上がったと思いました。

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2018年02月05日レンジャー出前授業@代々木高校

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

1月30日に「レンジャー出前授業」を行いました。

これまでの出前授業では、レンジャーが学校などに赴いて行うことがほとんどでしたが、

今回はこちらのホームグラウンドである横山ビジターセンターに来てもらっての授業となりました。

対象は通信制高校である「代々木高校賢島校」の生徒さんです。

フリースクールの一環としてビジターセンターを訪れていただきました。

センターの役割や建物について紹介しています。

続いて、国立公園やレンジャーの仕事についてお話しをさせてもらいました。

横山園地で冬の植物を「調べる」活動の体験をしました。

観察した物はカメラで「記録」しました。

記録した写真を「伝える」ためにビジターセンターに掲示します。

今回実施した「調べる」「記録する」「伝える」は、

レンジャーが国立公園の自然を守るために行っている活動の基本となるキーワードです。

今回はその3つを体験しながらレンジャー活動について知ってもらいました。

次回は代々木高校の周辺で、より実践的な活動をしてもらう予定です。

どうぞお楽しみに。

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2018年01月24日アカガエルの産卵が始まりました!

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

伊勢志摩国立公園から、早くも春を感じさせる話題です。

アカガエルはまだ寒い冬の間に冬眠から目覚め、水辺で産卵をするカエルです。

今年は1月18日の調査で、最初の産卵を確認することが出来ました。

アカガエルの卵は、およそ300個から800個くらいの卵が集まった塊になっています。

浅い水辺に産み落とされたものを、一つ一つ持ち上げて確認します。

このように卵塊が崩れずに持ち上がるのは、ニホンアカガエルの卵です。

ヤマアカガエルの卵は、持ち上げると崩れてしまいます。

確認した卵塊には、日付を書いたマークをつけておき、

無事にふ化するように見守ります。

まだ寒い冬の水辺ですが、アカガエルの卵を探しに出かけてみませんか?

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2017年12月20日レンジャー出前授業@志島小学校

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー 半田俊彦

12月18日に志摩市立志島小学校で出前授業を行いました。

「大好き志島」をテーマに5月から4回にわたって

特別な授業を行ってきましたが、

今回が最終回、まとめの授業になります。

伊勢志摩国立公園のレンジャーは自然を守るために、

「調べる」「記録する」「伝える」という3つの活動を行っています。

今回は「伝える」ための活動を実践します。

これまでの授業を通して発見した、志島地区の良い所や自慢したい所、

未来に残していきたい大好きな志島の海について、

4回の授業に沿って模造紙にまとめてもらいました。

いその生物観察を行った授業のまとめです。

海女さんがゲストに来てくれたときのまとめです。

海底地形図を作ったときのまとめです。

漁師さんがゲストに来てくれたときのまとめです。

完成した作品は学校内のほか、

志島小学校の閉校記念式典や横山ビジターセンターでも展示され、

たくさんの方に見ていただくことで志島の魅力を未来へ伝えてくれる予定です。

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2017年12月14日伊勢志摩を外国人観光客にも、楽しんでもらうために②

伊勢志摩国立公園 麻生里衣

いつもの内容と変わって、今回は観光地としての国立公園についてです。


伊勢志摩国立公園は、世界水準の「ナショナルパーク」としてブランド化し、より多くの訪日外国人に来てもらうための活動に取り組んでいる国立公園の一つです。その活動の一環として、11月に4名の外国人アドバイザーを招いて、外国人対応を行っている或いはこれから行おうとする9つの事業者さんを訪問するツアーが実施されました。


伊勢志摩国立公園は96%以上の面積が民有地で、この地域には古くから人々の文化や歴史、信仰があり、それらが自然と共に見られることが大きな特徴の一つです。海女文化や御食つ国としての食文化、地元の大切な産業である真珠養殖などは、伊勢志摩の豊かな自然に支えられています。

今回は、志摩自然学校さんの「志摩の国 ガイドウォーキング ~灯台と石積みのある波切漁村を歩く~」について書きたいと思います。

大王 志摩自然学校 ツアー

「絵描きの町」としても知られる大王町。

とっても絵になる石積みの街並みを歩きます。

天候にも恵まれ、青空を映して海が青く輝きます。

波切 海

小高い丘の上に、タイムスリップしたかのような歴史を感じる建物が見えてきました。

こちらは、波切節「かつおの天ぱく」さんの鰹いぶし小屋です。

波切節 鰹節 天白 見学

歴史を感じる、趣のある建物です。

波切節 鰹節 天白 見学

白煙が漂う小屋の中で、天ぱくのご主人のお話が始まります。

波切 鰹節小屋 見学

この志摩市大王町にある波切は、志摩市磯部町にある「伊雑宮」が奈良時代に建てられた頃から、鰹漁が盛んに行われていた場所だったのだそう。

奈良時代、ここ波切(なきり)は「魚切里」と書かれており、鰹節はこの地域の重要な産業だったといいます。その頃から、この地で作られた鰹節が伊勢神宮の御食(お供え物)として奉納されてきたのだといいます。

そして大切なのが、この薪木!

これば「ウバメガシ」という、この辺りではよく目にする木で、備長炭の材料になります。

ウバメガシ 鰹燻小屋

古くから「里山」として利用されてきたこの地域の森では、人の手が入ることによって自然のバランスが保たれてきました。ウバメガシを薪として使う鰹節小屋の存在が、里山管理に貢献してきたのでしょう。

自然の恵みを受けて育った鰹やウバメガシの木を使い、作った鰹節を神宮の神々に供え、そして自分たちもその後頂く、という営みが昔から脈々と受け継がれてきたことを感じました。

この日本特有の精神性には、外国人アドバイザーたちもとても感心したようです。

かつお燻し小屋を後にし、お散歩は続きます。

ガイドさんが大王崎灯台の見えるロケーションに連れて行ってくれました。

大王崎 灯台 波切

各地に様々な文化がある日本ですが、中には時代の変化と共に失われようとしているものもあります。

そういう魅力を外国に発信していくことで、守っていくお手伝いを出来たらいいなと感じました。

↓今回ご紹介した、波切ツアーに関するお問い合わせはこちら↓

* 志摩自然学校 *

http://www.shima-sg.com/

* 波切節「かつおの天ぱく」 *

http://www.katuobushi.com/

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2017年11月07日湿地の植物観察会

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

以前にもこのAR日記でお伝えしましたが、

伊勢志摩国立公園の南伊勢町押渕地区には良好な自然の残る湿地があります。

ここで11月5日(日)に横山ビジターセンターの自然観察会として

植物観察会と今年度実施した植物調査の報告会を行いました。

この湿地では12種の絶滅危惧種が記録されていますが、

そのうち2種は近年消滅してしまいました。

植物観察には遅い時期でしたが、

それでも7種の絶滅危惧種を観察することができました。

湿地内を流れる水路では、ヒメコウホネやヒメミクリ、

ミズトラノオ、ヒルムシロなどの水草が群生していますが、

最も旺盛に繁茂しているのは外来種のコカナダモです。

ここに生育していたアサザが消滅した要因の一つに

コカナダモの影響が考えられています。

ここは湿地内でも遷移が進んでハンノキが大きく成長した場所です。

地面の乾燥化が進んで湿地の植生ではなくなった場所もありました。

また、ここには外来種であるホテイアオイの大群落も見られました。

ゴマシオホシクサです。

丸い頭花がとてもかわいらしいです。

ナガバノウナギツカミです。

夏にはほとんど目立たない植物でしたが、

ピンク色の小さな花があちらこちらに見られました。

押渕地区の湿地は元々水田だった場所です。

この場所の自然を守るためには、ある程度人の手を加えて管理し、

植生の遷移を止めてあげる必要があると思います。

また、侵入した外来種をどうやって駆除したり管理したりするのか、

地域の住民や自治体と一緒になって考えていく課題もたくさんあります。

志摩自然保護官事務所としても今後も関わり続けていきたいです。

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