ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2014年12月 8日

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2014年12月08日ニホンジカ対策シンポジウムが開催されました。

中部山岳国立公園 上高地 アクティブレンジャー 松尾野里子

12月6日(土)に松本市のキッセイ文化ホールにてニホンジカ対策シンポジウムが「中部山岳国立公園とその周辺の生態系をシカ被害から守る」と題して開催されました。

ニホンジカ対策シンポジウムの会場の様子 (2014年12月撮影)
会場の様子

ニホンジカ対策シンポジウムのポスター (2014年12月撮影)
シンポジウムポスター

会場の入口にはニホンジカの剥製が置かれ、展示ブースではシカ対策の取り組みや、捕獲・調査道具等が紹介された他、12月4日に指定80周年を迎えた中部山岳国立公園の写真も展示されました。

ニホンジカ対策シンポジウムの会場の展示(2014年12月撮影)

会場の展示

シンポジウムは、環境省による全国・中部山岳国立公園のニホンジカ被害の現状と対策の発表からはじまり、現状の対策のままでは、2011年に261万頭だったシカが2025年には500万頭(北海道を除く)まで増えるとの推定にシカの増え方の凄さを感じました。
ちなみに、捕獲を2.2倍にすると171万頭、2.9倍にすると84万頭との推定です。

続くリレートークでは、研究者や行政機関、猟友会など8機関の方からそれぞれの地域におけるニホンジカの現状や対策、取り組みについて発表いただき、その後、会場の皆さんと意見交換が行われました。

ニホンジカ対策シンポジウム リレートークの様子 (2014年12月撮影)
リレートークの状況

ニホンジカの生息数や生息域の拡大した要因の1つは人の生活の変化や野生動物との関わりの変化と考えられること。また、カモシカとニホンジカの違いや、南アルプスの被害(食害)とその回復状況の他、北アルプスでのニホンジカの動向・被害・捕獲の状況などなど、濃い内容でした。
とくに、猟友会の方の「共存共栄ができる環境」という言葉が印象的でした。

人間だけが優先されることもなく、多種多様な生物が生きていけるような環境をつくっていかなければならないですし、それは、関係者だけではなく1人1人が意識し、出来る事をすることで実現するのだと思います。

「まずは、情報の発信と収集」が重要とのことです。
皆さん1人1人に意識してもらうためにこれからも積極的にニホンジカに関する情報を発信していくこと、より有効な対策に繋げるために誰もが出来る事として、ニホンジカの目撃情報の提供をお願いして閉幕となりましした。


中部山岳国立公園及びその周辺でニホンジカ(イノシシ)を目撃した時は、日時、場所(地名・標高・目印など)、頭数などの情報をお寄せください。
位置情報を記録した写真等もお待ちしております。

ニホンジカ目撃情報収集チラシ

目撃情報収集チラシ

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