2015年12月14日
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2015年12月14日上高地の冬期入山について
中部山岳国立公園 上高地 アクティブレンジャー 関口 拓司
上高地は11月15日をもって閉山し、現在は冬期閉鎖期間中となっています。
冬の上高地は気象条件が変わりやすく、雪崩や落石、地吹雪が発生するなどの危険があります。入山の際は自己責任を原則とし、冬山登山であることに留意して、次のことをお守りください。
安易な気持ちでの入山はご遠慮いただくようお願いいたします。
● 入山の際、必ず登山届を提出してください。
登山届提出箱が中ノ湯ゲートに設置されています。
● 雪崩・落石・地吹雪等に十分注意してください。
釜トンネル上~大正池間の県道上では、特に雪崩の注意が必要です。
● 用便は冬期トイレを使用してください。
冬期トイレは、中の湯ゲート・大正池・中ノ瀬・上高地バスターミナル・小梨平の5か所です。
● 湿原には踏み込まないでください。
植生に影響を与えるおそれがあります。道路や歩道から外れて歩かないでください。
● テントは小梨平野営場で張ってください。
ホテル・旅館、ビジターセンターの軒下や施設の敷地内には立ち入らないでください。
● ゴミや食料は必ずお持ち帰りください。
野生動物の行動に影響を与えるおそれがあります。ゴミや食料はお持ち帰りください。
● 林間コース(自然研究路)は通行止めです。
木道の老朽化、踏み抜き等の危険があるため立ち入らないでください。
注意箇所や冬期トイレとその間の距離、所要時間などを表した地図はこちらです。
時間はあくまで目安ですので、体力、積雪状況によっては更に時間がかかることもあります。
こちらからPDFにてダウンロードすることができます。
2015年12月14日*白山と雪のはなし①*
白山国立公園 アクティブレンジャー 小島永莉子
11月26日の16時をもって白山公園線が閉鎖しました。石川県白山市白峰の風嵐ゲートから別当出合間は冬季通行止めです。
冬の間白山国立公園は閉ざされてしまい、私も今年度はもう入ることはありません。この時期を迎えると、何だか寂しい気持ちになりますが、その分春が待ち遠しく、シーズン中は楽しみも倍になります。冬の間も、登ることは出来なくてもとても美しい姿を拝むことが出来るので、遠くから白山を眺めながら春の訪れを待つこととします。
この先に白山が・・・
これが現在の白山自然保護官事務所です↓
事務所かどうか怪しく見えますが、これは雪囲いをしてあるからです。
通常はこんな感じで、ちゃんと看板がありますよ↓
積雪により窓が割れたり、建物内に雪が入り込むのを防ぐために冬季は雪囲いをします。
白山の名の通り、山上はもちろん白山の麓も日本有数の豪雪地帯となっており、たくさん雪が降ります。例えば、富山県南砺市や岐阜県白川村も白山国立公園を含んでいますが、こちらは合掌造りが有名です。特徴のある急勾配の屋根は雪が自動的に落ちるので都合が良く、豪雪地帯ならではの知恵です。石川県白山市白峰は重要伝統的建造物群保存地区に指定されていますが、こちらも家屋に特徴があります。
白峰重伝建の代表的存在 山岸家
白峰重伝建は土壁と縦長の窓が特徴としてよく挙げられます。土壁は夏涼しく冬暖かいという利点があります。窓は、半間から一間間隔で柱をたてるため(一間=6尺で約1.818m、半間ならその半分なので約90㎝)、半間幅に収まるよう縦長となっていますが、小さい分防寒対策にもなっているそうです。どの特徴も雪に対応出来るようにという人々の知恵を感じさせます。
雪囲いも雪かきも、労力のかかる大変な仕事です。そんな少々やっかいな雪ですが、実は白山にとっても私達にとっても、とても重要な役割をしています。これから雪のシーズンなので、しばらく雪についてお伝えしていきます。きっと、もっと白山が好きになりますよ。
こんな看板を見かけたことはありませんか?
左側の赤い看板が「ココは鳥獣保護区ですよ!」とみなさんにお知らせするための"制札"と呼ばれるもので、主に鳥獣保護区の境界に設置されています。右側の白い看板が、鳥獣保護区のエリアを示した"区域図"を掲示しているものです。
鳥獣保護区とは、"鳥獣保護管理法(※)"に基づき、野生鳥獣が安心して生育できるよう、原則として狩猟や開発などを規制している区域のことです。環境大臣が指定する"国指定鳥獣保護区"と都道府県知事が指定する"都道府県指定鳥獣保護区"の2種類があります。
環境省ではその仕事の一つとして、国指定鳥獣保護区の管理を行っています。国指定鳥獣保護区は国立公園とは別々に指定されますが、重なっている区域も多くあります。"国指定浅間鳥獣保護区"の一部も、万座自然保護官事務所が管轄している上信越高原国立公園の一部と重なっています。
国指定浅間鳥獣保護区は、活火山である浅間山(標高2,568m)を中心とし、標高約1,000mの市街地周辺の地域まで広がって指定されています。その多様で良好な自然環境には、ツキノワグマやホシガラス、ミヤマシロチョウなど様々な野生鳥獣が生息しています。
実際に現地調査に出たときも、様々な生きものたちの痕跡を確認することがあります。時には、その姿を見ることもできて、とても嬉しくなることも♪
そんな国指定浅間鳥獣保護区で、ついこの間、標識のリニューアル工事を行いました。
地面奥深くに埋まっていて、樹木の根っこも絡まっていたり・・・掘り出しに四苦八苦。
無事に、撤去完了!!
そして・・・新しい看板を設置!!
ご覧ください、こんなにステキな看板が設置されました♪
国指定浅間鳥獣保護区について、概要と生息している動物たちをイラストにより紹介していて、とってもかわいくて素敵な看板に仕上がっています。引き続き、順次リニューアル作業を行っていく予定です。道路脇などに設置されていることが多いので、是非近くで見てみてくださいねっ☆
※「鳥獣保護管理法」の目的・・・鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与する事を通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資すること。