ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年9月

22件の記事があります。

2020年09月04日苗場山 今年度の木道工事が終了

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

苗場山(なえばさん)山頂部の長野県側では、平成25年度から長野県への施行委任により木道の改修工事を実施しています。今年度の工事が終了し、9月2日に状況を確認しました。

<今年度の起点付近。写真奥が苗場山山頂側。9月2日撮影。>

苗場山山頂部の長野県側で、これまでに木道が更新された区間は下図の赤線のとおりです。

まだ木道が更新されていない場所では、苗場山山頂の宿泊施設など地域の方の補修のおかげで、木道を歩ける状況が何とか保たれています。

しかし、下の写真のように破損したり、シーソーのように動いたりするものがあります。注意して通行してください。

<令和2年8月5日撮影。>

【大赤沢新道について】

苗場山山頂と大赤沢を結ぶルート(大赤沢新道)は、今年度は刈払いが行われていません。また、津南町のページ<https://www.town.tsunan.niigata.jp/soshiki/kankou/tozan.html>には「苗場山 大赤沢新道は廃道となりました。秋山郷方面には小赤沢登山道(長野県栄村)をご利用ください。」と書かれています。ご注意ください。

【苗場山山頂の宿泊施設について】

・日帰り登山の方は宿泊施設に立ち入りできません。仮設トイレが施設の外にあります(有料)。

・宿泊は完全予約制とのことです。

・次のページに詳細な案内があります<http://sakae-akiyamago.com/play/587/>

【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】

上信越高原国立公園の利用においては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや3つの密を避けるといった「新しい生活様式」の実践をお願いします。また、上信越高原国立公園へお出かけの際には、上信越高原国立公園のページ、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認ください。皆様のご協力をお願いします。

厚生労働省「新しい生活様式の実践例」

<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html>

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2020年09月02日ハマボウの観察会

伊勢志摩国立公園 小川美代子

 横山ビジターセンターでは定期的に伊勢志摩国立公園内で自然観察会を行っています。

 7月は「ハマボウの観察会」を行いました。一般参加者とスタッフ合わせ新型コロナウイルス感染予防対策をとりながら20名で観察を行いました。

 南伊勢町の伊勢路川河口には、大きなハマボウ群落があります。ハマボウの生育地は河口や内湾などの干潟に限られており、三重県の絶滅危惧種とされています。ハイビスカスと同じ仲間であり、初夏には直径6~8cmの黄色の花を咲かせます。朝に咲いて、夜にはしぼんでしまう1日花ですが、毎日たくさんの花をつけます。

 はじめにハマボウの花を観察しました。三重自然誌の会の山本和彦さんが講師となり、花や果実、種子などについて解説をして頂きました。

 ハマボウは一般的な土地でも育てることはできるそうですが、他の植物に負けてしまい育たないことが多いそうです。ここで群生できたのは、海辺で育つことができる植物は少ないため、他の植物との競争がおこらなかったのではないかということでした。

 また、ハマボウのタネは水に浮きます。海水に浮いて遠くまで流れ、分布を広げるそうです。タネを浮くようにし、育つことができる限られた環境を広い範囲で見つけ出そうとするハマボウの知恵を知り、あらためて感心をしました。

 

    

 ハマボウの観察の後は干潟でカニの観察をしました。この干潟には、シオマネキやハクセンシオマネキなどの絶滅危惧種のカニがいます。そのカニたちを座って静かに観察しました。干潟の生物は用心深く、動くものを感じるとおびえて隠れてしまいます。しばらく静かに観察をしていると、はじめは見えなかったハクセンシオマネキが次から次に現れ、何匹も見えるようになったかと思えば、左右のはさみの大ききが違うオスが大きなはさみの方を揺らして、近くにいるメスに猛アピールしています。もっと小さなチゴガニのオスもはさみをふって「おいで、おいで」をして、近くにいるメスにアピールしているのも見えてきます。

 参加者の皆さんも暑さを忘れて、しばらく見入っていました。

  

 カニの観察の後は、家族単位で干潟の生きもの採集をしました。短い時間でしたが、クロベンケイガニ、ウミニナ、ヤドカリ、ヒモイカリナマコ、ハゼの仲間などが捕れました。個別に観察ケースに入れ、観察するとともに、半田管理官からその生態についてレクチャーを受けました。

 梅雨の晴れ間の暑い日、また、マスクなどをつけての観察会でしたので、熱中症にならないよう十分注意しながら、参加者全員が無事活動を終えることができました。

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