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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年6月10日

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2019年06月10日高山蝶を守る会パトロール

上信越高原国立公園 万座 小林 直樹

皆さんは高山蝶をご存じでしょうか?

高山蝶は、本州中部以北の高山およびその近傍の渓谷、高原などに限って分布する一群の蝶類で、

現在では一部の地域でしか見ることができなくなってしまいました。

群馬県では、浅間山系に生息するミヤマシロチョウ、ミヤマモンキチョウ、ベニヒカゲの

3種が県指定の天然記念物となっています。

中でもミヤマシロチョウは浅間山系の湯ノ丸山周辺にのみ生息しており、

車で行ける場所で見れるのは日本でもこの地域だけになっています。

【ミヤマシロチョウの成虫 写真:浅間山麓国際自然学校様提供】

6/6(木)、嬬恋村高山蝶を守る会の会議とパトロールに参加しました。

この会の会員が実施する保護パトロールは群馬県から委嘱を受けて実施しており、

主に湯ノ丸山周辺のミヤマシロチョウなどの巣や幼虫、成虫をモニタリングし、

成虫が飛び交う夏には一般向けに観察会も開催しています。

まずは営巣地に向かって山を登ります。

このあたりはレンゲツツジ群落も有名ですが、あと1週間ほどで開花しそうです。

同じくツツジ科のミネズオウも咲いています。

【開き始めたレンゲツツジのつぼみ】

【ミネズオウ】

現地に着くと早速モニタリングしているメギの木を調査し、

蝶の巣や幼虫を探し、見つけたら数をカウントして記録します。

すると早速、巣が見つかりました!

中に幼虫もいるようです。

【メギの木の巣】

かなり山の中を上に行ったり下に行ったり歩き回り、

全てのモニタリング対象の木をチェックします。

【モニタリングの様子】

そしてついにいくつかの木で幼虫も見つけました。

元気にメギの葉を食べています。

【ミヤマシロチョウの幼虫】

しかし、あるメギの木はほとんどの葉っぱを幼虫が食べ尽くしてしまい、

もう食べる葉がありません。

そうなると幼虫は食べ物がな無くなって死んでしまいます。

こういう場合は、巣と幼虫を別のメギの木に移す必要があります。

巣は枝ごと切って新しい木に固定、幼虫は新しい木に手で連れて行きます。

※この作業は県の許可を得て行っています。

【新しい木に移された巣】

これで安心、幼虫たちは新しいメギの葉っぱを必死に食べていました。

こうしてみんなに見守られながら成長した幼虫たちは、もうしばらくすると蛹になり、

7月中旬位には成虫となってこのあたりを乱舞することでしょう。

【高山蝶保護の看板を確認するメンバー達】

来月には、この湯ノ丸山で以下のとおり「高山蝶の観察会」が行われます。

皆さんもぜひ参加してみませんか?

【概要】

日時:7月15日(月・祝)午前9時~正午頃

集合:湯ノ丸山 地蔵峠駐車場

講師:日本チョウ類保全協会 代表理事 松村 行栄 先生

参加費:無料

申込先:嬬恋村高山蝶を守る会事務局(嬬恋郷土資料館内)

※ 本観察会に関するお問い合わせ・申し込みは、以下までお願いいたします。

 「嬬恋村高山蝶を守る会事務局」 TEL/FAX 0279-97-3405

(嬬恋郷土資料館内)

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