ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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中部山岳国立公園 立山

171件の記事があります。

2020年06月23日立山室堂平へ巡視に行ってきました。

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。

室堂平へ巡視に行ってきたのでその時の様子を書いていきます。

立山黒部アルペンルートは6月19日より運行を再開しました。人影はまばらなものの、徐々に利用者が来られていました。

<室堂ターミナル駅内にある入山安全相談窓口>

相談にお越しの際は「マスクの着用」や「手指の消毒」にご協力をお願いします。

室堂平周辺はまだ雪が残っている場所もあり、スキーを楽しまれている人も!

「ミクリガ池」の様子。雪が溶けて水面が見えはじめていました。

<6/22 ミクリガ池>

こちらは「ミドリガ池」で、こちらも顔を出しはじめています。

<6/22 ミドリガ池>

<6/22 ハクサンイチゲ>

一ノ越(立山)へ向かう道はまだ多くの雪で覆われていました。

また、室堂ターミナルに併設されている「立山自然保護センター」では立山の自然や歴史などを知ることができます。

室堂にお越しの際にはぜひお立ち寄りください。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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2020年06月19日立山黒部アルペンルートが本日営業再開しました

中部山岳国立公園 立山 佐藤 裕子

コロナウイルスの感染拡大防止のため、

4月18日から休業していた立山黒部アルペンルートが本日(6月19日)より営業再開となりました。

※おでかけの際は各施設のコロナウイルス対策をご確認ください※

 立山駅からはこちら→立山黒部アルペンルート

 扇沢駅からはこちら→黒部ダム・立山黒部アルペンルート

立山黒部アルペンルートはコロナウイルス対策のため、各乗り物の乗車定員を減らして運行するそうです。

希望する時間の便に乗れない可能性もありますので、時間に余裕を持ってお出かけください。

「マスクの携行・手指の消毒・対人距離の確保」をお願いします。

■室堂

開通前の施設点検のため、6月17日に上山した際の立山室堂みくりが池の様子です。

室堂平周辺の歩道上は雪解けが進みましたが、ところどころ雪がありますのでスニーカーより防水の登山靴や長靴の方が安心です。

■弥陀ヶ原

標高1930mの弥陀ヶ原。

天気が良かったので外回りを歩いてみました。

コースタイム上は内回り40分、外回り1時間20分です。

木道上は雪がないところがほとんどですが、地図の青で囲った南側はグズグズした雪が残っておりますので足元に充分お気をつけください。

弥陀ヶ原ホテルは今期営業を休止しております。

≪弥陀ヶ原歩道上雪の様子1≫

≪弥陀ヶ原歩道上雪の様子2≫

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

なお、この投稿は「おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

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2020年06月16日日本一の大瀑布「称名滝」は生きている。

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。

前回は、弥陀ヶ原・大日平について紹介をさせていただきました。今回は、その間に流れ、日本一の落差を誇る「称名滝」について触れていきます。

「称名滝」は国の名勝および天然記念物になっており、日本の滝百選にも選ばれています。

称名滝の上部に広がるのが弥陀ヶ原と大日平です。

<アルペンルート大観台より見た称名滝>

日本一の滝の落差は350m。東京タワー333mがすっぽり入ってしまう高さです。

間近で見上げる滝は大迫力です!

<展望台から称名滝(左)、ハンノキ滝(右)を見上げる>

滝は4段になっており、上から70m、58m、96m、126mと順に落ちています。

また今の時期、融雪期や降雨時に出現するのが、称名滝右手に落ちる「ハンノキ滝」です。

<中央に落ちているのがハンノキ滝>

その落差はなんと、500mあるそうです!圧巻ですねえ。

称名滝の下流部を見上げると、通称「悪城の壁」と呼ばれる岩壁がそびえ立っています。その高さは500mあり、一枚岩となっています。

<称名川の左岸側の壁面が悪城の壁と呼ばれる>

この巨大な断壁を作り出した当人が称名滝です。称名滝は、約7万年前には現在の立山駅付近(約7km手前)にあり、水の流れの浸食により徐々に削られて後退して現在の位置に移動しました。もちろん現在も浸食はされ続けており、現在進行形です!

水の力のすごさと、スケールの大きさを感じることができる場所です。

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国立公園にかかる公共交通機関につきましては現在、以下のようになっております。

日々情報が変わりますので、お出かけを予定される際は各HPをご確認ください。

■立山黒部アルペンルート

6月19日まで営業休止期間が再延長となりました。

上記に伴い、アルペンルート沿いの各施設につきましても営業休止期間を延長しております。

【立山駅から】立山黒部アルペンルート

【扇沢から】関西電力黒部ダム

■黒部峡谷鉄道トロッコ電車

6月1日より営業開始しました。

黒部峡谷鉄道トロッコ鉄道

新型コロナウイルス対策のため、便数を削減、お客様同士の間隔を空けるなどしながら運行するそうです。ご理解とご協力をお願いいたします。

上記に伴い、欅平ビジターセンターが開館しました。

6月1日より

開館時間 10:00から15:00

減便により開館時間が通常より短くなっております。

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 中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

 なお、この投稿は「おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

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2020年06月12日アルペンルート沿いは花が見ごろ&ライチョウ通信

中部山岳国立公園 立山 佐藤 裕子

梅雨入りしてしまいそうですが、一週間ほど前に所用で室堂に行ってきました。

(現在、立山黒部アルペンルートは6/18まで運行休止しております)

アルペンルート沿線の標高1630mの弘法より下は、雪も少なく花が見ごろでした。

今年は高原バスの中からご覧いただけなくて残念ですが、写真でお楽しみください。

 

  
ショウジョウバカマ             オオカメノキ(別名 ムシカリ)

  

タムシバ(別名 カムシバ、ニオイコブシ) ムラサキヤシオ(別名 ミヤマツツジ)

Nレンジャーが「タムシバは杏仁豆腐のにおい」とおっしゃっていたので、匂いをかいでみるとたしかに甘いにおいがしました。

アルペンルート運行休止により、立山室堂にはほとんど人がいないため、さぞやライチョウはのびのびと生活しているだろうなと思い上山しました。

雷鳥沢まで歩いていると優雅にカラスが飛んできました。

テントも人も残飯もないので目的は定かではありませんが、2,450mの室堂までくるのは毎年の習慣なのでしょうか(気流かも?)

カラスや上空を飛んでいた猛禽類を恐れてか、歩道の近くの砂地にいたライチョウを見ていたら近寄ってきてくれました。

※ライチョウのストレスになるため、過度に近づいたり追いかけたりはおやめください。

しばらくすると元いた位置に戻り、砂浴びをはじめました。

羽に着いた寄生虫を落とすため砂をあびているそうです。

近くのハイマツの上から、雄ライチョウが見守っていたので退散しました。

ライチョウは一夫一妻が原則ですが、一夫二妻も存在するようです。

今はおよそ交尾期・産卵期に入り、雛が孵ると夫婦は徐々に別行動になっていくので、雄雌両方の姿を見られる時期も貴重なのかなと思います。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

なお、この投稿は「おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

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2020年06月09日弥陀ヶ原と大日平は兄弟?!その成り立ち

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。

今日は「弥陀ヶ原・大日平」というエリアについての紹介です。

弥陀ヶ原・大日平は標高1600~2100mに位置する高原です。

<出典:国土地理院電子地図を加工>

先日、鍬崎山(くわさきやま)に登ったときの写真がこちら。

<鍬崎山にて立山連峰方面>

写真中央付近に大きく広がっているのが「弥陀ヶ原」で左側に少し小さくなだらかな斜面が広がっているのが「大日平」です。その上に大日岳があります。この日は奥大日・剱・立山もきれいに望むことができました。

クローズアップし、別の日にアルペンルート上から撮った弥陀ヶ原です。

<弥陀ヶ原>

奥に見える山が大日岳ですが、この日は山頂付近が雲でかくれていました。

<弥陀ヶ原から大日岳方面>

<手前が弥陀ヶ原、称名渓谷を間に挟み奥に大日平>

弥陀ヶ原と大日平の間には称名渓谷がありV字谷を形成しており、日本一の大瀑布である称名滝が流れています。

アルペンルートは弥陀ヶ原を通り、室堂平へと上がっていきます。

一見、弥陀ヶ原と大日平は名前も違い、別物だと捉えられるのですが、実はこの2つは火山の噴火でできた台地だそうです。(約10万年前の第2期の噴火活動により火砕流堆積物が冷えて固まってできた岩石で、溶結凝灰岩という)

その火山性の岩石と植物性由来の泥炭と呼ばれる土壌が合わさり形成されているのが弥陀ヶ原・大日平で、2つを合わせて東西約9km,南北約3kmの広大な湿地帯が広がっています。

ラムサール条約湿地にも選ばれており、日本で最も高い位置にある湿地となっています。(ラムサール条約について詳しく知りたい方はこちらから

つまり、元々は、弥陀ヶ原と大日平は1つだったものが、その間に称名滝(称名渓谷)が流れ、浸食をしていくうちに2つに分断されていったという背景があります。

例えるなら、弥陀ヶ原と大日平は兄弟のようなものなんですね。(例えが適切か微妙かもしれないですが、ご容赦ください。)

6月現在ではまだ雪で覆われておりますが、雪解けとともに徐々に湿原の姿がみえてくることでしょう。その時にはまた弥陀ヶ原・大日平について取りあげたいと思います。

国立公園にかかる公共交通機関につきましては現在、以下のようになっております。

日々情報が変わりますので、お出かけを予定される際は各HPをご確認ください。

■立山黒部アルペンルート

6月19日まで営業休止期間が再延長となりました。

上記に伴い、アルペンルート沿いの各施設につきましても営業休止期間を延長しております。

【立山駅から】立山黒部アルペンルート

【扇沢から】関西電力黒部ダム

■黒部峡谷鉄道トロッコ電車

6月1日より営業開始しました。

黒部峡谷鉄道トロッコ鉄道

新型コロナウイルス対策のため、便数を削減、お客様同士の間隔を空けるなどしながら運行するそうです。ご理解とご協力をお願いいたします。

上記に伴い、欅平ビジターセンターが開館しました。

6月1日より

開館時間 10:00から15:00

減便により開館時間が通常より短くなっております。

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 中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

 なお、この投稿は「おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

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2020年05月29日#STAYHOME 黒部湖黒部ダム巡り

中部山岳国立公園 佐藤 裕子

ダムと言ったら黒部ダム。なぜこんな秘境に作られたのか?

某テレビ局の、立山・黒部ダムの特集が再放送されるそうで、違う視点で黒部ダムや黒部湖を見てみようと思います。

なお、黒部ダム・黒部湖まで行く立山黒部アルペンルートは現在、6月18日まで営業休止の予定です。

営業再開されましたら徐々にお出かけを検討ください♪

<電気バスに乗って黒部ダム駅へ>

黒部ダムにたどり着くには、

・扇沢駅(長野県大町市)から電気バスに乗って黒部ダム駅(富山県立山町)へ

・立山駅(富山県立山町)から乗り物を乗り継いで黒部湖駅(富山県立山町)へ

・秋の紅葉シーズンに欅平駅から日電歩道(下ノ廊下)を越えてくる

・赤牛岳or針ノ木谷から平の小屋を経由してくる

ウルトラC級(富山県山のグレーディングでは難易度CE級)な手段もありますが、ここはやはり乗り物に乗るのが無難です。

後立山連峰と立山連峰に挟まれた黒部峡谷。黒部ダムはこの地形を生かして作られました。

ダムができる前は、日電歩道・水平歩道(下ノ廊下)を2~3日かけて歩き、ダム建設予定地に行っていたそうです。

<黒部ダムからはちょっとはずれますが...北側にある、水平歩道>

では黒部ダム、黒部湖の南側はどうなっているのか?

黒部ダムが作られた際、「平の渡し」という橋が湖に沈んだため、

「平の渡し」という渡し舟が関西電力さんによって行われています。

ちなみにここは、黒部湖駅や黒部ダム駅から歩いて5時間くらいかかります。

目的は針ノ木谷と平の小屋までの渡船(とせん)ですから、乗車時間は5分ほど。

もっと黒部湖を味わいたいなら、カンパ吊り橋の近くから出ている「遊覧船ガルべ」

がおすすめです。

<水晶小屋から黒部湖を望む>

国立公園にかかる公共交通機関につきましては現在、以下のようになっております。

日々情報が変わりますので、お出かけを予定される際は各HPをご確認ください。

■立山黒部アルペンルート

6月19日まで営業休止期間が再延長となりました。

上記に伴い、アルペンルート沿いの各施設につきましても営業休止期間を延長しております。

【立山駅から】立山黒部アルペンルート

【扇沢から】関西電力黒部ダム

■黒部峡谷鉄道トロッコ電車

6月1日より営業開始

黒部峡谷鉄道トロッコ鉄道

新型コロナウイルス対策のため、便数を削減、お客様同士の間隔を空けるなどしながら運行するそうです。ご理解とご協力をお願いいたします。

上記に伴い、欅平ビジターセンターが開館いたします。

6月1日より

開館時間 10:00から15:00

減便により開館時間が通常より短くなっております。

よろしくお願いいたします。

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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、都道府県をまたいでの不要不急の来訪や、感染リスクが高まるような行動の自粛をお願いしています。お出かけの前に、各自治体や訪問先が発信している情報をご確認ください。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

 なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

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2020年05月26日#STAYHOME 立山黒部アルペンルート雪の壁の変化

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。4月からアクティブレンジャーとして立山に着任し、わからないことだらけで、日々新しい学びを得ています。

室堂などの現場も今年は限られた数で巡視などに行っている現状ですが、今回はその際に撮った雪の状況をご紹介させていただきます。

5月の立山はまだまだ雪山で白銀の世界です。

<見えている建物が、室堂ターミナル(2450m)

室堂まで行くには富山県側からですと、「富山地方鉄道」で立山駅(標高475m)まで(ここまではマイカーも可)、「立山ケーブルカー」で美女平駅(標高 977m)まで、美女平から室堂(標高2450m)までは「立山高原バス」で進みます。高原バスの乗車時間は約50分です。標高差約1500mを一気に上がっていきますので移り変わる景色もどんどん変化していきます。

<出典:立山黒部アルペンルート

今回室堂まで巡視に行った時のアルペンルートをコマ撮りしてみました。撮ったエリアが高原バス区間の標高1500m程~2450mまでとなります。

アルペンルートを雪が続く道を室堂まで進む

<室堂までの雪の変化>

雪の壁が徐々に高くなり正面に大きな建物が現れる画像が「室堂」です。

動画が発達している現代で動画ではなく恐縮ですが、、、道の両側にある積雪の変化が見て取れると思います。

標高が上がるにつれて積雪量が増える傾向にあります。ですが、標高が高くても積雪が少ない場所もあり、単純に「なぜだろう?」と不思議に思ったりもします。

雪の壁が高く見上げるような高さの場所(室堂に到着する手前)が有名な「雪の大谷」です。



富山に住みはじめて思ったのが、水が豊かで冷たくて美味しいということ。

山々に降り積もったこの雪が平地に住む私たちの生活に密接に関わっているのだと感じさせてくれます。

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2020年05月22日#STAYHOME 昨年の今頃の立山室堂振り返り

中部山岳国立公園 佐藤 裕子

今年はほとんど室堂へは行けていないので、昨年の写真で、立山黒部アルペンルート開通前ー5月末までの室堂の様子を振り返りたいと思います。

特に今年は少雪で、里で雪を見る機会はほとんどありませんでしたが、標高2,450mの室堂では6月ー7月まで残雪があります。

アルペンルート開通前、4月上旬の様子。

施設の1階部分が雪で埋もれているので、秋に施設にしまっておいた看板やポールを取り出すため、入口の掘り起こし作業からはじまります。(私はか弱い?ためあまり戦力になりませんが...)

高い濃度の火山ガスが噴出しているため地獄谷は通行禁止にしておりますが、周辺でも谷になっている場所は特にガスが滞留しているおそれがあります。

他の施設の方々がルート上にロープを張ってくれていますが、知らずに谷を滑る方がいるので、補助的に危険区域を示す看板やポールを付けています。

5月はライチョウの繁殖時期で、室堂でも頻繁に見られるようになります。

どこにいるのかはすぐわかります。

これは昨年の写真ですが、みなさんバズーカ砲みたいな重そうなカメラを抱えて

ライチョウに近づきすぎないようソーシャルディスタンス?を守ってくれていますね!

ところで、室堂を歩いていると時々、雪がピンク色に見えることがあります。

"赤雪"と言われる現象だそうです。

はじめは誰かが雪渓上にルートを示すためのベンガラでも撒いたのかな?とか、黄砂かな?とか思っていました。

雪の中に細胞内にアスタキサンチンなどの赤い色素を貯め込む微生物が繁殖しているのだそうです。

雪渓の表面が黒く汚れるのも、土壌や空気中の汚れが堆積したものだと思っていましたが、

汚れだけではなく微生物も含まれており、繁殖することで徐々に黒くなり、

色がつくことで太陽光の反射率を下げ、雪解けを促進するのだそうです。

雪が緑になることもあるのだとか...見てみたい!

≪セッケイカワゲラモドキの仲間≫

太陽をコンパスにして生まれた川の上流方向を目指して歩く不思議な虫です。

触ると人間の体温に耐えられず動けなくなってしまいます。

また室堂に行ける日が来たらぜひ注目してみてください。

現在、立山黒部アルペンルートは新型コロナウイルス感染拡大防止のため運行休止しております。

今は写真でお楽しみください。

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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、都道府県をまたいでの不要不急の来訪や、感染リスクが高まるような行動の自粛をお願いしています。お出かけの前に、各自治体や訪問先が発信している情報をご確認ください。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

 なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

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2020年05月19日#STAYHOME 美女がスギに変えられた?!

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。

先日アルペンルートの巡視に行ってきました。その時の様子の一部を紹介させていただきます。

アルペンルート上に「美女平」や「ブナ平」と呼ばれる場所があります。立山駅から立山ケーブルカーに乗り最初に到着するのが美女平駅です。(標高977m)

そこから上に行くと、美女平(1000m)やブナ平(1180m)に着きます。(多くの人が立山高原バスに乗って通過をするエリアになります。)

「美女平」って何でこの名前なのか気になりますよね。立山は古くから立山信仰と呼ばれ山岳信仰の地でもありました。伝説には諸説あるようですが、立山登山はかつて女人禁制で(明治五年(1872)に解禁となった。)美女が掟をやぶり登ろうとした際に、神の怒りに触れ「美女杉」に変えられてしまったという伝説から「美女平」と呼ぶようになったそうです。(美女杉は美女平駅前にあります。)

美女平からブナ平にかけては、溶岩台地の上に立山杉とブナの木が多く植生しています。立山ではこの2種類の木が混在しているのが特徴で見ることができます。今回はその中から立山杉の巨木たちの紹介です。

こちらが、「アルペンスギ」です。(幹周6.6m 高さ23m)

名前の通りアルペンルートの象徴となっている巨木です。

そのたたずまいに圧巻です!

そして、こちらが「仙洞スギ」(幹周9.4m 高さ21m)と呼ばれています。

幹周りが9.4mというこのスケール!その気高さから神が宿る木とも言われているそうです。

どちらもアルペンルートの道路沿いから見ることができる巨木です。

また、その他にも立山杉の巨木があり、富山森林管理署のサイトで紹介されていますので興味のある方はそちらも見てみると面白いです。

富山森林管理署のサイトへ>>

お家にいる時間が長くなったので、この機会にかつて山々で撮られた木々や花々の写真などを振り返ってみるのもいいのではないでしょうか。

現在も、立山・黒部周辺の交通機関や各施設も営業を休止しております。

山小屋についても小屋泊、テント泊ともにお休みしています。引き続き、自粛をよろしくお願いいたします。詳しくは各サイトにてご確認ください。

黒部峡谷鉄道 

欅平ビジターセンター 

立山黒部アルペンルート 

立山自然保護センター 

黒部ダム 

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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止の政府方針を受け、当面の利用の自粛をお願いしています。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

 なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト

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2020年05月08日#STAYHOME 雪の大谷とライチョウ

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。GW期間中はそれぞれのおうちでの過ごし方をされたのではないでしょうか。

通年立山のこの時期は立山黒部アルペンルートが開通し、全国・世界各地からのお客さんで賑わいます。今年は残念ながらその光景を見ることはできませんでした。

そこで今回は、国立公園を写真で楽しんでもらえないかということで、過去のアクティブレンジャーさんがこの時期に撮ったデータを引っぱってきました。ありがたく活用させていただきます!

テーマは「雪の大谷とライチョウ」です。(2017年5月撮影)

○雪の大谷

富山県側からの登山の拠点となるのが室堂平(標高2450m)です。

室堂ターミナルを降りてすぐの道にあるのが「雪の大谷」です。通年雪が多く残る4月中旬~6月にかけて歩いて見ることができます。(※今年は開催中止)

立山室堂平は世界でも有数の豪雪地帯です。

平均で8m程度の積雪があり、

高いところでは約20mにも達する場所もあるそうです!圧巻です!

裏返しでは冬の気象条件の厳しさが推測できるともいえます。

晴れた日ばかりではなく天候が悪いときも当然あります。厳しい自然環境ですので着る服や登山をされる方は装備もしっかりと準備が必要です。

○ライチョウと人との関わり

ライチョウって不思議な鳥です。なぜなら、人を恐れない鳥だからです。

その要因の背景には、

・人里離れた高山に生活拠点があること、

・立山の山岳信仰がある古来からライチョウは「神の使い」として大切にされていたこと、

・江戸時代には加賀藩が捕獲を禁止したこと

などの歴史があったようです。

昭和30年には特別天然記念物に指定されましたが、そのずーーーっと前から長い歳月守られてきたことで現在の人とライチョウの関係があります。これからも人とライチョウの良好な関係を育んでいきたいですね。

ライチョウたちも厳しい冬を越え、室堂平付近にも徐々に姿を表してくれます。

ちなみに、こちらがライチョウのフンです。季節によって排泄物の特徴も変化してくるようです。

春から秋にかけて立山ではライチョウ以外にも多くの鳥を見ることができるのですが、厳冬期も立山(マイホーム)に滞在している鳥は実はライチョウだけだそうです!

<エサを捕食している様子>

つらいですが今は辛抱の時。ライチョウのように私たちもしばしの間、マイホームで過ごしましょう。

立山・黒部周辺の交通機関や各施設も営業を自粛しております。

詳しくは各サイトをご覧ください。山小屋についても多くがお休みしていますので詳しくは各山小屋サイトにてご確認ください。

黒部峡谷鉄道 

欅平ビジターセンター 

立山黒部アルペンルート 

立山自然保護センター 

黒部ダム 

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