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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

漂着ごみと藤前干潟

2018年09月10日
国指定藤前干潟鳥獣保護区 西部理恵

皆さま、藤前干潟からこんにちは。

アクティブレンジャーの西部です。

台風21号、北海道での地震と日本列島は各地で大変な被害が出ています。

被災された地域の一刻も早い復興をお祈りするとともに、被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

ここ藤前干潟鳥獣保護区においても、台風21号の際には隣接地域に避難準備情報が出たり、停電が発生するなど、多くの方々が不安な思いをされた1日となってしまいました。

台風21号後の稲永公園内の様子

稲永ビジターセンターのある稲永公園では、大きな松の木が途中からバッサリと折れたり、遊歩道上に木の枝がたくさん落ちていたりで、非常に歩きにくい状態になるなど、園内も影響が大きかったようです。

現在は、名古屋市野鳥観察館前から稲永ビジターセンター前にかけては、施設のスタッフが頑張って片づけてくれたおかげで歩きやすくなっていますが、頭上の折れた枝などが引っかかって残ったままですので、お出かけの際にはお気を付けください。

さて、台風後の藤前干潟の様子を確認するために、全域ではありませんが見回りをしてきました。

鳥獣保護区内でもいろいろなところに台風21号の爪痕を見る事ができました。

地盤がえぐれたヨシ原

<9月6日:地面がえぐれてしまったヨシ原>

藤前干潟鳥獣保護区内 新川護岸 台風21号の後

<9月6日:鳥獣保護区内新川護岸 ペットボトル専用のゴミ捨て場かと思うほどに漂着している>

藤前干潟鳥獣保護区内

<9月6日:鳥獣保護区内庄内川護岸 一見すると、それほどゴミは多くなさそうだが、よく見ると無数のごみ>

藤前干潟鳥獣保護区内 導流提の先端

<9月6日:庄内川と新川の間にある導流提の先端 防波ブロックの合間にも無数のごみ。その先には干潟が広がる>

ところどころで大量のごみが集まる場所があり、中でもペットボトルの量には驚かされました。日ごろからペットボトルのごみは多いのですが、その量が格段に違います。

ある意味では、ここでキャッチされて海へは流れていかないことを良しとするべきなのかもしれませんね。

これが粉々になってマイクロプラスチックになってしまう前に、ごみ拾いなどをして取り除く努力をしなければいけない、と改めて思いました。

ごみの横で休息するカルガモ

<9月6日:漂着ごみの横で休息するカルガモ>

漂うヨシの上で休息するカルガモ

<9月6日:漂うヨシの上で休息するカルガモ>

1027日(土)には、市民ボランティアの皆さんによる藤前干潟クリーン大作戦が実施されます。

皆さま、この機会にぜひご参加ください。

ごみ拾い参加者のためにだけ開催される干潟観察会もありますよ。

詳細は、下記ホームページ、ちらしをご覧くださいね。

●'18秋の藤前干潟クリーン大作戦

'18藤前干潟クリーン大作戦

詳細は、藤前干潟クリーン大作戦実行委員会のHPをご覧ください。

藤前干潟クリーン大作戦実行委員会のHP

ごみの写真ばかりになってしまったので、最後に、最近の藤前干潟にいる鳥たちを少し紹介しましょう。

コチドリ(若)

<9月9日:コチドリ(若い個体)>

比較シリーズ!

カルガモとオオソリハシシギ カルガモとソリハシシギ

<9月9日:左写真は、カルガモとオオソリハシシギ、右写真はカルガモとソリハシシギ>

オオソリハシシギとチュウシャクシギ

<9月9日:オオソリハシシギとチュウシャクシギ、オオソリハシシギの夏羽は腹側がキレイなオレンジ色となりわかりやすいが、今ぐらいの時期から冬羽に変わって来ると、遠目からだとチュウシャクシギとあまり変わらなく見える。嘴は全く違う形をしているので顔をあげてくれるとわかりやすい。>

秋の渡りシーズンでシギ・チドリ類が渡ってきています。

少し涼しくなってきましたので、お天気の良い日にはぜひ藤前干潟へ遊びに来てくださいね。

お待ちしています!