ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2017年12月14日

2件の記事があります。

2017年12月14日鴨の羽色

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 吉塚藍

あたたかく着込み、時に冷たい風を浴びながら、冬の干潟を眺める散歩もなかなか乙です。

そんな藤前干潟からこんにちは。アクティブ・レンジャーの吉塚です。

(事務所がある稲永公園にやってきたカワラヒワ)

朝晩が冷えてきて、さすが師走。今年もあと少しです。

冬になると、藤前干潟では昼の間、干潟が見える時間帯が少なくなっています。

しかし冬の今は多くのカモの仲間が越冬のためやってきて、のんびりと過ごしています。

干潟に入るのに気合いが必要な冬は、干潟の傍でのんびりカモウォッチングをするのもおすすめです。

突然ですが、日本の伝統色の中に「鴨の羽色」または「小鴨色」、「鴨羽色」と呼ばれる色があります。

ネットで調べればすぐに出てくる時代ですが、どんな色だと思いますか...?

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............ヒントはマガモです。

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............さらにヒントはマガモのオスです!

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答えは...青緑っぽい色です。(ぜひ調べてみてください♪)

鴨の羽色はマガモのオスの頭の綺麗なグリーンに由来している説が有力です。

こんな風に日本の伝統色には、自然の草花や動物の色に由来していることが多いので、色名を見て、昔親しまれていた生き物を思い描いたりできます。

しかし!観察すると、実際のカモたちにはたくさんの種類がいて、たくさんの色があります。

(お馴染みのカルガモたち(混ざっています))


(赤い頭が綺麗なヒドリガモ


(尾羽がピンと長いオナガガモ


(他のカモと比べて、名前の通り小さいコガモ


(落ち着いた色で、個人的にまだ見分けるのが難しいオカヨシガモのカップル)


(水中に潜って餌を採るのが上手なスズガモとキンクロハジロ


(今年の春に突然やってきた、藤前干潟では珍しいコオリガモ♀)

また先日、西部ARがハシビロガモの撮影をしていました!

ホシハジロなども今、藤前干潟に来ています。

その他、藤前干潟には来ないオシドリ、オオハクチョウやマガンなどもカモの仲間です♪

カモは身近な鳥のひとつだと思いますが、藤前干潟に来てから、カモの仲間は想像していたより多く、なかなか出会えない珍しいカモもいることを知りました。

羽の色や体の特徴、食べるものも違っていて...。

メスについては、オスよりさらに特徴が分かりにくく...。

全ての種類を見分けることは、カモの仲間だけに絞ってもとても難しいです。。

たくさんのカモを見るなら、今がチャンス!

ぜひカモ好きな方も、そうでない方もCome on!!

藤前干潟に遊びに来てください。そして自分だけの印象的な鴨の羽色を見つけてください♪

ではでは!近日の藤前干潟イベント情報をご案内します!

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藤前干潟サイエンスカフェ

フクロエビ類ってなぁに?~ヨコエビをはじめとする小型甲殻類の暮らし~

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藤前干潟に1日だけのカフェがオープン!!

海の中の不思議な生物のことを学びませんか?

飲み物片手に講師と参加者のみなさんで、語りあいましょう。

☆飲み物やお菓子の持ち込み大歓迎!

◆日時:2018年1月20日(土)14:00~15:30

◆会場:稲永ビジターセンター 1階 研修室

    (名古屋市港区野跡4-11-2)

    ※あおなみ線「野跡」駅下車 徒歩15分

◆定員:20名(要事前申込:1月14日(日)〆切)

◆費用:無料

◆申込・問合せ:「参加者氏名」「住所」「電話番号」をメール、はがき、またはFAXでお申込ください。

        名古屋自然保護官事務所

        〒455-0845 名古屋市港区野跡4-11-2

        TEL:052-389-2877 FAX:052-389-2878

        アドレス:WB-NAGOYA@env.go.jp

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2017年12月14日伊勢志摩を外国人観光客にも、楽しんでもらうために②

伊勢志摩国立公園 麻生里衣

いつもの内容と変わって、今回は観光地としての国立公園についてです。


伊勢志摩国立公園は、世界水準の「ナショナルパーク」としてブランド化し、より多くの訪日外国人に来てもらうための活動に取り組んでいる国立公園の一つです。その活動の一環として、11月に4名の外国人アドバイザーを招いて、外国人対応を行っている或いはこれから行おうとする9つの事業者さんを訪問するツアーが実施されました。


伊勢志摩国立公園は96%以上の面積が民有地で、この地域には古くから人々の文化や歴史、信仰があり、それらが自然と共に見られることが大きな特徴の一つです。海女文化や御食つ国としての食文化、地元の大切な産業である真珠養殖などは、伊勢志摩の豊かな自然に支えられています。

今回は、志摩自然学校さんの「志摩の国 ガイドウォーキング ~灯台と石積みのある波切漁村を歩く~」について書きたいと思います。

大王 志摩自然学校 ツアー

「絵描きの町」としても知られる大王町。

とっても絵になる石積みの街並みを歩きます。

天候にも恵まれ、青空を映して海が青く輝きます。

波切 海

小高い丘の上に、タイムスリップしたかのような歴史を感じる建物が見えてきました。

こちらは、波切節「かつおの天ぱく」さんの鰹いぶし小屋です。

波切節 鰹節 天白 見学

歴史を感じる、趣のある建物です。

波切節 鰹節 天白 見学

白煙が漂う小屋の中で、天ぱくのご主人のお話が始まります。

波切 鰹節小屋 見学

この志摩市大王町にある波切は、志摩市磯部町にある「伊雑宮」が奈良時代に建てられた頃から、鰹漁が盛んに行われていた場所だったのだそう。

奈良時代、ここ波切(なきり)は「魚切里」と書かれており、鰹節はこの地域の重要な産業だったといいます。その頃から、この地で作られた鰹節が伊勢神宮の御食(お供え物)として奉納されてきたのだといいます。

そして大切なのが、この薪木!

これば「ウバメガシ」という、この辺りではよく目にする木で、備長炭の材料になります。

ウバメガシ 鰹燻小屋

古くから「里山」として利用されてきたこの地域の森では、人の手が入ることによって自然のバランスが保たれてきました。ウバメガシを薪として使う鰹節小屋の存在が、里山管理に貢献してきたのでしょう。

自然の恵みを受けて育った鰹やウバメガシの木を使い、作った鰹節を神宮の神々に供え、そして自分たちもその後頂く、という営みが昔から脈々と受け継がれてきたことを感じました。

この日本特有の精神性には、外国人アドバイザーたちもとても感心したようです。

かつお燻し小屋を後にし、お散歩は続きます。

ガイドさんが大王崎灯台の見えるロケーションに連れて行ってくれました。

大王崎 灯台 波切

各地に様々な文化がある日本ですが、中には時代の変化と共に失われようとしているものもあります。

そういう魅力を外国に発信していくことで、守っていくお手伝いを出来たらいいなと感じました。

↓今回ご紹介した、波切ツアーに関するお問い合わせはこちら↓

* 志摩自然学校 *

http://www.shima-sg.com/

* 波切節「かつおの天ぱく」 *

http://www.katuobushi.com/

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