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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

パークボランティアによる自然探勝路維持管理作業と黒沢池

2014年09月09日
妙高
 9月に入り初秋の爽やかな日が続いています。妙高高原ではもう半袖から長袖へと替わりつつありますが、皆様の町はいかがでしょうか?

 先日、パークボランティアの皆さんと笹ヶ峰キャンプ場周辺自然探勝路の維持管理作業を行いました。


夏の間に伸びた草刈りや枝打ち、危険な枯損木の撤去、歩道や水路の落ち葉かきなどの作業です。

【鎌や草刈り機を使って笹藪を刈ります】【落ち葉もきれいに】

 笹ヶ峰キャンプ場周辺にはいくつか自然探勝路がありますが、今回はキャンプ場上側の展望台コースと、下側の乙見湖脇を通る周遊コースを行いました。どのコースも1~1時間30分ほどで回れます。これから紅葉が始まり、また夏とは違った散策が楽しめると思いますので、ぜひ遊びに来て下さい。


 また併せて黒沢池のモニタリング調査を行いましたので、黒沢池のご紹介をします。
 妙高山と火打山の間にはいくつもの湿地が点在しており、黒沢池はそのうちの一つで妙高山の外輪山と黒沢岳、茶臼山の間に広がる草原と湿地帯です。

【茶臼山の麓に池塘が広がる】

【茶臼山中腹から見下ろした湿地】

【外輪山の三田原山(手前右)と妙高山(左奥)が見渡せます】

 ここの池の水は黒沢と呼ばれる沢になり、笹ヶ峰の乙見湖を経由して関川本流として日本海へと続いていきます。

【黒沢の源流】

 花は7月頃~チングルマ、ハクサンコザクラ、ワタスゲ、モウセンゴケ、イワイチョウ、8月頃~イワショウブ、ヒメウメバチソウ、今の時期ですとオヤマリンドウが見事に咲き誇り、開けた平坦な地形のため、汗もかかずに快適に風景を堪能しながら歩けます。

【オヤマリンドウ】

【オトギリソウの草紅葉】

【ミヤマセンキュウ】

 火打山に登られる方々にとって黒沢池は少し回り道をしなければなりませんが、一時間前後で高谷池や富士見平から行くこともできます。こちらまで足をのばしてみてはいかがでしょうか。


 黒沢池からは、大倉乗越の急登を越えて1時間15分ほど行くと長助池、また茶臼山を越えて1時間10分ほどで高谷池、さらにそこから15分ほどで天狗の庭へ行くことができます。これらの湿原や湿性のお花畑は、冬に降る大量の雪によって育まれています。

【高谷池】  【天狗の庭(逆さ火打)】

【天狗の庭手前。イワイチョウの黄葉が始まってきています】


 補足ですが途中登山道沿いに見つけたたくさんの山の実り。



 火打には一足早い山の秋の涼しい風が吹き抜けていました。
 これから実り多い秋山の登山が楽しみな季節です。