2021年6月
16件の記事があります。
2021年06月08日藤前干潟で清掃活動
国指定藤前干潟鳥獣保護区 西部理恵
皆さま、藤前干潟からこんにちは。
アクティブ・レンジャーの西部です。
暑くなってきましたね。
少し前になりますが、5月29日(土)は、藤前干潟で市民ボランティアによる大規模な清掃活動が行われる予定でした。
毎年実施されている「藤前干潟クリーン大作戦」です(→藤前干潟クリーン大作戦のHP)。
ですが、愛知県に新型コロナウィルス感染防止に伴う緊急事態宣言が出されたことを受けて、中止に。
こればかりは、仕方がないと思っていた時、実行委員会事務局から、関係者だけの少人数で実施しませんか、との連絡がありました。
少人数ではありますが、だからこそ普段なかなか取り組めないテーマの清掃活動を実施する、とのこと。事前に知らされていたテーマは、なんと「マイクロプラスチック」!
名古屋自然保護官事務所のメンバーも参加してきました。
<清掃前の説明を聞く参加者>
どうするのかな?と思っていたのですが、
まずは、大きなゴミ拾いを実施した後、参加メンバーでマイクロプラスチックを拾う方法を考えよう!と言うことでした。
なるほど、それは大きなイベントでは取組めないテーマですね。
<まずは、通常の清掃活動を実施!>
その後、さっそく、マイクロプラスチックを拾う方法を各自が取り組んでみます。
事務局からは、ピンセットや篩(ふるい)などが用意されていました。
我々名古屋自然保護官事務所のメンバーは、ピンセットで地道に人海戦術が一番なのでは?!ということで、実施してみます。
<事務局が用意してくれた、5㎜方眼シートに並ぶ色とりどりのプラスチック片>
しかし、5㎜と2㎜のふるいで選別すると早い!などの"研究結果"も報告されたり、土そのものがプラスチックまみれなのだから、土をすくうしかないのでは?という意見もありました。
<2018年に撮影された藤前干潟、今もそれほど変わっていない。>
なにせ、藤前干潟は、大変残念なことに、プラスチックごみのたまり場になっているのです。
マイクロにならないうちにゴミを拾う、そもそもゴミが出ないのが一番、というのはその通りなのですが、すでに土には幾層にもプラスチックが溜まっている状況です。
今に始まったことではない、けれども、なんとかしたい。
でも、どうしていいのか分からない、という大変難しい問題です。
ピンセットで地道に拾ったチームからは、拾っている間"ただひたすら無心になれる!"との意見も出ました。難しい、難しいとばかり言ってもいられません。
ユニークな取り組みの中からアイディアが生まれることもあります。
そんなわけで、もしかしたら、藤前干潟でただひたすら無心にマイクロプラスチックを拾う、、、というイベントが開催されるかもしれません?!
皆さまも、こんな風に拾ったらいいのでは?というアイディアがありましたら、ぜひ教えてください。
この間、岸ARがFACEBOOKにとても素敵な渡り鳥の写真をアップしてくれました。
いつまでも、この美しい風景が見られるように、名古屋自然保護官事務所のメンバーも、日々、取り組んでいきたいと思っています。
●藤前干潟のイベント、お知らせ
<国指定藤前干潟鳥獣保護区のFACEBOOKページ>
国指定藤前干潟鳥獣保護区のFACEBOOKページを開設しました!
少し前から、いろいろと試験的に記事を投稿したりしてきましたが、だんだんと本格的に記事を投稿していきます。
FACEBOOKでは、写真だけでなく動画も掲載できるようなので、どんどんコンテンツを充実させていきたいと思っています。
ぜひ皆さま、こちらもフォローしてください!
2021年06月08日岩菅山開山祭
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
6月6日、志賀高原で「岩菅山(いわすげやま)開山祭」が行われました。2年ぶりの開催です。
岩菅山は2つのピークを持ち、祠のある岩菅山の標高は2,295mで、そこから50分ほど歩いた先にある裏岩菅山は標高2,341mで、志賀高原で最も標高の高い場所です。
開山祭は岩菅山山頂で行われるため、参加者は山頂まで歩き、開山祭後も歩いて下山します。コースは、東館山→寺小屋峰→のっきり→岩菅山山頂→のっきり→アライタ沢→聖平です。
東館山(標高1,970m)から岩菅山山頂まで、標高差はあまりないですが、尾根に沿って小さなアップダウンを繰り返します。「山と高原地図」(昭文社)ではコースタイムは3時間30分となっています。しかし、それぞれのペースで歩くので、2時間程度で歩く人もいれば、4時間以上かけて歩く人もいます。
さて、コースの状況ですが、今回は残雪がほとんどなく、1箇所10m程度だけでした。短い距離とはいえ、スリップした際にケガをしないように気を付けてください。
トイレは岩菅山山頂にありますが、使いづらいと思います。携帯トイレを持参する方法もあります。
左:奥に見えるのが岩菅山山頂。
右:岩菅山山頂近くから南方向(歩いてきた方向)を撮影。尾根に沿って線のように見えるのが歩道。奥には浅間山、草津白根山、横手山、四阿山などが見られます。右手前が寺小屋峰。
どちらの写真も写っている人は開山祭の参加者です。
左:ナエバキスミレ。右:イワカガミ。
左:ヒメイチゲ。右:ハクサンイチゲ。
岩菅山は古い火山です。山頂近くの稜線下部には柱状節理が見えます。
岩菅山山頂から北方向を撮影。右手前が裏岩菅山。裏岩菅山の左奥が鳥甲山。右奥に苗場山の山頂部がわずかに覗く。左端は焼額山。
岩菅山山頂は、ほぼ360度の展望があります。
【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや3つの密を避けるといった「新しい生活様式」の実践をお願いします。
厚生労働省「新しい生活様式の実践例」
<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html>
首相官邸「新型コロナウイルス感染症に備えて 一人ひとりができる対策を知っておこう」
<https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html>
2021年06月07日いよいよグリーンシーズン
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
志賀高原のスキー場は、昨年の11月14日にオープンし、5月30日に営業を終了しました。営業期間は半年を超え、200日近くでした。
志賀高原もいよいよグリーンシーズンとなります。
志賀高原管理官事務所の近くにある蓮池(はすいけ)の様子と、清水(しみず)新道(しんどう)の様子をお伝えします。
■蓮池
蓮池の標高は約1,500mです。
植物の葉が開き始め、花も咲き始めています。エゾハルゼミの鳴き声も聞こえます。
写真は6月1日に撮影。
池を周遊する遊歩道から撮影。左は芝生広場。奥に見える建物「山の駅」周辺に駐車スペースがあります。
左:レンゲツツジは花が開き始めたものがありますが、まだ、つぼみが多かったです。
右:アズマシャクナゲの花は終わりかけでしたが、きれいなものが残っていました。
アサギマダラが飛翔していました(飛翔中なのでピントが甘いです)
■清水新道
清水新道は「池めぐりコース」の清水口と「自然探勝コース」の信州大学自然教育園を結ぶ遊歩道です。清水口の標高は約1,550mです。
清水口の駐車スペースの脇に原生的な林があります。
左:大小の塊状の溶岩の上に針葉樹林が成立しています。
右:重なった溶岩の隙間から出てくる風は冷たく感じます。そのような隙間に雪が残っていることがあります。
ムラサキヤシオツツジの花が見頃でした。
左:ミツバオウレン。右:コミヤマカタバミ。
地衣類や蘚苔類(コケ)も目に入ります。
左:ヒロハセンニンゴケ属(地衣類)。右:ツボミゴケ属(苔類)だと思います。
なお、グリーンシーズンとはいえ、標高の高い所を通過するトレッキングコースには、まだ残雪があるようです。
志賀高原観光協会のトレッキングコース状況<https://www.shigakogen.gr.jp/news/trekking.html>によると、5月31日時点で「歩行不可(残雪)」となっているのは4つで、「池めぐりコース」、「岩菅山登山コース」、「鉢山・横手山コース」、「赤石登山コース」ですのでご注意ください。
【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや3つの密を避けるといった「新しい生活様式」の実践をお願いします。
厚生労働省「新しい生活様式の実践例」
<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html>
首相官邸「新型コロナウイルス感染症に備えて 一人ひとりができる対策を知っておこう」
<https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html>
2021年06月04日ライチョウについての講演・観察会
中部山岳国立公園 立山 平松新一
こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。
立山では雪解けが進むと同時に、ライチョウは真っ白だった冬羽が夏羽に変わります。そんな時期、富山県立山自然保護センターでライチョウの講演・観察会があるとお聞きしたので参加してきました。
講演されたのは富山雷鳥研究会の松田勉さんです。松田さんは富山県が5年に一度行っているライチョウ調査の中心メンバーとして活動され、立山のライチョウについて長年研究されてきた方です。
<立山自然保護センターで講演される松田勉さん>
講演では松田さんらをはじめとする富山雷鳥研究会が調査研究を行ってきた成果を中心に、立山のライチョウの生態についてとても興味深いお話を伺うことができました。例えば、ライチョウはときどき長距離移動することがありますが、それはほとんどがメス個体だそうです。確かに石川県の白山で数年前に目撃されていた個体もメスでした。オスは繁殖時期の間縄張りをつくり、その縄張りから離れることができないのに対して、メスはより良い場所を見つけるために遠くまで移動することと関係しているようです。
縄張りをつくることができなかったあぶれオスに関する話も聞きました。あぶれオスは、縄張りをもったオスの領域に入るとそのオスから追い払われてしまいます。行く場所行く場所で追いやられ、肩身の狭い思いをするあぶれオスですが、時には縄張りを持ったオスの目を盗み、縄張り内にいるメスに交尾を迫ることもあるということでした。ライチョウの世界もなかなかのものですね。
<観察会で話をされる松田勉さん>
観察会ではみくりが池付近まで歩き、ライチョウやその痕跡を見つけました。指まで羽毛が生えていることや、餌となる植物のガンコウラン、ライチョウのフンまで観察でき、ひとつひとつ丁寧に解説いただきました。
<夏羽に変わってきたオス>
<雪上に残っていたライチョウのフン>
このような講演や観察会に参加することで、ただ歩いているだけでは気づかなかったことにも目が向くようになります。立山だけでなくそれぞれの地域で様々なイベントが行われています。皆さんもぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
******************
中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
2021年06月01日戸隠自然保護官事務所 移転のお知らせ
妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎
この度、戸隠自然保護官事務所が移転しました。
旧事務所は畑の中の一軒家でしたが今度は役場のビルの3Fとガラリと環境が変化しました。
新事務所: 長野市戸隠豊岡1554 長野市戸隠支所3階
妙高戸隠連山国立公園を管理する自然保護官事務所は2ヶ所あり、一つは新潟県側を管轄する「妙高高原自然保護官事務所」、もう一つが長野県側を管轄する「戸隠自然保護官事務所」です。
旧戸隠自然保護官事務所は昭和54年に「環境省戸隠管理事務所」として設置され、雪深い戸隠の地で40年以上にわたり風雪に耐えてきました。さすがに老朽化が酷く遂に事務所を移転することとなりました。
新事務所は長野市の戸隠支所内に間借りすることになりました。戸隠支所はかつての戸隠村役場であり、旧村議会議場があります。しかし平成17年に長野市と市町村合併したことで議会が無くなり議員部屋がちょうど空いていた訳です。
新事務所は鉄筋コンクリートの建物の3階ということもあり、鳥のさえずりがあまり聞こえなくなってしまったのは寂しいですが、いままで同様、妙高戸隠連山国立公園をより良い国立公園にするべく取り組んで行きますので、今後ともよろしくお願い致します。
ここのところ引越の作業でバタバタしておりましたが、ようやく新事務所での業務も開始となりましたので、AR日記の方にもまた力を入れていきますよ!
皆さま、こんにちは。
最近急に暑いですね。梅雨入りする前に夏がきてしまったような...
どうせならこのまま梅雨が来ないでほしい谷川管理官事務所の増田です。
さて!ついに!!
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のためオープンを延期していた、谷川岳インフォメーションセンター(谷川岳IC)のオープン日が決定しました!!!
6月19日(土) 11:00オープンです。
当日は開館記念としてご来館いただいた方、先着200名様にエコバッグをプレゼントいたします(^^)/
詳しくは↓環境省HPをご覧ください。
(環境省HP:http://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2021/post_171.html)
さて、ここで簡単に谷川岳ICの紹介をします✿
谷川岳ICは新たな情報発信・エコツーリズム推進の拠点として、谷川岳・その周辺の自然や歴史をパネル展示で紹介しています。
↑奥に見えているのが展示パネルです
さらに、谷川岳・その周辺の魅力をVRやプロジェクションマッピングで体験することも出来ます!
ロッククライミングやイヌワシ目線のVRでは臨場感を味わえますよ。
↑VR(ラフティング体験の映像)
その他に薪ストーブの前でのんびり休憩したり、多目的室では山や自然に関する書籍や顕微鏡があるので、野外で見つけた不思議を調べることができます。
↑薪ストーブ
随時更新されるエコツアーのプログラムや企画展示などなど見どころがたくさんあるので、谷川岳へお越しの際はぜひ立ち寄ってみてくださいね☺