中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳、白山、伊勢志摩国立公園があります。
今回は常念小屋-常念岳-蝶ヶ岳-三股登山口までを書いていきたいと思います。
常念小屋から常念岳山頂へはやや急な登りとなっています。○や×の印がペンキで塗られていますので、それを見ながら進んで行きます。
常念小屋から前常念岳へ向かう道は現在廃道となっています。前常念岳方面へ向かう道は頂上直下から分岐していますが、下山等でこちらの道を利用する場合は、痩せ尾根となっていますので、通行には十分注意が必要です。
常念岳へはそのまま山頂へ向かうこととなります。晴れていれば槍ヶ岳、穂高連峰を間近に見ることができます。
常念岳から前常念岳へ伸びるやせ尾根。通行する際は注意が必要です。
常念岳から蝶ヶ岳方面へ降りる際も岩稜の道が続きます。あまり危険な箇所はないですが、譲り合って通行します。
途中からは樹林帯となっており、ナナカマドが実を付け、秋の気配です。
樹林帯を抜けて蝶槍を越えると、再び見晴らしの良い道を歩くこととなります。蝶ヶ岳はもうすぐそこです。
蝶ヶ岳は残雪の残る6月頃に山の稜線に蝶の形をした雪形が現れることから蝶ヶ岳との名が付いたとのことです。
頂上周辺はのっぺりしていて、一見するとどこが頂上になるのかわかりづらいところがあります。
蝶ヶ岳の名の通り、アサギマダラと思われる蝶があちこちに飛んでいました。またオコジョがハイマツの中から飛び出ては隠れ、飛び出ては隠れ、繰り返していたのですが、どちらも動きが素早く写真に撮れませんでした。。。
代わりといってはなんですが、白いマダラの模様の鳥がいました。知識のない私は一瞬ライチョウかと思ったのですが、小さい。ホシガラスという高山に生息する鳥です。
蝶ヶ岳からみえる朝日はとてもきれいということだそうですが、どうも雲が出てしまって今ひとつでした。写真を撮ろうと多くの人が集まっていました。
反対側に見える槍ヶ岳に徐々に日が差していく様子が印象的でした。
蝶ヶ岳から三股方面へは、樹林帯の下りとなります。
中間付近のまめうち平の下側では、新しい階段等が多く整備され、歩きやすくなっていると感じました。下山した日は三連休の初日とあって登ってくる方がとても多く見られました。登りで利用する際は、地味で少し急な登りが続くので、しんどいと感じるかもしれません。ゆっくり地道に歩いて行くことが必要です。
なお、三股登山口にはバスなどの公共交通は走っていませんので、車をお持ちでない方は、下山前に蝶ヶ岳ヒュッテなどで電話にてタクシーを呼んでおくなどの対策が必要です。
山は秋のシーズンです。紅葉はだいぶ進んでいるようです。
色づき始めた山々を歩いてみるのもよいのではないでしょうか。夏とは違った楽しみができると思います。ただし、山の稜線上は特に朝晩は気温が下がりますので、十分な防寒対策をしてからお越しください。