2020年6月30日
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2020年06月30日乗鞍高原から雲上の世界へ
中部山岳国立公園 関根陽太
中部山岳国立公園管理事務所の関根です。
乗鞍高原から乗鞍岳へ延びる「乗鞍エコーライン」が7月1日に冬季閉鎖が解除され、
7月1日から路線バスやタクシーが畳平まで運行される予定です。
運行開始前に関係者で現地の状況と安全確認へ行ってきました。
標高1450mの乗鞍観光センター付近の季節は夏になろうとしていますが、
乗鞍岳に向かうに連れて季節が戻っていきます。
おおよそ11~6月までの長い冬期閉鎖期間中に、道路脇の樹木が倒れかかったり、土砂が動いたりしていないか、除雪の状況等安全に利用していただけるように現地を確認しました。
今回は梅雨空の下での確認でしたが、天気が良ければ中部山岳の山々はもちろん、
中央アルプスや南アルプス等も眺めることができます。
(平成30年7月撮影)
また、今はライチョウが抱卵・孵化する時期でもあります。
ライチョウを見かけても近づかず、そっと見守りましょう!
三本滝ゲートより乗鞍岳方面は、マイカー規制となっています。路線バスやタクシーに乗り換えをお願いします。バスについては、アルピコ交通HPをご確認ください。畳平を経由して平湯、高山方面へも行けます。濃飛バスHPもご確認ください。
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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
中部山岳国立公園管理事務所の関根です。
「乗鞍岳と中央アルプスでのライチョウ事業」で紹介させていただきました、乗鞍岳での事業が本格始動しています。
乗鞍岳のライチョウは、産卵から抱卵の時期に移ってきました。
事業は巣探しを経て、中央アルプスに移植するライチョウ3家族20羽程度(1家族あたりメス親1羽とその雛6羽程度)を選定・検討しています。
ライチョウの生息情報は、足輪を付けることで明らかになりました。
足輪は、ライチョウの捕獲許可を得た研究者により取り付けられ管理されています。
足輪の色の組み合わせで個体を識別できるようになっており、過去の採卵記録と照合することにより今回の事業で遺伝子の多様性にも配慮することが可能です。
足輪があることによって、ライチョウのなわばりについても研究されています。
過去、信州大学が実施した調査結果から、なわばり図を基に植生図になわばりを書き込んだ図がこちらです。
(植生図は、環境省生物多様性センターのWeb-GISを基に表示。)
信州大学の調査では、この範囲に90近くのなわばりが形成されていたことが確認されています。
ライチョウが暮らせる高山低木群落(ハイマツ等の植生)の多くの範囲が、なわばりに使われていることが分かります。
乗鞍地域が一体となり自然保護活動に取り組んできたことで、乗鞍岳でライチョウが安定して生息できる自然環境を保てています。
これからも、ライチョウが棲み続けられる乗鞍岳を未来に繋ぎたいですね。
詳しい資料は、信越自然環境事務所HP内トピックス、ライチョウ保護増殖事業等についてに掲載しています。
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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。