ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年11月12日

2件の記事があります。

2019年11月12日登山道整備講習会&登山道整備(折立登山道編)

中部山岳国立公園 佐藤 裕子

北海道大雪山周辺で登山道整備を行っている、合同会社北海道山岳整備 岡崎哲三さんをお招きして登山道整備講習会&実際に登山道整備を行いました。

岡崎さんが取り組んでいる『近自然工法』という技術を、日常的に立山や薬師岳周辺などの地元で登山道整備を行っている方々(行政や山小屋関係者、山岳ガイド、登山道整備業務を請け負う工事会社)と一緒に学ぼうという趣旨です。

現在、多くの登山道で行われている登山道整備は、木道を作る、ハシゴをかける、砕石を敷くなど「人の歩きやすさを回復する」施工がなされています。

対して、岡崎さんの行う近自然工法は、「浸食原因を取り除き、生態系を復元させる」考え方です。

登山道の荒廃は、自然現象で起きたものではなく踏圧によるダメージが大きな要因といいます。

踏圧で裸地化した登山道に、雨などの流水が流れ、浸食され歩きにくくなり、登山者は歩きにくくなった箇所を避けて脇の植生を歩き、踏圧で登山道が広がる。さらに流水で浸食され段差ができ、ハシゴをかけても原因を取り除いていないのでさらに荒廃していく...。ホラーですか。

近自然工法による施工後も、施工したら終わりではなく、経過観察をしているそうです。

施工が不十分であれば登山道に水が流れる様子が見られるので、大雨警報が出ている日にこそ山に行くと仰っていた(普通の人はマネしないでください)のが印象的でした。

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前置きが長くなりましたが、講習会の様子です。

5日間の行程で行われ、1日目は机上講習会、2日目以降は実際に現地で登山道整備を行いました。

(2日目から4日目は折立登山道、5日目は大日岳登山道)

≪折立登山道 修繕の様子≫

折立登山道を入ると、ガリー浸食(洗掘)された箇所が目につきます。

【上】登山道の幅に合わせて、現地の倒木を材にするため切り出します。

【下】丸太(倒木)は階段の骨組みになります。

【下】現地の転石や土で埋める。

写真には写っていませんが、施工箇所上部には流水を斜面脇に排水する導流も作られています。

【完成】

別日です。

【上】この日も倒木の切り出しからはじまりました。

【下】丸太(倒木)を洗掘された登山道に設置(ねじ込み)し、輪切りした丸太と石と砂で埋める。

私も階段を丸太や石で埋める作業を一段やらせて貰いましたが致命的にセンスが無かったです・・・・。

丸太は、V字のガリーにねじ込んでいるだけで杭は打っていません。

登山者の足運びまで計算し、施工してくださいましたが、歩きやすくすることが目的ではなく、登山者が歩きにくければ、それを除け新たな浸食が起きることがあるからです。

今後、登山道脇に植生が復元し、登山道を含む土壌が安定し、維持されていけばいいなと思います。

【ポーズを決めてくださったS田さん】

みなさま、ご協力ありがとうございました!

[大日登山道編]中山さんに続く。

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2019年11月12日志賀高原の事務所から見える山並みに積雪がありました

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

標高約1,500mにある志賀高原自然保護官事務所の正面に見える山並みに積雪がありました。

積雪のあった稜線部は標高2,000mくらいです。

横手山(よこてやま;標高2,307m)や渋峠(しぶとうげ;標高2,152m)といった、志賀高原の中でも標高の高い場所では、1週間ほど前の11月4日に積雪があったようです。それが今回は、より標高の低い所へ下りてきました。

まだ、おそらく気温が上がれば消えてしまう雪なので、本格的なものではありません。

ただ、天気予報を見ていると今週末など寒気が南下してくることが増えるので、事務所の標高で雪が降るのも遠いことではないと思います。

<左のピークから中央の稜線にかけて雪が積もっている。左のピークは東館山(標高1,970m)、中央奥の稜線は標高約2,150m。右のピーク(標高1,820m)には雪は見えない。>

■国道292号は、11月13日(水)13時から、志賀高原の陽坂(ようさか)から渋峠までの区間が冬期閉鎖となります。群馬県側も同時刻から草津町の天狗山ゲートから渋峠までの区間が冬期閉鎖となります。

志賀高原に車でお出かけの際は、冬用タイヤを装着するかタイヤチェーンを持参されると安心して運転できると思います。

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