ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年8月 6日

2件の記事があります。

2021年08月06日苗場山(長野県側)で歩道改修工事を行っています

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

苗場(なえば)山の長野県側、栄村小赤沢と苗場山山頂をつなぐ登山道で、歩道改修工事を行っています。

工事区間は苗場山山頂部で、苗場山神社・赤倉山分岐付近です。

歩道改修区間の位置

<今年度の歩道改修区間の位置(赤色の丸で囲んだ区間)。色のついた線はこれまでに改修した区間。地理院タイルに歩道改修区間などを書き加えて作成した。>

工事内容は木道の改修です。通行する際は現地の案内に従ってください。

木道の状態

<工事区間の木道では経年劣化や積雪による破損などがみられます。これらの木道を改修します。8月4日撮影。>

8月4日は、これまでに改修した区間の木道などが安全に利用できる状態か確認しました。

確認の結果、経年劣化による程度の浅い不具合がいくつか見られたものの、利用に支障のあるものはみられませんでした。

<GISで帳票を作成して野帳としました。現地で気づいたことなどをメモし、帰所してからデータを更新します。>

さて、苗場山の山頂部にはとてもたくさんのトンボがいました。下の写真では50個体くらいが木道にとまっています。そして、写真を撮影している私の周りにも多くのトンボが飛んでいました。

木道にとまるトンボ

<近づいてトンボが飛び立つのを避けるため、ズームで撮影したので、画質が粗いです。>

山頂部で目立った花はキンコウカとワタスゲでした。

ワタスゲとキンコウカ

また、果実をつけたコバイケイソウが多くあったので、苗場山でも今年はコバイケイソウの花の当たり年だったのだろうと感じました。

【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや3つの密を避けるといった「新しい生活様式」の実践をお願いします。その一方で、熱中症にもご注意ください。

厚生労働省「「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました」

<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html>

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2021年08月06日白山では今年も継続中。外来植物対策!

白山国立公園 大石佳織

皆さん、こんにちは。

白山自然保護官事務所の大石です。

白山では山小屋(白山室堂と南竜山荘)の宿泊室が仕切り壁とカーテンで半個室状態となったり、日帰り登山者が増えたり、登山口などで検温が実施されたり・・・新型コロナウィルスの影響で、白山を取り巻く状況はこれまでと大きく変わりました。

現在も一部の施設が利用中止などの対応を余儀なくされています。

しかし、変わらないものもあります。

その一つは外来植物対策です。

外来植物は侵入すると、白山にもともと生えている植物(在来種、在来植物)の生育場所を奪ってしまったり、交配して雑種を作ったりします。

(低地のオオバコと雑種ができてしまう高山植物のハクサンオオバコ)

外来植物が増えて在来植物の生活場所を奪ってしまえば、美しい高山植物のお花畑がなくなり、街中でも見られるような外来植物の草原になってしまうかもしれません。

また、雑種ができてそれが広がると、高山植物の純粋な種が永遠に失われてしまうかもしれません。

(白山のお花畑。この光景は守りたい。)

白山国立公園では、実際に外来植物だらけになってしまった場所や、雑種ができてしまった事例があります。

そこで、新たな侵入を防ぐために、今年も多くの登山口に種子除去マットやブラシを設置して、皆さんの靴から種が侵入するのを防ごうとしています。

(左:種子除去マット 右:種子除去ブラシ)

使い方は簡単。

マットやブラシで靴底などに付いた泥を落とせばOK!

こうすれば、泥と一緒に外来植物の種が落ちて、あなたも白山の自然を守るための行動を1つ取ったことになります。

  • ■ 知ってたらちょっと"通な人"かも

    ところで、種子除去マットやブラシがあるのは登山口だけではないということをご存知ですか?

    登山口から離れた山の上にある小屋周辺などでマットやブラシを見かけて、不思議に思いながら靴をぬぐった方がいるかもしれません。

    なぜこんなところに種子除去マットなどがあるのでしょうか。

    答えは、人が集う場所では外来植物が増えやすいからです。

    では、なぜ山の上で増えるのでしょうか。

    それは、外来植物の種を人が運んでいるからです。

    「登山口でマットを利用したのに、なぜ???」

    と思う方もいるかもしれませんが、あなたのザックやおしりに外来植物の種が潜んでいるかもしれません。

    さあ、自宅を出発してから登山を開始するまでの間を振り返ってみましょう。

    皆さんの中には、登山口などで一度はザックを地面に下ろしたり、地面に腰を下ろしたりする人もいるでしょう。そう、種たちはその瞬間を逃しません。いくつかの種がザックやおしりにくっつきます。

    白山の山の上以外でテントを張れば、テントなどの道具にも種がくっつきます。

    ザックやおしりに種がくっついたことを知らない私たちは、登山口の種子除去マットで登山靴をぬぐって、対策もばっちり!と意気揚々と登山を開始します。

    そして、広場や避難小屋など、休憩に適した場所にたどり着くとザックを下ろして、一休みしたり食事をしたり、思い思いに過ごします。テント場につけば、もちろんテントを広げるでしょう。


    (人が集い、休む場所の一つ、山頂。)

    このとき、ザックやおしり、テントなどにくっついた種が落ちれば、外来植物侵入の第一歩です。

    このため休憩する人が多い避難小屋や山頂、広場では外来植物が生育していることがよくあります。そして、たくましく生長して花をつけ、種を実らせ、地面に落とします。その種を私たちは靴にくっつけて、さらに外来植物を広げる手助けをしてしまいます...。

    このため、山の上にも種子除去マットやブラシを設置しています。
    登山道に外来植物が育ってしまっていることもあるので、休憩場所を利用していないという方も、ぜひ利用してくださいね。


    (南竜ヶ馬場の種子除去マット)

    そして、特に利用してほしいのは、南竜ヶ馬場の南竜山荘や野営場(テント場)のあるエリアに設置されているマットです。
    山小屋周辺やテント場は特に外来植物が多いので、このエリアから「出る時」には、種子除去マットの利用をお忘れなく!

    高山植物が咲き乱れる白山の美しい光景が、いつまでも変わらず残されるように、これからもご協力をお願いします。

    <感染拡大防止対策への協力のお願い>

    園地や登山道はご利用いただけますが、以下の感染拡大防止対策へのご協力をお願いします。

     ・発熱や咳等の風邪症状の見られる方は利用をお控えください。

     ・人と人との十分な間隔(できるだけ2mを目安に)をおとりください。

     ・マスク、消毒液の持参及び使用をお願いします。

     ・感染予防のため、手洗いの徹底をお願いします。

     ・この他、感染拡大につながる行動の自粛をお願いします。


    ※新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、野営場などで休園等の対応をとっているところがありますので、ご注意ください。

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