ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2017年5月

35件の記事があります。

2017年05月24日白山開山に向けて少しずつ準備しています!

白山国立公園 大石佳織

みなさん、こんにちは。
ここ数日、気温の高い日が続いていますね。
新緑の季節で外に出る機会が増える方もいらっしゃると思いますが、熱中症対策をしっかりして体調にお気をつけくださいね。

さて、5月21日(日)に白山国立公園パークボランティアの皆さんと今シーズンの白山夏山シーズンに向けた準備作業をしてきました。

場所は石川県白山市にある「別当出合」です。
夏山シーズンには、ここから砂防新道や観光新道などを通って多くの登山者が白山山頂を目指す登山口です。
(※市ノ瀬から別当出合の道路は5月24日に冬期通行止め解除)
(※利用集中期はマイカー規制が実施されます。詳細は下記【マイカー規制について】をご覧ください。)

別当出合からは「大長山(おおちょうさん 標高1,671m)」や「不動滝(落差約70m)」などを見ることができ、山に登らない方も景色を楽しめる場所になっています。

(別当出合の駐車場から見た大長山。5月12日撮影)

この日は別当出合周辺や駐車場の清掃等を行いました。

ひと冬を越した駐車場には、落ち葉、枝、石などがたくさん落ちていました。
側溝にも落ち葉がたっぷり!!!
見たくなかった・・・と後ろ向きな考えが一瞬よぎったのは私だけではなかったはずです。

(びっしり詰まった落ち葉とそれに挑むパークボランティア。5月21日撮影)

しかし、白山を愛するパークボランティアの皆さんはすごい勢いで落ち葉をかき出していき、あっという間にきれいになってしまいました!

(きれいになった側溝。5月21日撮影)

駐車場もこの通り!

(上:作業前、下:作業後。5月21日撮影)

周辺のゴミ拾いでは下の写真のようなものが集まりました。

(別当出合周辺で拾ったゴミ)
ビールなどの空き缶13個、ペットボトル3個、インスタントみそ汁のカップ5個のほか、テーピングテープ、おにぎりやお菓子の包みなど様々なものが・・・。

ほとんどの方はゴミを持ち帰ってくださっていますが、こうしてゴミが集まってしまうのは少し寂しいですね。
今シーズン、白山登山を予定されている皆さま、ゴミを一つも落とさないことを目標に登ってみませんか?


**【 マイカー規制について 】**********************

別当出合への道路は、利用者が集中する夏期にマイカー規制を行っています。
マイカー規制期間中は、別当出合から約6km下ったところにある市ノ瀬にマイカーを駐車し、シャトルバスに乗換えて別当出合に向かうことになります。

詳細は石川県ホームページ「 白山国立公園 平成29年度 白山登山ピーク時の交通規制 パーク・アンド・ライドによるマイカー規制」をご確認ください。
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**【 登山届について 】*************************

白山に登山される際は登山届をご提出ください。
■ 岐阜県
 平成28年12月から登山届けの提出が義務づけられています。
 詳細は 岐阜県ホームページ「岐阜県北アルプス地区及び活火山地区における山岳遭難の防止に関する条例」をご確認ください。
 
■ 石川県
 平成29年7月から登山届けの提出が義務づけられます。
 詳細は 石川県ホームページ「石川県白山における火山災害による遭難の防止に関する条例が公布されました」をご確認ください。

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2017年05月23日ホトケドジョウの調査

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

伊勢志摩国立公園パークボランティア連絡会では

志摩市阿児町にある農業用水路において

ホトケドジョウのモニタリング調査を平成17年から行っています。

ホトケドジョウは環境省のレッドデータブックで

絶滅危惧ⅠB類に記載されている魚で、

湧き水のあるような水辺にくらしています。

5月18日に今年の調査を実施しました。

調査は決められた地点において5人で一斉に10分間採集し、

採集された生物の種類や数を記録しています。

こんな狭い場所でも、きちんと5人で調査します。

これがホトケドジョウです。

これはドジョウです。

これはシマドジョウです。

調査では上記の3種類のドジョウの他に

カワムツやヨシノボリ、サワガニ、ヌマエビ、ヤゴなど

全部で50種類くらいの生物が確認されています。

しかし、この調査地では湿地の乾燥化が進んで

ホトケドジョウの生育地が消滅してしまった場所もあります。

継続調査の結果から、ホトケドジョウの数や生息地点の数は

減少していることが明らかになっています。

今後はこの調査結果を生息地の保全につなげていくことが課題です。

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2017年05月23日夢見平、雪解けです!

妙高戸隠連山国立公園 アクティブ・レンジャー 帖地千尋

521日笹ヶ峰にある夢見平遊歩道にて「笹ヶ峰夢見平エコトレッキング」が行われ、妙高高原地区の14名のパークボランティアがガイドとして参加したので同行してきました。

森林セラピーロードにも指定されている夢見平遊歩道は4㎞コースと10㎞コースの2つのコースがあります。冬は数メートルの雪に覆われており、今はコースの3分の2くらいが雪消えしたばかり。春を迎えた夢見平の様子をお届けします。

◆乙見湖と残雪の焼山、金山◆

乙見湖と残雪の焼山、金山、天狗原山

 

◆カタクリ咲く小道◆

カタクリ咲く小道

 

◆カラマツの芽吹き◆

カラマツの芽吹き

 

◆エゾエンゴサクの群落◆

エゾエンゴサクの群落

 

◆夢見平湿原のミズバショウと残雪残る三田原山◆

夢見平湿原のミズバショウと三田原山

 

このほかにエンレイソウやリュウキンカ、キクザキイチゲ、ショウジョウバカマ、コシノカンアオイなどが沢山見られました。サンカヨウやニリンソウなどの見頃はこれからになりそうです。野鳥ではジュウイチやツツドリ、メボソムシクイ、センダイムシクイ、ウグイスなどの声が聞こえていましたよ。

 

また、遊歩道上はカツラやハルニレ、ブナなどの長い年月を生き抜いた巨木も随所にあり、若葉を芽吹きする様子は生命力にあふれ、訪れる人に元気を与えてくれます。

◆ブナとミズナラが200年に渡り相生する「縁結びの木」にも芽吹き◆

ブナとミズナラの相生する縁結びの木にも芽吹き

 

残雪や雪解け水、ぬかるみがある場所もあるので長靴は必須ですが、春の自然を堪能できる夢見平へどうぞお出かけください!

 

◆番外編:雪消えし姿を現した仙人池と妙高山◆

雪消えし姿を現した仙人池と妙高山

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2017年05月23日シニア大学で出張講座

妙高戸隠連山国立公園 戸隠 アクティブレンジャー 前田久美子

もうすぐ6月ですが!なぜこんなに暑いんだ!

というくらい暑いです・・・!長野は30度超えです・・・!

 

そんな日ですが、今日は長野県シニア大学の長野学部で出張講座を行ってきました。

シニア大学とは、シニアの皆さんが地域社会の一員としての自覚をもって地域とかかわることができる人材育成を目指している公開講座です。

01シニア大

 

国立公園の成り立ちから外来生物の話まで内容もりもり!それでもみなさんとても真剣に聴いて下さいました!ありがとうございました!

02シニア大

 

昨年から講義をさせていただいていますが、毎回生徒さんの雰囲気や飛び出す質問も違うので、とっても勉強になります!

03シニア大

 

今年は、実物を使いながら携帯トイレのお話もさせていただきました。

04シニア大

 

山に行くならリュックに1つ携帯トイレ♪よろしくお願いしますね♪

 

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2017年05月23日まだまだ豊富な雪。スキーができます。

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、上信越高原(じょうしんえつこうげん)国立公園の志賀高原地区担当です。

志賀高原の標高の高いところでは、まだまだ雪が豊富です。まだ営業中のスキー場があります!!

滑り足りないと感じておられる皆様、最後の滑りにお出かけください。


<渋峠のスキー場の営業は今週がラスト。撮影地点の標高は約2,150m。5月16日撮影。>



さて、上はスキー場の写真ですが、山の中はどうでしょう。

5月17日に、硯川から四十八池湿原(しじゅうはちいけしつげん)まで1時間ほど歩いて向かいました。四十八池湿原の標高は約1,890mです。


<四十八池湿原に向かう。写真奥に向かって無積雪期の道が続いていますが雪が積もっているので地面を見ることができません。積雪は約1mでした。結局、ほとんどの区間は雪の上を歩きました。>


<四十八池湿原の脇にある休憩所。ここも約1mの積雪。柱の周りから雪が溶け始めているのが面白い。>


<環境省が整備した公衆便所。雪による被害はみられませんでした。>


<四十八池湿原内は雪が溶け始めているところも見られました。湿原内を歩く際は雪の上を歩いて、植生の上を歩かないようにお願いします。木道が見える場合は木道を歩いてください。>



志賀高原の標高の高いところではまだ雪が豊富ですが、標高およそ1,500mの志賀高原自然保護官事務所の周辺では雪が溶け、春に向けて季節が変わりつつあることを感じます。


<志賀高原自然保護官事務所のすぐ近くにある蓮池。一面を厚く覆っていた雪はほとんど溶けました。>



6月になると開山祭が行われグリーンシーズンが始まります。また、志賀高原のソウルフードとも言われるネマガリタケのタケノコの季節ももうすぐです。景色だけでなく食も楽しみに志賀高原にお出かけください。

なお、志賀高原でタケノコを採取できるのは土地所有者が許可した限られた人のみです。一般の方の採取は原則禁止ですので、ご注意ください。



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2017年05月23日白馬村のギフチョウ

中部山岳国立公園 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、中部山岳国立公園の後立山地区からです。

北アルプス(飛騨山脈)の北部、長野県の大町市、白馬村、小谷村、新潟県糸魚川市のエリアを担当しています。


5月19日に白馬村で「ギフチョウ、ヒメギフチョウなどのパトロール」に参加しました。

参加者は、白馬村教育委員会(主催者)、白馬村の文化財保護監視員と関係する行政機関など合わせて10名でした。

ギフチョウとヒメギフチョウは白馬村の天然記念物になっています。ギフチョウ、ヒメギフチョウが舞う今頃の時期に生息地に行き、成虫(チョウ)の数や産み付けられた卵の数を確認したり、チョウを採取している人がいないか見て回ったりします。

地域の方が主体的に行うこのような活動によっても、国立公園の自然環境が保たれています。


<写真中央のエメラルド色の丸いものがギフチョウの卵で、11個あります。卵の直径は1mm程度です。卵が産みつけられている葉はミヤマアオイという植物の葉です。卵からふ化した幼虫はこの葉を食べます。>


<ギフチョウ。平成26年に撮影したもの。今回は写真を撮影できるほど近くを飛ぶことはありませんでした。>


白馬村では、ギフチョウとヒメギフチョウは文化財保護条例により天然記念物に指定され、捕獲が禁止されています。また、採集した場合等に10万円以下の罰金等の罰則があります。

無許可でギフチョウまたはヒメギフチョウを採集している方を見かけましたら、白馬村教育委員会にご連絡をお願いします。



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2017年05月23日ニリンソウが見頃です!

中部山岳国立公園 佐藤怜子

ここ数日はぐっと気温も上がり、今までのんびりゆっくり歩きだった季節さんが、急にすたすた早足になりました。上高地の植物たちは季節さんに先導されて、あっちもこっちも大忙しで顔を出しています。

今は丁度ニリンソウが見頃を迎えています。

★満開のニリンソウ★

★若葉を太陽に透かして見れば~★

若葉を下から見上げてみると、光を浴びてキラキラの黄緑の中に葉脈がくっきり!

この直後、思わずてのひらを太陽に透かしてみてしまいました♪

午後には、晴天の午前からは思いもよらないような大雨が降りました。

山の天気は変わりやすいので、お出かけの際は気を配るようにしてくださいね。

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2017年05月22日白山周辺には豊かな自然がいっぱいです!ミチノクフクジュソウの話

白山国立公園 大石佳織

みなさん、こんにちは。
白山自然保護官事務所の周辺も新緑の季節となり、事務所横に生えているキリの花が咲きはじめました。


さて、今日は先月のお話をします。
4月25日、
福井県勝山市小原地区で、勝山市立村岡小学校6年生によるミチノクフクジュソウ観察会が小原ECOプロジェクトなどの協力のもと実施され、白山自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーもお手伝いに行ってきました。

ところで皆さんはミチノクフクジュソウってご存知でしょうか?
フクジュソウなら知っているという方もいらっしゃると思います。
私は今回の活動で初めて見ました。

ミチノクフクジュソウは福井県では勝山市小原地区にのみ生育する植物で、地元の方の手によって大切に守られています。


(ミチノクフクジュソウ。4月25日撮影)

フクジュソウとの見分けポイントは「がく」と「花弁(花びら)」です。
がくが花弁の半分程度の長さなのがミチノクフクジュソウです。

(ミチノクフクジュソウの花弁とがく。4月25日撮影)
フクジュソウの場合は花弁とがくの長さが同じくらいだそうですよ。

村岡小学校の生徒は環境教育の一環として平成20
年からミチノクフクジュソウ保全活動に参加し、花やつぼみの数などの記録と観察を続けています。

(花とつぼみの数を数える生徒。4月25日撮影)
5年生のときにも保全活動をしたという生徒たちは、初めてこの場所を訪れた私に、下草刈りや看板の設置なども行われていることを教えてくれました。


この春のミチノクフクジュソウのシーズンは終わってしまいましたが、来春も可憐な黄色い花をたくさんつけて、生徒たちを迎えてほしいですね。

このように白山周辺には地域の方が守る豊かな自然がたくさんあります。
登山はしないという方も、白山山麓に広がる自然を楽しみに遊びに来てはいかがでしょうか?

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2017年05月19日それとこれとは別!?

国指定藤前干潟鳥獣保護区 吉塚藍

GWが明けて初夏を迎え渡り鳥が増えてきた藤前干潟からこんにちは。

アクティブレンジャーの吉塚です。

(岩場で休憩中のチュウシャクシギ)

今回はある日、稲永スポーツセンター近くにある干潟にやってきたチュウシャクシギという鳥のお話です。

夕方になってから3羽のチュウシャクシギがやってきました。

チュウシャクシギは1羽だけで過ごしていることもあるし、人から遠い所では安心するのかたくさん集まっていることも多くあります。

ちなみに私が近くでよく見かけるのはトリオでいることが多いです。

そしてこのトリオはどうやらここにたくさん棲んでいるカニたちを食べにやってきたようです。

チュウシャクシギはカニを丸呑みするのですが、器用にくちばしでカニの足を外して飲み込みます。

降り立ったらそれぞれにカニを探して、見つけては捕まえて、見つけては捕まえて食べてを繰り返していました。

じーっと観察していると。トリオの中の1羽が何か見つけたようです。

(左のチュウシャクシギが干潟の穴を覗いているようです。)

ちょっと深い穴かな?大物でも見つけたんでしょうか?

するとその様子に気付いたもう1羽が近づいてきました。

(右側のチュウシャクシギが気付いて左側のチュウシャクシギに近寄っていきます。)

その後、右のチュウシャクシギが左のチュウシャクシギに一気に近づいたかと思えば・・・・・・次の瞬間っ!!!!

・・・えっ!

・・・えぇーーーーっ!

そんな・・・。

微笑ましい仲良しトリオだと勝手に思い込んでいましたが・・・

見てはいけないものを見てしまった・・・という気持ちに。

ある場面になると性格が変わるというのは、すべての生きものに通じるものかもしれません。。

しかしその後はまた何事もなかったかのようにトリオで餌を探し始めました。

もしかしたらじゃれ合っていたのでしょうか?真相はわかりません。

このように生きものの感情や心情を知ることは(人間同士でも・・・)難しいことかもしれませんが、観察を続けているとなんだか思わずびっくりするような展開や共感してしまうことにめぐりあうことがたくさんあります。

また同じ種類でも1羽1羽で性格に違いがあるように思います。

ぜひ藤前干潟に来た際はじっくり1つの生きものを観察してみて下さい。

観察の楽しみを感じることができますよ♪

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2017年05月18日タンポポのあれこれ

妙高戸隠連山国立公園 戸隠 アクティブレンジャー 前田久美子

先日、外来植物駆除をした時にちょっと話題になったので・・・今日はタンポポのお話を。

01タンポポ談義

 

こちらのタンポポ、実は遺伝的には全部違う種類。どう見分けるのでしょう!?

02タンポポ三種盛り

 

裏返すと、こんな風になっています。注目ポイントは額の反り返り具合!

03タンポポ三種盛り

一番左の額が完全に反り返っているのがセイヨウタンポポ(外来種)、

一番右の額が反り返っていないのがシナノタンポポ(在来種)です。

真ん中はセイヨウタンポポとシナノタンポポが交雑してしまった個体です。

 

そしてタンポポ、根っこはこんなに長~~~~いです!これはすごい!

04タンポポ根っこ

 

今の時期はタンポポが大盛況・・・。足下のタンポポ、花を裏返して見てみて下さい♪

05タンポポいっぱい

 

ちなみに、タンポポのお花は天ぷらにすると美味しいですよ♪

06タンポポ天ぷら

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