ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

中部山岳国立公園 立山

171件の記事があります。

2011年05月31日ライチョウは恋の季節を迎えました

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 吉井 良治

5月28日~29日にライチョウ調査に同行しました

「グアー、グアー」と鳴くオスライチョウが求愛行動しながら
メスに近づく、姿が観察されます。
純白の冬羽は雪解けとともに徐々に生えかわり
メスは茶色の夏羽にオスは黒と白のまだら模様になり
目の上の肉冠が赤くなり仲良く寄り添う姿が観察できます。





歩道脇に現れたライチョウカップル
観光客には大人気
7月頃にはかわいいヒナを連れ添う
姿が見られでしょう。


かわいいメスこれから抱卵期・ヒナ誕生
を迎え忙しい子育てが初冬まで続きます。


室堂平の積雪量調査標柱
室堂平はまだ6mの積雪があります。
今年は雪解けがあまり進んでいなく
17日には約20センチの降雪がありました

ページ先頭へ↑

2011年05月18日ライブカメラを設置しました@室堂

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 金城菜穂

こんにちは。
金城@立山です。

先日17日、室堂にて、冬期、撤去していたライブカメラを設置して参りました!!

立山三山の様子を日中一時間おきに撮影した画像を下記のURLにて確認できます。是非、ご覧ください。


インターネット自然研究所「国立公園・野生生物ライブ映像」
→「立山三山」をご覧ください♪

++++URL++++
http://www.sizenken.biodic.go.jp/live/index.php

ページ先頭へ↑

2011年05月13日ぞくぞく開通!!

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 金城菜穂

こんにちは。
立山自然環境事務所の金城ですww

立山も、里では、田んぼに水が入り、田植えのシーズンとなりました。
夜になると ♪蛙の大合唱♪ が聞こえてきます。

山の麓では、新緑が芽吹きはじめ、萌葱色の里山を楽しむことができます。
地面に目を移すと山菜もたくさん!!
雪景色の室堂より一歩も二歩も先に季節は巡っております。



↑クサソテツ(コゴミゼンマイ)

 ●○●○●

さて、お伝えさせていただきましたとおり4月には
立山黒部アルペンルートが全線開通し、
室堂周辺も観光客や登山者のみなさんでにぎわいをみせております。

5月10日には、雪の影響で、予定より遅れたものの、
黒部峡谷鉄道が、全線(宇奈月~欅平)開通し、
5月12日には、称名滝が開通いたしました。
いよいよシーズン突入です!

称名滝の開通安全祈願祭に出席して参りましたので、
そのときの様子をお伝えいたします。

こちらも、雪の影響で、昨年より、数日遅い開通でした。
前日まで雨天が続いていたので、
少し心配しておりましたが無事開催に至りました。
安全祈願祭には、立山町の舟橋町長をはじめ、関係者が参加して、
山の神様に安全を祈願いたしました。


↑祈願祭のテープカットの様子と右奥に見えるのが称名滝



 ●○●○●


その後、会場から称名滝まで足を伸ばしたのですが、
想像以上の迫力!!さすが日本一、落差350mを誇る滝です。






↑左側が称名滝、その右側、細長い縦長の滝がハンノキ滝

前日までの雨の影響か、水量が非常に多く、隣のハンノキ滝の
水量も豊富で、まだ残雪のある滝壺に向かって勢いよく水が落ち、
下流へと流れていく光景は、圧巻でした。






これからのシーズン、涼しくて気持ちのよいスポットですねv

 ○○○

**称名滝について**
称名滝は立山の峰々から水を集め、
4段(1段目=約70m、2段目=約58m、3段目=約96m、4段目=約126m)
で構成されている滝で落差350mは日本一と言われており、
国の名勝、天然記念物に指定されています。

また、「称名滝」の名前は、立山開山を行った佐伯有頼(さえきありより)
という人物が、当時、滝の音が「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」という
称名念仏に聞こえたということから由来しているそうです。

  ○○○


ページ先頭へ↑

2011年04月20日着任のご挨拶+室堂始動!

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 金城菜穂

今年度4月より、立山自然保護官事務所に着任いたしました
金城(きんじょう)と申します。

立山自然保護官事務所は、今年度から、シーズン中は、
レンジャー1名とアクティブレンジャー2名の計3名体制となります!
どうぞよろしくお願いいたします!

微力ではございますが、中部山岳国立公園立山地区の
アクティブレンジャーとして任務を遂行して、
そこでの経験やさまざまな情報をこの日記等を通じて、
皆様に発信できたらよいなぁ
と考えております。皆様、おつきあいいただければ幸いです。

● ○ ●

仕事はじめは室堂から~

立山のベテランARの吉井さんからも先日ご報告させていただきましたとおり、
4月16日に、「立山黒部アルペンルート」が全線開通しました!

開通に備え、4月中旬、室堂で数日間作業を行いました。
開通後に一般の利用客の皆さんが、
誤って立入禁止区域内に進入されないように
赤いポールを立て、ロープを張り、立入禁止の看板を設置を行います。

準備期間中、悪天候が続き、吹雪の中、小屋などに避難しつつ、
作業を進めました。
ポールを運んだり、硬くなった雪面にポールを差し込んだり、、
と結構な重労働です><!
(室堂は2450mあり、4月でも吹雪の可能性があるのです。)
しっかり張られたポールやロープは、吹雪やホワイトアウトの際の、
道しるべともなります。

↓悪天候の中、ロープ張りを行う吉井AR(2011.04.08撮影)



● ○ ●

除雪が完了していない区間の雪道は、雪上車でガタゴト進みます。
今回、初めての雪上車に乗車しましたが、吹雪の中でも安心ですv
(2011.04.08撮影)



● ○ ●

作業の合間、浄土山の向こうに環水平アークをみることができました。
山の神様が舞い降りたような、、、
山でみるはじめての光景でした。。。
悪天の中での作業は、なかなか大変ですが、このようなご褒美があると
元気になります♪
(2011.4.15撮影)



● ○ ●

~皆様のお越しをお待ちしております~
今年は、震災の影響で、特に外国人の観光客数が激減しているとのことで、
例年に比べると少し寂しいスタートとなっております(涙)
今年の「雪の大谷」は、昨年より高く16m程度といわれております。
皆さんのお越しを心よりお待ちしております!!
なお、この時期の室堂は、吹雪等の悪天に備え真冬の装いが必要で
また、雪の照り返しに備えたサングラスや日焼け止め等が必需品です。
皆様、十分にお気をつけていらしてください。

● ○ ●

追記:
室堂といえば、、、
雷鳥に逢える!と心はずませておりました。
ですが、、作業中(4月中旬)も、目をこらしてあたりを見回しましたが、
なかなかその姿を見せてはくれません。
どうやら今年は、積雪量が多く、雪解けが遅くなっているため、
室堂周辺には、まだ餌となるものがなく、
雷鳥たちは、もう少し標高の低いところにいるようです。。
室堂の様子を偵察にきたのか?!
糞と足跡は、何カ所か確認することができました。
遭遇できましたら、ご報告させていただきます☆"

ページ先頭へ↑

2011年04月14日立山黒部アルペンルート全線開通間近

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 吉井 良治

4月からまたARに戻りました吉井です。
今年も宜しくお願いします。
4月10日立山黒部アルペンルート部分開通しました。
富山県側からは立山駅から弥陀ヶ原まで
長野県側からは扇沢から室堂まで開通しました。
16日には全線開通します。静寂な室堂平が観光客で
にぎわうでしょう。


黒部ダムで行われた安全祈願祭


平らな室堂平で安全柵を設置している様子


室堂ターミナルの駐車場ほぼ除雪完了

ページ先頭へ↑

2008年11月27日退任のあいさつ

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 吉井 良治

4月に着任して早8ヶ月経ちました。ライチョウを中心に
AR日記をお伝えしてきましたが、今回で最後になりました。
立山はこれから静寂で厳しい世界に入ります。ここで生きる
動物たちも厳しい5ヶ月間を生き抜いてくれるだろうと思っています。
春になったら愛らしい顔をまた見せてくれるでしょう。
日記を見てくださった皆様には本当に有り難うございました。


ミクリヶ池は凍り付いてしまいました。ここから見た雄山

大日岳

雄山・山崎カール・富士の折立

ページ先頭へ↑

2008年11月21日ライチョウ調査に参加して

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 吉井 良治

室堂で11月7日と18日・19日とライチョウ調査に行ってきました。
この時期のライチョウの行動を把握し、家族郡を捜し今年のヒナの状況を
観察する。 親とヒナの身体は、ほぼ同じで羽の換羽状況が違う。
ヒナの換羽は早く進み全体が白に近いのですぐにわかる。
これから厳しい冬の生活に入ります。室堂平の餌場は季節風がまともに受ける
斜面で、ほとんど積雪をみない場所でわずかに植物が顔を出している所です。
ここにはガンコウラン・コケモモ・アオノツガザクラ等の常緑の矮性低木の葉が餌になります。
しかし堅く凍りついているため丈夫なクチバシと爪を使って、葉をついばんでいます。
室堂平で生息する多くの個体はダケカンバやアオモリトドマツが生える称名峡谷などで冬を過ごしています。ねぐらは谷の急斜面の雪の中で季節風が直接受けない斜面です。
アルペンルートの閉鎖とともに、立山には人の訪れない静寂な世界になります。
冬の5ヶ月間はライチョウの聖域で、限られたものだけが生きる世界になります。



観察する調査員

11月7日観察のオスライチョウ



18日・19日は猛吹雪で調査断念、19日吹雪の中を
宿舎からターミナルへラッセルして通常の3倍の時間がかかり、自然の厳しさを身体で感じ、やっとの思いで帰ってきました。

ページ先頭へ↑

2008年08月25日北アルプス 剱岳山頂に新しい社が完成

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 吉井 良治

標高2999mの山頂の剱嶽社(つるぎだけしゃ)に御神体を迎える「正還座祭」が営まれました。明治40年7月に、参謀本部陸地測量部の柴崎芳太郎を測量官とする測量隊が剱岳に三角点埋設のため、宇治長治郎、宮本金作ら5人を案内人として長治郎雪渓を登りつめて山頂にたどりついたが、あまりにも険しいので三角点設置を果たすことができなかった。その時山頂には錫杖の頭と鉄製の剣身が発見されています。この登頂から昨年100年を迎えたのを記に剱岳測量100年記念事業で標石が設置された。これを記に社も新しく建て替えられ、厳しい環境でも100年以上耐えられる造りになっている。

悠々強い剱岳

カニのヨコバイのくさり場を行く御神体

新しい社で正還座祭を営む神官・登山は厳しい登山になると思いますが、安全登山を心得て登ってください。

ページ先頭へ↑

2008年07月16日立山室堂にやっと桜が咲きました

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 吉井 良治

桜前線がやっと室堂にやって来ました。高山に咲く「ミネザクラ」です。葉が開くのと同時に花が咲く淡いピンクの花です。雪が溶けた所から背丈の小さい高山の植物たちが華麗で、せーいっぱい大きな花を咲かせます。またこの時期にライチョウのヒナが誕生します。
ヒナは自分で体温を保つことが出来ないため、雌親のおなかの中に入り込み、暖まると雌親から離れ採食を始めます。このように雌親に暖めてもらいながら採食し「クウクウー」という声に誘われて谷筋に移動します。谷筋は雪が溶けたところから、高山植物が芽吹き、若葉が開いた植物がヒナの大切な餌になります。また捕食者からの身を隠す高茎植物の多い場所です。ヒナは巣立ちから10日目頃には2から3m飛べるようになり、約4週間位で幼鳥の姿になり成長していきます。しかし捕食者による被害や凍死などでうまく秋まで生きのびる数は少ないようです。ライチョウのヒナを見つけた時、追わないで優しく見守って下さい。


ミネザクラ別名タカネザクラ

生まれて3日位のヒナ、ピヨピヨと可愛い声で鳴いている。たくましく生きのびてほしい。

雌親のおなかに4羽のヒナが入っている為大きく膨らんでいる。5~6分間程暖めてもらいます。親からはぐれると死がまっている厳しい環境で生活しています。

ページ先頭へ↑

2008年06月17日6月のライチョウ

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 吉井 良治

6月も中旬になりライチョウの産卵が始まっています。1日に1個又は1日於きに1個産卵します。今までに6個が一番多く8個生んだ事例も観察されています。
全部生んで抱卵開始します。抱卵開始すると、抱卵糞が観察されます。抱卵糞はメスが卵を抱いている時、1日に2から4回採食の為、巣を離れその際我慢していた大きな糞を排出します。この糞を抱卵糞といいます。

一部雪が溶けた所に早くもガンコウランの花が咲いていた、秋になると黒い実になりライチョウが好んで食べている植物


この時期に見張りをする縄張りオスを観察することができる。

歩道脇のハイマツの林縁で休憩中のメス、まだ抱卵期に入ってない様子。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ