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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋

285件の記事があります。

2013年10月19日藤前干潟ふれあいデー2013が行われました

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

少し前のこととなりましたが、10月5日に藤前干潟ふれあいデー2013が行われました。
当日は雨が心配されていましたが、スタッフみんなの思いが通じたのか、
雨は降らず、多くの方の来場がありました。
ふれあいデーでは、干潟の観察会、箸作りや凧作り、
生き物展示や藤前干潟の写真コンテストなど様々な催しが行われました。

【箸作りなどの体験ブース】

【海や干潟の生き物展示】

【藤前干潟写真コンテスト2013の展示】

また、ふれあいデーの中の催しのひとつとして、
藤前干潟サイエンスカフェも行われました。
貝の専門家である川瀬基弘さんに
貝の多様性や魅力、そして藤前干潟に生息する貝、
貝の干潟における役割などを分かりやすく教えていただきました。

【貝の見分け方のレクチャー】

【世界のきれいな貝殻を手にとって観察】

サイエンスカフェに参加された方からは、
「藤前干潟に多くの種類の貝が生息していることを初めて知った」、
「貝=食べ物というイメージが大きかったが、
貝が大きな水質浄化能力を持ち、さらには物質循環において
重要な役割をもっているなんて驚いた」
などの感想が聞かれました。
貝、そして貝の生息する干潟の重要性を認識していただく
機会となったのではないかと思います。

今年のふれあいデーは終わってしまいましたが、
秋深まる藤前干潟では観察会や清掃活動などのイベントが行われます。
この日記でもご案内していきますので、ぜひご参加ください!


【これからの季節は、稲永ビジターセンター前から見る夕日もオススメです(10月10日撮影)】

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2013年10月11日レンジャー&アクティブ・レンジャー写真展【稲永ビジターセンター】

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

今年は10月に入っても非常に暑い日が続いていますね。
しかし、昨日、庄内川に浮かぶスズガモの姿をみつけました。

【スズガモの群れ(10月10日撮影)】

スズガモは、秋になると藤前干潟に渡って来て、冬を過ごし、
春になると北の地へ戻っていく渡り鳥です。
確実に季節は秋へと移り変わっているようです。

さて、現在、稲永ビジターセンターでは、
レンジャー&アクティブ・レンジャー写真展を開催しています。

【稲永ビジターセンター2階の会議室で展示中!】

この写真展は、7月には名古屋市の星ヶ丘駅、8月には三重県庁、
9月には石川県庁と巡回してきて、再び名古屋に戻ってきました。
今後も来年3月まで各地を巡回する予定です。
ぜひ、会場のお近くにお越しの際はご覧になって行ってください。


<稲永ビジターセンターでの展示>
【場所】稲永ビジターセンター 2階 会議室
【期間】2013年10月8日(火)~10月20日(日)
   ※15日(火)、16日(水)は休館日
【開館時間】9:00~16:30

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2013年09月27日★出前講座を実施しました

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一

 名古屋自然保護官事務所では藤前干潟の生き物や
自然について楽しく学べる出前講座を実施しています。
職員がご要望のあった小学校や中学校などに出張し、
藤前干潟の生き物や環境問題についてお話しします。
詳しくはこちらをご覧下さい。

 名古屋自然保護官事務所では、名古屋市立東海小学校にて
3年生1クラス(29名)を対象に、藤前干潟の生き物や
自然について学ぶことを目的として、総合学習の時間に
出前講座を実施しました(9月20日)。
 
 東海小学校は昨年も出前講座を受けていただきましたが、
時期が2月であったため干潟の生き物たちと触れあうことが
できませんでした。今回は生き物が干潟で豊富に見られる
季節に依頼を受けたので、干潟に住む生き物たちに出張して
もらいました。

 皆さんは観察力が鋭く、教室に入るとすぐに容器に入った
生き物の存在に気付き「カニだ!動いてる!」と口々に話していました。


【講義の様子】

 講座内容は主に藤前干潟の自然環境と干潟に生息する
多様な生物の紹介で、漂着ゴミの問題についても触れました。
皆さんは干潟という場所にあまりなじみがないようでしたが、
イラストや写真で干潟の特徴を紹介すると納得している様子でした。
 
 今回も干潟の泥を持参して触れてもらいました。皆さんは泥の
感触や匂いを確かめ、砂場や運動場の砂とは異なる事に気づき、
干潟が川と海の接点に存在することを実感しているようでした。

 藤前干潟に住む生き物については、持参したカニや貝類に
触れてもらい、各々の生態や特徴を説明しました。皆さんは
「待ってました!」と言わんばかりにカニを手に取り、動きや
形の特徴を食い入るように観察していました。皆さんは生き物に
大変興味があり、生き物が人の関心を引きつけるパワーが
あることを改めて実感しました。


【干潟の生き物にふれあう】

 今回の講座では干潟に住む二枚貝の特性を知ってもらう
ために、シジミを用いた水質浄化実験も実施しました。
シジミが水の中に溶け込んでいる餌を食べており、水質の
浄化に寄与していることを知ってもらいました。


【シジミの浄化実験の様子】

 たくさんの生き物が住んでいる藤前干潟ですが、
困ったことに川や海から多量のゴミが藤前干潟に流れ着き、
干潟に生息する生き物に影響を与えていることを実例を交えて
紹介しました。皆さんは、藤前干潟に流れ着いた多量のごみの
写真や実物のごみを見て大変驚いている様子でした。
 今回の講座を通して、藤前干潟の重要性について知り、
生き物の命の大切さを実感していただいたのではないでしょうか。

 さて、いよいよ「藤前干潟ふれあいデー2013」の開催日が
近づいてきました。藤前干潟に関する展示やステージ、
観察会など楽しいイベントが盛りだくさん!

ふれあいデーの詳細は以下をご覧下さい。
名古屋市HP

藤前干潟ふれあいデー2013とサイエンスカフェのお知らせ

10月5日は藤前干潟に是非お越し下さい。



 

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2013年09月12日藤前干潟の秋模様

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

日中はまだ暑いものの、朝晩は過ごしやすくなり、
名古屋でも秋を本格的に感じるようになってきました。
藤前干潟のヨシも色が褪せ始め、穂も出てきています。

秋の渡りで藤前干潟に来ているシギ・チドリを多数見ることもできます。

【干潟に集まるシギたち(8月28日撮影)】


【スズメくらいの大きさのトウネン *シギの仲間(8月28日撮影)】

さらには、冬鳥であるコガモも訪れ始めているそうです。
干潟が現れると鳥たちが集まり、鳴き声が響いています。

【最近は藤前名物のカワウの追い込み漁もよく目にします(9月3日撮影)】

気候もよくなってきました。
賑やかな藤前干潟に足をお運びください。

さらに、9月29日は藤前干潟の鳥に関する講座を開催します。
その名も「藤前野鳥倶楽部」。
藤前干潟の野鳥の紹介と野鳥観察も行う予定です。
こちらにもぜひご参加くださいね!


第4回藤前干潟マイスター講座「藤前野鳥倶楽部」
【日時】9月29日(日)10:00~12:00
【場所】稲永ビジターセンター 1階 レクチャー室
【受講料】保険代として大人200円をいただくことがあります。
【定員】20名程度(多数の場合は抽選)
【申込方法】名古屋自然保護官事務所へ電話またはメールでお申込みください。
       TEL:052-389-2877
       E-mail:WB-NAGOYA@env.go.jp
【申込期限】9月19日(木)
【主催】中部地方環境事務所


【干潟に集まる鳥たちとトリトン(9月10日撮影)】

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2013年09月05日「藤前干潟ふれあいデー2013」と「サイエンスカフェ」のお知らせ

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

今日からちょうど1か月後の10月5日(土)に
「藤前干潟ふれあいデー2013」が開催されます。

【藤前干潟ふれあいデー2013】

毎年秋に開催されている藤前干潟ふれあいデー。
今年も藤前干潟に親しむことのできるステージや展示、
観察会などがたくさん用意されています。
昨年に引き続き、名古屋おもてなし武将隊やOS☆Uあおなみ線隊24、
名古屋市公式マスコットキャラクターのはち丸くんも登場予定です。
10月5日は藤前干潟へぜひお越しくださいね!


【今までのふれあいデーの様子】

ふれあいデーの詳細は以下のサイトをご覧ください。
名古屋市HP「藤前干潟ふれあいデー2013」開催のお知らせ

また、この「藤前干潟ふれあいデー2013」の中で
「貝」をテーマにしたサイエンスカフェが行われます。

【藤前干潟サイエンスカフェ】

サイエンスカフェとは、科学(自然含む)に関する専門家を招き、
お茶を飲めるカフェのような雰囲気の中で科学を語り合う場のことです。
藤前干潟では、一昨年にサイエンスカフェを行ったところ、
「お話がとてもわかりやすかった」と、大変好評でした。

今回、実施するサイエンスカフェは、
ゲストに「貝」の専門家である川瀬基弘さん(愛知みずほ大学)をお招きし、
テーマを「キレイ!すごい!謎だらけ!干潟の立役者「貝」に迫る!」として、
貝の魅力や、干潟での役割を分かりやすくお話していただきます。

川瀬先生は藤前干潟でも貝の調査をされており、
藤前干潟の貝のこともいろいろお話いただく予定です。
私も今からどんなお話が聴けるかとっても楽しみです。

【藤前干潟にはどんな貝がいるのでしょうか?】

貝や干潟に関する知識がなくても、興味のある方は
名古屋自然保護官事務所までお気軽にお問い合わせください。

サイエンスカフェの詳細はコチラ↓(事前申込制です)。
藤前干潟サイエンスカフェ
「キレイ!すごい!謎だらけ!干潟の立役者「貝」に迫る!」
【日時】2013年10月5日(土)13:30~15:30
【場所】稲永ビジターセンター レクチャー室
【ゲスト】川瀬基弘さん(愛知みずほ大学講師)
【ファシリテーター】蓑田裕美さん、長澤慎之介さん(国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ)
【参加費】無料
【対象】中学生以上
【定員】35名(先着順)
【申込方法】名古屋自然保護官事務所へ電話またはメールでお申込みください。
       TEL:052-389-2877
       E-mail:WB-NAGOYA@env.go.jp
【申込期限】9月27日(金)
【主催】「藤前干潟ふれあいデー」実行委員会

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2013年08月28日真夏の干潟健康診断

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一

 名古屋自然保護官事務所では、昨年度から
目の前に広がる藤前干潟の水環境とそこに住む、
ゴカイや二枚貝類等の底生生物(ベントス)の
季節的な変動を把握するために簡易モニタリングを
実施しています。稲永公園前に広がるヨシ原周辺にて
8/19に藤前干潟の様子を観察しましたので報告します。

 強い日差しの中、多くのヤマトオサガニたちは
水際でせっせと餌を食べていました。白いハサミが
特徴のチゴガニも軽快なダンスを披露し、干潟を
賑わせています。この暑さの中、彼らは熱中症に
ならないのでしょうか?

 ヨシ原の奥部には、上流から流されてきたと
思われるヨシ片やゴミが多量に漂着しており、
この下にはベンケイガニ類がたくさん身を潜めていました。


【軽快なダンスを披露するチゴガニ】


【ヨシ原に押し寄せるヨシ片(写真左)と漂着ゴミ(写真右)】

 ヨシ原周辺の干潟を歩いていると、卵の腐った
ような臭いが至るところから漂ってきます。
臭いの発生源を調べると足下の泥の中でした。

 干潟の泥を少し掘り返すと真っ黒な泥が顔を出す
とともに、強い硫化物臭が発生していることを確認
しました。黒い泥の中をよく観察すると分解されない
ままのヨシ片が多数混入しており、ゴカイや二枚貝類
等はほとんど見られませんでした。


【黒く変色した泥】

 ここ最近は小雨が続き、台風などの気象
イベントも少ないので、水域内の泥が撹拌されず、
酸素が供給されていないため、効率よく有機物が
分解されていないのではないかと思われます。
また、夏の高温により泥の中の微生物が活性化し、
酸素が多量に消費されます。

 泥の中に酸素が十分に供給されていないと
嫌気性微生物の作用により、ゴカイや二枚貝類等に
有害な硫化水素が発生します。

 昨年も夏期にゴカイや二枚貝類等の出現個体数が
減少する傾向が見られていることから、この時期は
泥の中で暮らすこれらの生物にとっては厳しい生息
環境であることが示唆されます。


【ヨシ原周辺の干潟の様子】

 今後は台風の襲来や気温低下に伴い、泥の
貧酸素状態は解消され、ゴカイや二枚貝類等も
徐々に増加してくるのではないでしょうか?
これから秋にかけて干潟の状態がどのように
変化するのか生き物の様子などをモニタリング
していきたいと思います。

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2013年08月26日シギ・チドリの季節~秋編~

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

厳しい残暑が続いていますが、
藤前干潟ではシギ・チドリの秋の渡りが始まっています。

秋の渡りでは、春の渡りとは逆に、北の繁殖地(シベリア・アラスカ等)から
南の越冬地(オーストラリア・東南アジア等)へ向かっているシギ・チドリたち。
その途中、餌を食べ、休息するために彼らは藤前干潟に立ち寄ります。

今日は最近、藤前干潟で見ることのできたシギ・チドリをご紹介します。

【アオアシシギ(8月9日撮影)】


【キアシシギ(8月9日撮影)】


【ダイゼン(8月9日撮影)】
ダイゼンは、藤前干潟では冬の間も見ることのできるチドリの仲間です。
現在、夏羽(顔からお腹の部分が黒色)から冬羽(褐色)に衣替え(換羽)中なので
上の写真では2種類いるように見えますが、5羽ともダイゼンです。

この他、ソリハシシギやオグロシギなどが藤前干潟を訪れています。
ぜひ、鳥たちを見に、秋の藤前干潟へお越しください!
(熱中症対策をお忘れ無く!)

【干潟には、サギやカルガモなども集まってきます(8月23日撮影)】

また、以前ご案内した「藤前干潟写真コンテスト2013」の作品を
9月10日まで募集しています。


野鳥の写真だけでなく、干潟の風景、カニなどの写真も大歓迎です。
また、中学生以下が対象のジュニア賞もあります。
奮ってご応募くださいね。
※写真コンテストの詳細は【チラシ】をご覧ください。

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2013年08月15日二枚貝のマジック!

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

毎年この時期に藤前干潟で行っている「夏休み!干潟観察会」が
8月8日に開催されました。

【夏の干潟で生き物を探しました】

今年の観察会のテーマは昨年に引き続き、「二枚貝」。
干潟に入り、参加者の皆さんでたくさんの二枚貝を探しました。

この日、みつかった二枚貝は、
ヤマトシジミ、ソトオリガイ、オキシジミ、マガキの4種類でした。

【みつけた二枚貝(ヤマトシジミ・ソトオリガイ・オキシジミ)】

今回は、さらに、干潟で探してきた二枚貝の能力を知るための
「マジック(実験)」を行いました。

*二枚貝のマジックの方法*

【①二枚貝と泥水をビーカーに入れます】

【②箱の中などの暗いところにビーカーを置いて、そっと待ちます】

二枚貝と泥水をビーカーに入れて、待つこと20分余り・・・。
結果は以下のようになりました。

【マジック(実験)の結果(※各ビーカーに入っている二枚貝は同数ではありません。)】

ヤマトシジミやソトオリガイの入ったビーカーの水が
かなり透明になっているのが分かりますか?

これが、二枚貝の力です。
二枚貝は、水の中に混じっている有機物を餌としています。
水を吸って、餌となる有機物などを濾し取って、
きれいな水を出す、ということを繰り返しています。

【マジック直後は、ヤマトシジミの水管がよく観察できました】

この二枚貝によって、干潟や海の水が浄化され、
他の生き物が住みよい環境が作られます。
二枚貝って一見地味だけれど、すごいヤツなんですよ!

実は、干潟で貝を探しながら、
「二枚貝ってカニとは違って動かないし、
固く閉じた貝殻の中に入っていてよく見えないし、
何だかあまりおもしろくない・・・」と
思っていた子どもたちもいました。

でも、このマジック(実験)を見て、びっくり!
一転、二枚貝に興味を持ってくれました。
二枚貝の浄化能力については、昨年の観察会では言葉だけの説明だったのですが、
今年は、実際に見ることによって、理解がより深まったようです。

干潟には、二枚貝のように地味だけれどおもしろい生き物がたくさんいます。
また、干潟に生き物に会いに来てほしいと思います。

【干潟は楽しい!!】

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2013年08月09日藤前干潟の巡回展を行っています!~港区役所~

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

藤前干潟のホームページでご案内しているように、
2013年4月から11月にかけて、
「藤前干潟ラムサール条約登録10周年」巡回展を実施しています。

2012年11月18日に、ラムサール条約登録10周年を迎えた藤前干潟。
藤前干潟のことを皆さんにもっと知っていただくために、
歴史や生き物、漂着ごみ問題などを紹介するパネルを製作し、
毎月、藤前干潟の近隣の施設を一箇所ずつ巡回し、展示しています。


【港区役所での巡回展】

現在は、名古屋市の港区役所にてパネルを展示中です。
お近くにお住まいの方はぜひ見にお越しください!


【区役所の正面の入口を入って左手に展示中です】

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「藤前干潟ラムサール条約登録10周年」巡回展~港区役所~
期間:8月5日(月)~8月16日(金)8:45~17:15
    ※土日はお休みです。
※最終日は15:00までの展示となります。
場所:港区役所1階ロビー
問い合わせ先:名古屋自然保護官事務所(TEL)052-389-2877
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2013年08月01日第三回藤前干潟マイスター講座を開催しました

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一

 名古屋自然保護官事務所では、藤前干潟が
2012年11月にラムサール条約登録10周年を
迎えたことを記念して、藤前干潟の歴史や生物、
環境に関する講座「藤前干潟マイスター講座」を
全5回開催しています。「藤前干潟マイスター講座のご案内」

 第三回藤前干潟マイスター講座を稲永ビジターセンターで
開催しました。今回の講座テーマは「あなたにもできる!
身近な環境活動」です。
 多くの生き物たちが暮らすこの藤前干潟で生じている
環境問題と、問題解決に向けた活動を紹介し、問題の把握と
環境活動への興味を持つきっかけを作ることを目的として実施しました。



【講義の様子】

 藤前干潟で生じている大きな問題は、「漂着ゴミ」
「不法投棄」「水質環境」などであり、これらは生き物の
生息に多大な影響を及ぼすことを説明しました。
 
 特に漂着ゴミは、ヨシ原を中心に多量に打ち上げられ、
その中には生物に影響のあるプラスティック片などの
微細ゴミや釣り糸、釣り針などが含まれていることを
説明しました。ヨシ原に多量に押し寄せた漂着ゴミの写真を見て、
皆さん大変驚いている様子でした。
 
 これらのゴミはやがて海へと流出し、海獣や海亀類が
誤ってゴミを食べてしまうなど干潟だけではなく、
遠く離れた海の生物にも影響を与える恐れがあることを伝えました。



【ヨシ原に押し寄せる漂着ゴミ】

 美しい水環境を取り戻すために藤前干潟クリーン大作戦を
はじめとする清掃活動や鳥獣保護区域内のゴミの分布状況を
把握する調査も実施していることを紹介し、藤前干潟周辺で
取り組まれている環境活動について知ってもらいました。

 水質環境については、貧酸素水塊形成の過程や赤潮や
青潮が発生する仕組みを分かりやすいイラストで紹介しました。

 講座の途中で、センター前を流れる庄内川に移動して
実際にゴミが護岸付近に漂着している様子を観察してもらいました。
また、庄内川の水質を知るために、簡単な水質検査キットを用いて
皆さんと一緒にCOD(化学的酸素要求量)を調べました。






【パックテスト(COD)で水質検査】

 講義の最後には、これらの環境問題について、
私たちができることの例をいくつか紹介し、環境問題に関心を持ち、
できることからはじめることが大切であることを伝えました。

 この講座を通して少しでも身近な環境問題に関心を持って
いただけたかと思います。

★次回のマイスター講座のお知らせ
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第四回藤前干潟マイスター講座「藤前野鳥倶楽部」
日時:9月29日(日)10:00~12:00
内容:藤前干潟に飛来する鳥の見分け方や生態の面白さ、
   貴重さ、飛来状況などを説明し、観察も行います。
場所:稲永ビジターセンター
申込方法:9月19日(木)までに名古屋自然保護官事務所へ
     電話または電子メールでお申し込み下さい。
※受講には、保険料として200円をいただきます。(小中学生は100円)
詳しくは「藤前干潟マイスター講座のご案内」をご覧下さい。


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