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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2015年8月 4日

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2015年08月04日白馬大雪渓最上部で秋道(あきみち)の利用開始

中部山岳国立公園 アクティブレンジャー 則武敏史

こんにちは、中部山岳国立公園(≒ 北アルプス)後立山地区からです。


白馬大雪渓は白馬岳登山に利用されるルートの一つで、夏でも雪が残り、登山者は雪の上を歩きます。ですが、残雪なので雪が少しずつ解けていきます。

雪が薄くなったり、割れ目ができたりして、これまでのルートが危険になると、早めに雪渓から山の斜面に移り、そこに付けられた道(秋道)を歩くことになります。

表題のとおり、白馬大雪渓最上部では、秋道を歩くようになりました。

なお、雪渓から山の斜面に移る箇所は雪解けの状況に応じて変わります。今回の秋道の情報は8月3日に歩いた情報です。実際の歩行時は現地での誘導に従ってください。


<これまでは雪渓をまっすぐ歩いて斜面に移っていました(×の上下に紅がらの跡が残っています)。8月3日は左岸側(下を向いて左側)が雪渓から山の斜面に移る箇所でした(水色の線が雪渓上の歩行ルート)。>


<大雪渓を上ってきた場合、秋道に取付くには、紅がらから逸れないように歩いてください。また、直登できないようにロープが張られています。ロープを跨いで奥に行かないでください。>


<秋道。特に下る場合は滑りやすい箇所があるので気を付けてください。>



また、大雪渓の斜面上部にある小雪渓もまだ雪が残っており、雪渓上のトラバースになります。今シーズン滑落も起こっています。アイゼンを装着することをお勧めします。



3日は白馬山案内人組合の方と歩きました。地元の方が協力して、できるだけ安全に歩けるように努力されていることが分かりました。

<雪渓を歩く際の誘導となる「紅がら」撒き。左写真:前の人が撒き、後の人が広げていきます。右写真:赤いラインができています。>



さて、白馬大雪渓を上りきった葱平(ねぶかっぴら)にはお花畑が広がります。


この中には「シロウマ」の名を冠する植物もあります。

<左:シロウマアサツキ、右:シロウマリンドウ(タカネリンドウ)>



小雪渓を過ぎて山頂に向かう登山道沿いにもお花畑が広がります。写真を撮ったり、景色を思う存分堪能したりしながら登っていただきたいのですが、一方で、この時期は午後遅い時間になると雷が発生しやすくなります。早めの山小屋到着の計画を立てて、行動するように心がけてください。


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