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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

シカ対策

2020年07月31日
谷川 増田 多美

みなさまこんにちは。

谷川・苗場地域でたくさんのアジサイが咲いていました。

長引く梅雨に嫌になりますが、アジサイと雨の組み合わせが好きな谷川管理官事務所の増田です。

  

  

左上:谷川温泉 恋沢ガーデン  谷川岳南面のマナイタグラを見ることが出来ます。

右上:谷川富士浅間神社の手水舎  江戸時代以前からの山岳信仰の参拝道があります。

左下:山鳥原公園  新潟県湯沢町にある公園。ヤマアジサイの八重咲きが咲いていました。

右下:一ノ倉沢トレッキングコース  谷川岳の見所である一ノ倉沢を楽しめるコース。歩道脇にはヤマアジサイが多く咲いていました。

突然ですが皆さん、↑上の写真の植物が何か分かりますか?

???なんだこれって感じですね。

実はこの植物...

シカに食べられてしまったニッコウキスゲです。

本当は↓下の写真のように鮮やかな黄色い花をつけます。

今回は、そんなニッコウキスゲをシカによる食害から守るため侵入防止柵を設置しましたので、その様子をご紹介します。

7月13日、当日のメンバーは赤谷森林ふれあい推進センター、関東森林管理局、日本自然保護協会、赤谷プロジェクト地域協議会、三国山の会、平標山の家、、環境省職員です。

みんなでシカ柵の資材をそれぞれカバンに詰め、支柱を持ち、いざ!出発!

途中休憩をとりながら登っていきます。

設置場所に到着しました。ニッコウキスゲの様子はどうでしょう。

黄色の矢印で示した所はシカに食べられたニッコウキスゲです。

以前はたくさん咲いていたニッコウキスゲですが、シカの摂食とササの侵入等により数がかなり減ってしまいました。

さぁ、いよいよ柵の設置開始です!

まずは3m間隔で支柱を設置し、ネットを張っていきます。

  

次にアンカー杭を地面に打ち込みシカがネットの下から潜り込むのを防ぎます。支柱補強ロープを張り、

  

ネットを支柱に固定し、最後にシカ柵設置についての貼り紙をし、完成です!

  貼り紙→ 

さらっと書きましたが、最初はネットをピンッと張りすぎてしまい、アンカー杭を地面に打ち込む際にネットの丈が最後足りなくなってしまい、ネットの張り直しをしたり...と実は大変でした。

ニッコウキスゲは種から花をつけるまで約7年かかると言われており、お花畑が復活するには非常に時間がかかります。

いつか以前のようなニッコウキスゲの群落が戻るといいなと思います。

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