2019年1月
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2019年01月16日わくわく万探ツアー 『レッツ! パウダースノーシュー』
上信越高原国立公園 万座 小林 直樹
1月14日(日)、万座しぜん情報館主催のイベント:わくわく万探ツアー
『レッツ! パウダースノーシュー』にサポートスタッフとして参加しました。
万座しぜん情報館では定期的に自然観察など各種イベントを企画していますが、
冬のイベントは今回が初めてで、万座や草津に宿泊するお客さんを中心に
合計12名の方が参加されました。
コースは万座の名所「牛池・かたらいの森」周辺を2時間かけて散策します。
自然公園財団草津支部から講師をお呼びしてガイドと解説、指導をしていただきました。
まずはスノーシューをはくところからスタート。
経験者もいましたが多くは初心者なので、スタッフにサポートしてもらい
皆さん無事に装着できました。
<スノーシューの装着>
最初に万座しぜん情報館の石塚館長のオープニングあいさつがあった後、
講師から歩き方や注意事項などの説明を受けます。
<館長のオープニング>
<講師の説明>
いよいよツアースタート!! いきなり難所の急斜面です...
でもふわふわの雪の上なので万が一転んでも痛くありません。
<急斜面を下る>
<隊列を組んで雪原を進む>
牛池は、冬は今のように一面雪に覆われていますが、
無雪期は下の写真のような森に囲まれた美しい池です。
季節ごとにいろんな魅力がありますね。
<紅葉の牛池(10月)>
雪原にはウサギなど小動物の足跡も多く見られます。
ダケカンバ、ナナカマド、オオシラビソなどの木がたくさんあり、
それぞれの木について講師の解説に耳を傾けます。
中には樹齢何百年もの巨木も!
コース途中からはスキー場の奥に遠くの山々が一望でき、
冬ならではの光景が楽しめます。
<ゲレンデの奥に見える四阿山>
<コース中最大の巨木の前で記念撮影>
凍った牛池の氷上からも木を観察できます。
<冬ならではの木の変わった姿>
後半は皆さんスノーシューをはいて歩くのに慣れて来たようで、
2時間後に無事に出発点の駐車場に戻りました。
スノーシュー・ハイクは、新雪をかき分けて遊歩道や森の中を歩く、
真っ白な雪原に残された動物の足跡を追って歩くなど、
スキーやスノーボードとはまたひと味違う醍醐味があります。
皆さんもぜひスノーシューを楽しんでみてください。
そして冷えた体には暖かい温泉が待ってます!
2019年01月15日ニホンザル対策の報告会 その1
中部山岳国立公園 上高地 関根陽太
こんにちは。
ニホンザルの対策について書かせてもらいましたが、
シーズン末には、上高地ネイチャーガイド協議会の研修会の一環で、
「上高地のニホンザルの現状と対策」の報告と意見交換をしました。
研修会でお話しした内容は改めてAR日記に書こうと思いますが、
意見交換ではガイドの皆さんならではの意見や情報がたくさん挙がりました。
たとえば、「団体ツアーにもっと効率よく啓発を行った方が効果的なのでは。」といったことから、
「ガイドをしているときに多くのお客さんがじっくり見る看板がある。そのような看板をうまく使うといい」などなど。
また、今年作成したポスターについても良い点や改善点など、
どんどん意見を出し合い、時間が足らなくなるほど盛り上がりました。
上高地一同、試行錯誤でサル対策に取り組んでいますが、
自然の中で楽しむ人のマナーが大切です。
私たちにできることを考えてみませんか?
2019年01月11日ニホンザル対策
中部山岳国立公園 上高地 関根陽太
こんにちは。
上高地のニホンザルの人慣れ問題について何回か書いていますが、
昨年は、施設の方、ガイドの方、ボランティアさんなど
多数の方々に協力してもらい、地域一丸となって対策に取り組みました。
対策は今まで「追い払い」に重点が置かれていましたが、
ここ最近は利用者に対する「普及啓発」にも力を入れています。
「追い払い」は、人やエアガン(弾は自然に返る天然素材です)等で
利用者の多い場所に近づいたサルを脅かして、一定の距離を取るように誘導します。
「普及啓発」は、利用者へ野生動物を観察する際の注意点を伝えるものです。
利用者が安全に、そしてサルの人慣れを進める要因を作らないことが大切です。
サルに「利用者が多いところは避けてね。」と言ってもなかなか伝わりませんが、
利用者の皆さんなら、上高地の事を考えて行動してくれます。
「近づきすぎない、エサをやらないで」などのマナーを伝えながら、
上高地のサルの生活も伝えます。ときには道案内や山や花の名前も。
少しずつですが、ヒトとサルが適切な距離を取り戻せるようにできればと思います。
2019年01月09日~新しい年が始まりました!~
国指定藤前干潟鳥獣保護区 管理者(名古屋自然保護官)
皆さま、こんにちは。アクティブレンジャーの山﨑です。
新らしい年が始まりましたね。今年は年末年始、お天気も良く、過ごしやすいお正月となりました。
今年はまだ良い写真が撮れていないので、昨年末の分より藤前干潟の様子をお伝えしたいと思います。
空気の澄んだある日、飛島干潟からきれいに山が見えました。頂上付近には雪がかかり、とってもきれいです。
<写真より、実物はとてもきれいです。>
そして、きれいと言えばこちらも。カモ(オス)の色がどんどん鮮明になってきています。識別がしやすくなり、これからが観察時ですね。これは、ヒドリガモです。護岸近くにやってきて岩についている藻を食べていました。
<そろそろペアでいるカモが多い中、このカモは一羽でした。頑張れ!>
その様子を見ていると、何かをくわえたカラスが近くに飛び降りてきました。よく見ると・・・ 大きなボラを捕まえています。他のカラスに横取りされないように転々と場所を変えながら食べていました。
<この写真の主役はボラ(笑)>
そして、干潟には一羽ぽつんとズグロカモメがうろうろしています。様子を見ていると、カニをゲットしました。くわえたり、落としたりを繰り返しながら、食べてしまいました。
<獲物を探してうろうろしています。> <見事、カニゲット!>
<そして、落とす・・・> <カニがハサミだけになってる・・・?>
最後に、いつもは姿は確認が出来ても、なかなか上手くカメラに収めることが出来なかったメジロです。最近ようやく、木の葉が落ち、シャッターチャンスが到来です!それでも、動きはとてもすばしっこく必死に撮影しました。
<目の周りのアイリングがかわいいですね。> <正面の顔です、ちょっぴりこわい・・・>
皆さんもご存じのメジロは色がきれいでかわいい鳥ですね。ビジターセンター周辺では集団で飛び交っています。
そして、センタースタッフの皆さまの年末の大掃除できれいになった、稲永ビジターセンターと藤前活動センターです。これから数ヶ月すると、また干潟が出る季節となってきます。是非、干潮時間を確認していただき、干潟の風景を見に来て下さい。各センターから眺める風景は格別です。
<稲永ビジターセンター> <藤前活動センター>
本年もどうぞよろしくお願いいたします。皆さまのご来館、お待ちしております。
<レンジャー写真展2018開催中>
国指定藤前干潟鳥獣保護区、白山国立公園、伊勢志摩国立公園、で働く環境省職員「レンジャー」と「アクティブ・レンジャー」が目にする美しい自然を写真で紹介します。
会 場:東邦ガス(株)ガスエネルギー館
日 時:平成30年12月20日(木)~平成31年1月25日(金)10:00 - 17:00
住 所:愛知県東海市新宝町507-2
入場料:無料
休館日:土曜日、祝日(日曜日と重なる場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月5日)
主 催:環境省中部地方環境事務所
2019年01月08日上高地アクティブ・レンジャーの冬
中部山岳国立公園 上高地 関根陽太
すっかり年も明け、久しぶりの投稿です。
本年もよろしくお願いします。
上高地はオフシーズン!
アクティブ・レンジャーはいったい何をしているのだろう?
と不思議に思う方も多いかもしれません。
上高地で越冬? それとも長い冬休み? もしや解雇??
いえいえ、山麓の中部山岳国立公園管理事務所で働いています!
この時期に来シーズンに向けて準備が沢山あるんです!
上高地は開山期を通してマイカー規制がありますが、
毎年この時期に、上高地の関係者・機関が協議会として話し合い、
来シーズンはどのようにするか決めています。
特に混雑する日は、観光バスとマイクロバスも規制しているので、
この日程決めは、特に念入りに打合せが必要です。
中部山岳国立公園管理事務所が事務局を務めているので、
アクティブ・レンジャーもマイカー規制関係の業務を行っています。
ちなみに昨シーズン(4/17~11/15)に何人が上高地を訪れたか想像つきますか?
なんと、約114万人です!
夏休みや連休などは一日に1万人が訪れる日もあります。
みんながマイカーで乗り付けては、駐車待ちと大渋滞で散策どころではありません。
快適に上高地を楽しんでもらうために、マイカー規制にご協力いただいております。
特に夏休みや紅葉の時期、天気のいい連休などは、利用が集中してしまい、
バスやタクシーを待つ長い列ができることがあります。
平日や6月は比較的空いているので、ゆっくりと上高地の景色を楽しめオススメです。
さっそく今年の予定を立ててみてください。
こんにちは。
先日のAR日記に書いた、研修会での内容をざっくり書きたいと思います。
上高地のニホンザルは特別な種類ではないですが、次のような特徴があります。
・極寒の地(冬は-20℃近い日もある)に通年で暮らす
・高山帯に登る(1,500m付近から3,000m峰まで利用する群れもある)
・水生昆虫を食べる
・人間に依存しない
サルの仲間は熱帯地方に多くが分布し、
世界から見ても日本の雪国にサルが生息していること自体が珍しいのです!
そのなかでも、上高地のサルは人間からエサや農作物を得ていなく自立していて、
学術的にも貴重な個体群と言われています!!
そんな貴重なサルですが、
H18頃から売店前の水槽で冷やしていたリンゴを取って食べてしまう案件が多くなってきました。
エサを介してしまうと人慣れが一気に進行してしまい、
他の国立公園や観光地でもみられるように、
人に飛びついたり、物を奪ったりするようになってしまいます。
そこから、上高地関係者と管理官事務所が協力して、
食品管理強化や追い払いの講習会、エサやりの注意喚起を行ってきました。
今年は、管理官事務所の事業の一環で、
自然公園財団に野生生物専門対策員を雇用していただき、
巡視や追い払い、普及啓発活動などを行ってもらいました。
外国人利用者も多いため、英語と中国語で伝えられるボードを作成しました。
このように10年以上対策に取り組んでいる上高地ですが、
人慣れが進み威嚇行動が見られてきたが、直接人間に襲いかかることはほとんどありません。
他地域のように劇的に悲惨な状況にはなっていなく、
なんとか現状維持できていることは取り組みの成果だと思います。
今後も上高地では、追い払いの実施と利用者への普及啓発に地域で取り組んでいこうと思います。
また、近年はハシブトガラスに弁当やおやつを取られる案件も出てきています。
ハシブトガラスは上高地の生態系の一員ですが、
このままではサルと同じように問題となってしまいます。
カラスについても試行錯誤の始まりです。