ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年1月23日

3件の記事があります。

2018年01月23日仲間づくり

妙高戸隠連山国立公園 戸隠 アクティブレンジャー 前田久美子

東京は大雪で大事件ですね!

戸隠は・・・先週暖かかったので、恵みの雪です(^^♪ 

 

1月22日(月)、午前午後と打合せに奔走しました。

 

午前中は飯綱町の交流施設である『ZQ(ずく)』に伺って、

ロングトレイル構想のお話をさせていただきました。

 

01ロングトレイルについて@ZQ

 

11月の信濃町のパンフレットの取材をきっかけに、

飯綱町の地域おこし協力隊の方とつないでいただきました。

 

02取材と仲間づくり

 

仕事で関わった方からご紹介いただいて"仲間の輪"が広がっていきます。

こういう"ご縁"を大事にしていきたいです(´▽`)

 

 

午後は信濃町で野尻湖ナウマンゾウ博物館の実行委員会。

3月のリニューアルも目前に控え、着実に会議内容も前進しています。

 

03ナウマン実行委の会議

 

帰りは黒姫駅に寄って、12月にリニューアルOPENした

"信州しなの町観光協会"の観光案内所を見てきました。

 

04観光案内所!

 

内装がとってもオシャレで、パンフレットラックもわかりやすくなっていましたよ!

 

05内装がおしゃれ!

 

そして・・・お!これは、野尻湖ナウマンゾウ博物館のサテライトミュージアム

ナウマンゾウの歯の化石のレプリカなどが置いてあります。

 

06これはー!サテライトミュージアム!

 

国立公園のパンフレットも置いていただいているので、ぜひ立ち寄ってみて下さい♪

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2018年01月23日【実施報告】藤前干潟サイエンスカフェ「フクロエビ類ってなぁに?~ヨコエビをはじめとする小型甲殻類の暮らし~」(藤前干潟ふれあい事業)

国指定藤前干潟鳥獣保護区 吉塚藍

先日、毎月実施している干潟の定点調査にて、小さな小さなカニが見つかった藤前干潟からこんにちは。

アクティブ・レンジャーの吉塚です。

(大きさ3mm前後の稚ガニ。現段階カニの種類については分かっていません。やはり若いと透明感があるんですね...!)

定点調査では毎月決められた場所の干潟の泥をザルで濾して、その中に残った生き物をカウントしていますが、これほど小さなカニが生きた状態で見つかるのは珍しいことです。

今年度は何かと小さな生き物たちと縁がありそうです。

さて、そんな小さな生き物たちと縁が続き、先日1月20日(土)に行われた、藤前干潟サイエンスカフェ「フクロエビ類ってなぁに?~ヨコエビをはじめとする小型甲殻類の暮らし~」について、報告させていただきます。

今回のサイエンスカフェの企画は、西部ARの大学の同窓会がきっかけでした。

恩師に生物多様性の観点から、サイエンスカフェの講師を探しているとお願いしたところ、小型甲殻類を研究している田中先生を紹介され、藤前干潟の底辺を支える小さな生き物の重要性ともテーマ性が合うことからを取り上げてみようと思ったことから始まったもので、当日まで、田中先生と実施内容について何度も打合せを重ねて実現したものです。


(会場の様子。司会は西部AR。)

フクロエビ類?ヨコエビ?

と、あまり聞き慣れない(ちょっとマニアックな)生き物がテーマで、人が集まるのか心配しましたが、なんと当初予定していた20名の定員を超え、40名以上の方にお越しいただきました!!

会場となった研修室が一杯になり、ちょっと狭い中でしたが、最後まで楽しんでいただきありがとうございました。

サイエンスカフェということで、飲み物やお菓子を片手にリラックスして、講師の方や参加者みなさんとともに語り合うというほのぼのスタイルのイベント。

今回は、藤前干潟に何度もおいでになったことのある常連の方だけでなく、干潟や生き物については初心者といった方も多く、また、特にご家族での参加もあり、子どもたちも含め、幅広い年齢層の方々にお会いすることができました。

【講師の田中克彦先生。東海大学海洋学部海洋生物学科講師、博士(理学)でいらっしゃいます。】

田中先生は、普段はフクロエビ類のうちウミクワガタ類に属する小型甲殻類の生態学・分類学を専門に研究しているそうです。藤前干潟でよく見つかるフクロエビ類はヨコエビやウミナナフシが多いので、今回は、先生にウミクワガタ類も含んだ、フクロエビ類全体についてスポットを当てて、お話して頂きました。

「フクロエビ類」というのは、その名のイメージ通り、甲殻類の生き物になりますが、私たちが普段目にするエビやカニ、ヤドカリなどの「ホンエビ類」と同じ仲間ですが、これら「ホンエビ類」とはまた違った特徴を持つ生き物のグループです。

お話では、まず始めに、何故フクロと名前が付いているかの由来の紹介や、もっとも自分たちの身近にいるフクロエビ類は、一体何者になるのかというクイズなどがありました。クイズの答えはなんと!

...陸上にいるダンゴムシ(正式名:オカダンゴムシ)でした!!

「え、エビじゃないじゃん!」と、どこかからツッコミが聞こえてきそうですが、実は身近にたくさんいるフクロエビ類について、こんな感じで、先生のお話に引き込まれてスタート。

その後も、大人から子どもまで、クイズ形式も含め、分かりやすい説明をして頂きました。

またお話だけでなく、先生には当日朝、静岡にある研究室から、たくさんの実物標本や実体顕微鏡、また顕微鏡をモニターに映す機器等をお持ち頂き、参加者みなさんで様々なフクロエビ類を観察することができました。普段なかなか触れる機会がない顕微鏡で生き物を覗いたり、実物標本を観察することは、みなさんとても刺激的だった様子で、フクロエビ類などの生き物についてや、また干潟に興味が湧いたというコメントも頂きました。

(顕微鏡を覗く子どもたちと、スクリーンに拡大された映像を見る参加者の皆さん、横で解説する田中先生。遠くから、たくさんの標本や資材の準備、本当にありがとうございました!)

そして、「フクロエビ類」の中に含まれる、体長数mmの小さな生き物である「ヨコエビ」が、藤前干潟でよく見られることを、ぜひお忘れなく!今後も藤前干潟の小さな生き物のことを身近に感じて頂きたいと思いました。

ちなみにカフェに使用したドリンクは、日頃、藤前干潟の普及啓発にご協力頂いているイオンスタイル名古屋茶屋店さんからご提供頂きました!

(コーヒー、紅茶、ココア、カフェオレ、チョコレート等、たくさんのご提供ありがとうございました!)

また名古屋市野鳥観察館や参加者の皆さんからもお菓子のご提供を頂きました。ありがとうございました。とても寒い時期なので、あたたかい飲み物や甘い飲み物、お菓子等のおかげで、ほっとくつろげる時間を過ごしていただけたように思います。

参加された皆さん、講師の田中先生、イオンスタイル名古屋茶屋店さん、藤前干潟ふれあい事業実行委員会の事務局のメンバー、名古屋市野鳥観察館スタッフ、稲永ビジターセンターのスタッフの皆さん、本当にありがとうございました!名古屋自然保護官事務所メンバーもお疲れ様でした!

(会場の様子。大勢の方に来て頂き、スタッフ一同感激しております!)

尚、チラシにあった生き物の名前は以下の通りです。

左から「ナギサクーマ」、「ドロクダムシ」、「フトヒゲソコエビ」になります。

またサイエンスカフェの様子は、名古屋市野鳥観察館のブログにも掲載されています。

http://blog.goo.ne.jp/kansatukan/e/bca9944e93827b6f1576fbea8e0da5d3

サイエンスカフェを通して、私自身、身近な所にも、まだまだ知らない世界がたくさんあることを実感しました。これからもあらゆる事に目を向けていきたいなと思います。

ではでは、まだまだ藤前干潟 "熱" は止まりません!!

今月もあと少し!イベント情報です。

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<レンジャー写真展2017>

国指定藤前干潟鳥獣保護区、白山国立公園、伊勢志摩国立公園の自然を守るレンジャーとアクティブ・レンジャーが撮影した生き物と風景の写真を展示しています。ぜひお買い物と合わせてご覧下さい。

・期間:1月18日(木)~1月31日(水)

・場所:イオンモール名古屋茶屋内 1Fスーパーレジ横スペース

・料金:無料

・問合:環境省名古屋自然保護官事務所

    TEL 052-389-2877

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

名古屋自然保護官事務所のAR日記へのご意見・ご感想がございましたら、ぜひメールをお願い致します。

→ WB-NAGOYA@env.go.jp

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2018年01月23日長野県内初の氷河 カクネ里雪渓

中部山岳国立公園 後立山 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、

中部山岳国立公園にある「カクネ里(さと)雪渓(せっけい)」(長野県大町市)が「氷河」と認められました。

長野県では初めての氷河です。

このニュースの前までは、日本では富山県の3カ所「小窓(こまど)雪渓」、「三ノ窓(さんのまど)雪渓」、「御前沢(ごぜんさわ)雪渓」だけが氷河と認められていました。

この度、カクネ里雪渓とともに富山県の2カ所の雪渓が氷河と認められたことで、日本の氷河は富山県5カ所、長野県1カ所の計6カ所となりました。すべて中部山岳国立公園内にあります。

・日本の氷河6カ所の位置。丸の大きさは、雪渓の大きさを反映したものではありません。

・写真撮影位置は下で紹介する3枚の写真の撮影位置です。氷河は他の場所からも望むことができます。

・図は上が北。

では、それぞれの氷河を紹介します。

■カクネ里雪渓

・長野県大町市にあり、鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)の北東の谷に位置します。

<写真中央に「く」の字に灰色っぽく見えるものがカクネ里雪渓です。秋に撮影したので雪渓の面積は小さくなっています。中央の高いところが鹿島槍ヶ岳の山頂部です。撮影場所は遠見尾根の中遠見山付近。平成28年10月4日撮影。>

■御前沢雪渓と内蔵助(くらのすけ)雪渓

・富山県立山町にあり、雄山(おやま)などからなる立山の東斜面に位置します。

<御前沢雪渓は雄山付近の谷に、内蔵助雪渓は富士ノ折立と真砂岳(まさごだけ)の間の谷に位置します。撮影場所は岩小屋沢岳(いわこやさわだけ)付近。平成24年7月19日撮影。>

■小窓雪渓と三ノ窓雪渓

・富山県立山町にあり、剱岳(つるぎだけ)山頂から北に延びる岩稜の東斜面に位置します。

<剱岳から北に延びる岩稜でみられる深い切れ込みは「窓」と呼ばれており、小窓雪渓は小窓谷に、三ノ窓雪渓は三ノ窓谷にあります。撮影場所は種池(たねいけ)小屋から岩沢小屋岳にかけての稜線。平成24年7月19日撮影。>

ここまで日本の氷河6カ所のうち5カ所を写真で紹介しました。

しかし、残り1カ所の「池ノ谷(いけのたん)雪渓」の写真はありません。というのも、池ノ谷雪渓は長野県側(私の担当している区域)から見えないためです。

さて、皆さんも6カ所の氷河を見たいとお考えかもしれません。

6カ所のうち内蔵助雪渓は登山道があるので雪渓に立つことができます。しかし、ほかの5カ所は一般の登山者が近づくことは困難です。

となると、氷河を見ることができる登山道を歩くということになります。上で紹介した写真は、すべて大町市と他市町村の境界である稜線上の登山道から撮影したものです。

次のグリーンシーズン、氷河を望む大町市の稜線を歩いてはいかがでしょうか。

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