ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2017年8月 9日

3件の記事があります。

2017年08月09日知ってる?使ってる? 白山の自然を守る便利アイテム!

白山国立公園 大石佳織

みなさん、こんにちは。

夏ですね。白山では花が咲き乱れ、木々の緑が濃く、植物の生命力を感じます♪
砂防新道 十二曲り付近の花々
(砂防新道の花々。8月3日撮影)
お庭や道路の草も元気よく育って・・・草抜き・草刈りは大変ですね(涙)

さて、突然ですが、ここでクイズです!!
第1問。
市ノ瀬ビジターセンター前のバス停に設置されているコレ(↓↓↓)なーんだ?
市ノ瀬ビジターセンターのバス乗り場に設置されたマット
(市ノ瀬ビジターセンター前のバス乗り場に置かれたマット。)
バス乗り場にあるから「バスを汚さない」ために置かれた足ふきマット???
いえいえ、そうではありません。
だって、山の中にもあるんですもの。


南竜ヶ馬場に設置されたマット
(白山の山中に現れるマット。南竜ヶ馬場で撮影)
こちらのマットは別当出合の登山口から3時間以上登ってようやくたどり着く南竜ヶ馬場(なんりゅうがばんば 標高2,070m付近)にあります。
謎が深まりますね。

では、第2問!
白山の登山口や登山道にときどき現れる コレ(↓↓↓)なーんだ??
山に現れたブラシ
(いろんな種類のブラシが並ぶ。三ノ峰避難小屋で撮影)
デッキブラシや洗車ブラシなど様々なブラシがありますが、もちろん床掃除や洗車用に設置しているわけではありません。


さあ皆さん、2問ともわかりましたか??
実はこれらのマットやブラシは、白山の自然を守るために設置されたアイテムです。

では、何から守るのでしょう??
答えは「外来植物(がいらいしょくぶつ)」。
白山でいう「外来植物」とは、白山に「もともといなかった植物」のことです。

外来植物が白山で広がると、次のようなことが起こってしまいます。
『もともと白山にいた植物が育つ場所を奪って、高山の景観を変えてしまう!!』
『高山植物と雑種を作って、もともといた高山植物がなくなってしまう!!』
このため、白山に外来植物を「侵入させない」、「分布を広げさせない」対策が必要になります。

そこで登場するのが、クイズに出てきたアイテムたちです。

外来植物は、私たちの登山靴などにタネがくっついて白山に運ばれてきます。
このため、皆さんに登山口や登山道の要所に設置されたマットやブラシを使って、外来植物のタネを落とすよう お願いをしています。

ちなみにブラシは、バランス感覚の優れた人用(?)の柄の短いタイプ、足の長い人用(?)の柄の長いタイプ、その中間タイプと3種類ご用意していますので、お好きなタイプを使ってくださいね♪
ブラシの使用例
(使用例:ブラシで登山靴をゴシゴシ。外来植物のタネを落とします。)

白山の自然を大切にしてくださるすべての皆さま、
マットやブラシを見かけたら、ほんのちょっと足をとめていただいて、
靴についた外来植物のタネを持ち込まない・広げないための行動を一緒に取りませんか?
南竜ヶ馬場の種子除去マット
(マットでは靴の泥をしっかりぬぐって、タネを落としてくださいね ♪)


――― 登山道 通行止め情報 ―――――――――――――――――――――――――――――
砂防新道(別当出合から白山室堂へ向かう登山道)の下り専用区間は、台風の影響によると思われる落石と土砂崩落のため、通行禁止となっています。
下山時も登り専用区間を使用していただきますようお願いいたします。
なお、登り専用区間は幅員が狭く、傾斜も急なので、下山利用時は特にご注意ください。

詳細は下記をご確認ください。
中部地方環境事務所_【お知らせ】砂防新道(別当出合弥陀ヶ原線道路(歩道))下り専用区間の土砂崩れによる通行禁止について(白山へ登られる皆様へ)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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2017年08月09日【実施報告】藤前干潟ふれあい事業 干潟の泥であそぼう

国指定藤前干潟鳥獣保護区 西部理恵

台風5号が去り、すっかり晴れて青空の藤前干潟から、こんにちは。

アクティブレンジャーの西部です。

ヨッシ―撮影 チュウシャクシギ

写真はヨッシ―こと吉塚ARが8月4日の巡視で撮影したチュウシャクシギ。

まさに降り立つところを激写!チュウシャクシギって背中の羽が白いんですね!

さて、8月8日(火)は、藤前干潟ふれあい事業「干潟の泥であそぼう」を実施しました。

とはいえ、台風5号の影響で、前日には東海地方各地で暴風、波浪、大雨警報などが発令されたため、干潟に入るのは難しい状況になってしまいました・・・。

参加者の皆さま全員に、当日は雨天プログラムを実施予定とのお知らせをいたしましたが、皆さん大変楽しみにしていただけに、ちょっと残念。

今日は、そんな中、実施した「干潟の泥であそぼう」について報告したいと思います!

●当日スケジュール(雨天プログラム)

10:20~ オリエンテーション、アイスブレイク

10:30~ DVD鑑賞

藤前干潟の場所と概要についての紹介

干潟の泥をさわって観察、ヤマトシジミの浄化実験などなど

10:40~ 藤前干潟 生きものカルタ作り!

11:20~ 石ころ干潟で生きもの観察!

12:00  終了

まずは、とにかく干潟に入れなくても集まっていただいた参加者の方に、少しでも生きものに触れてもらおう!と、事前にスタッフが、藤前活動センターの前の石ころ干潟で、カニなどの観察が出来るかどうか、増水による影響や危険物は流れ着いていないか、、、などをチェックした後、まずは雨天プログラムを行い、その後の天候の回復状況を見て、石ころ干潟の観察ということに決定しました。

雨天プログラムでは、今回のテーマである「干潟の泥」を触ってもらったり、藤前干潟の代表的な生きものであるヤマトシジミを使った水の浄化実験を子供たちに手伝ってもらって行いました。

<参加者の二人に手伝ってもらって、ヤマトシジミの浄化実験中>

その後、「藤前干潟 生きものカルタ作り!」を実施。

読み札(文字の書いてある札)と、とり札(絵の書いてある札)を親子で協力して作ります。

藤前活動センターには、

・1階には、常設展示として水槽の生きもの展示

・屋外には、船水槽(本物の木船を水槽代わりにして生きもの観察が出来る!)、

・2階には、7月30日からスタートした「ガタモン・ワールドにようこそ!」という干潟の小さな生きものたちにスポットをあてたパネルによる解説と、生きもの水槽の展示

があります。※ガタモンとは、干潟のモンスターを略したものでセンタースタッフが考えた造語

それらの展示をよーく観察したり、図鑑を見ながら、みんな一生懸命にカルタを作っていました。

出来上がったカルタがこちら!

30分という短い時間でしたが、素敵なカルタが出来上がりました!

今回は、石ころ干潟での観察も行うスケジュールに変更したので、カルタ作りの時間としては少し短い時間となりました。そのため、時間内に色が塗りきれなかったお友達もいましたが、読み札、とり札ともに無事作成することが出来ました!

色を塗って完成させたカルタが出来上がったら、ぜひ名古屋自然保護官事務所まで写真を送ってくださいね。

さて、みんなでカルタを見せ合った後には、いよいよ、石ころ干潟の観察にレッツゴー!

事前の連絡で、天候の回復次第ではもしかしたら屋外で生きもの観察が出来るかもしれないことをお伝えしていたこともあり、「帽子・タオル・水筒」の干潟の3種の神器は、皆さんしっかり持って来ていただいたので、準備は万全、さっそく出かけることが出来ました。

<見つけた生きものをみんなでシェアして観察中>

たくさんのカニやヤドカリ、貝などを発見することが出来ました!

最後に、ヤマトシジミの浄化実験結果を確認!

どうなったのでしょうか!泥水はきれいになったかな!

アンケートでは、やっぱり泥干潟に入りたい!という意見は多かったものの、

・今日は生きもの観察が出来ると思っていなかったので良かった、

・カルタ作りが楽しかった!

といった意見が聞かれ、スタッフ一同、ほっとしました。

プログラムにご参加くださった皆様、ありがとうございました!

さて、私たち名古屋自然保護官事務所では、藤前干潟ふれあい事業の夏の体験イベントをもう一つ企画しています。既にお知らせしていますが、8月22日(火)に実施する「干潟を音であそぼ」貝がらとヨシで打楽器づくり、です!

まだ受付中ですので、お近くの方はぜひお申込みください!

そして、やはり泥や砂の干潟にも入ってみたいという皆さまには、今後の干潟体験の予定をお知らせします。

1)8月20日 環境学習プログラム 夏休み!干潟観察会 ~ガタモンを探せ!~

  日時:820日(日)10001200

  場所:藤前活動センター(港区藤前2-202)

  定員:20名(先着)

  参加費:大人200円、小中学生100円、幼児無料

  電話:052-309-7260

  ※現在、参加者受付中(先着順のため、センターにご確認ください)

2)923日 環境学習プログラム 干潟の生きもの観察会

  日時:923日(土)13301530

  場所:稲永ビジターセンター(港区野跡4丁目112号)

  定員:20名(先着)

  参加費:大人200円、小中学生100円、幼児無料

  電話:052-3895821

  ※99日より参加受付開始となります。

※そのほか、干潟体験のプログラムについては、

 稲永ビジターセンター、藤前活動センターまでお問い合わせください。

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2017年08月09日創造の森・横山でオオフサモ防除

伊勢志摩国立公園 麻生里衣

6月と7月、横山園地のため池にて、特定外来種の「オオフサモ」の防除作業を、伊勢志摩国立公園パークボランティアのみなさんと一緒に行いました。

赤い★が防除作業を行ったため池です。

この池では環境省の特定外来種にも指定されている「オオフサモ」が増殖し、もともと近隣に生息している在来の藻などの生育を阻んできました。

こちらが、オオフサモです。

オオフサモ

切れやすい地下茎を少しでもとり残すと、すぐにそこから新しい芽が出てきます。

6月の作業前の様子がこちら。

この時期は雨の日が続いたため、水が濁り水量も多い状態でした。

横山 創造の森 オオフサモ

池では、所々に在来の水生植物がみられ、アカハライモリやツチガエルもたくさん見られました。

そして、7月の作業前の様子がこちら。

なんと!以前とは池の色が全く違います。

横山 創造の森

7月は雨が少なく、水深も浅く水は透き通っており、在来の「オオトリゲモ」が、池の底一面を覆っています。深い緑色がとっても綺麗です!

早速、オオフサモの防除に取り組みます。

池に降りるとまず現れたのがツチガエル。藻の上に乗って顔を出しています。

ツチガエル 横山

そしてトノサマガエルも顔を出します。

トノサマガエル 横山

この時期、池には様々な種類のトンボも飛び交っています。

こちらは、鮮やかな赤色のショウジョウトンボ。

ショウジョウトンボ 横山

詳しい種類はわかりませんでしたが、お尻のあたりに水色の線が2本入った、イトトンボの一種もいました。

イトトンボ 横山

つがいで仲良く飛んでいる姿も。

イトトンボ つがい

ボランティアさんたちも、とても熱心にご協力してくださいました!

横山 パークボランティア

そして、終了後の池がこちら。

さすがのオオフサモもかなり少なくなりました!

横山 ため池 オオフサモ駆除

こうやって、この池が再び在来の動植物の貴重な生息地として再生できたのも、長年オオフサモ駆除のために協力してくださっている人々の努力の「結晶」のように感じました。

今後も、この池と池に住む動植物を見守っていければと思います。

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