中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳、白山、伊勢志摩国立公園があります。
8月23日(土)に藤前干潟ふれあい事業として実施している調査プログラム、
「渡り鳥調査隊」が名古屋市野鳥観察館にて開催されました。
藤前干潟では、干潟や干潟をとりまく環境の現状を知るために
定期的に野鳥や底生生物等の生き物の調査が行われています。
今回、その調査の楽しさや重要性を知ってもらうために、
市民の方に野鳥の調査にチャレンジしてもらいました。
8月23日の「渡り鳥調査隊」の参加者は13人。
内、小学生の参加が6人ありました。
プログラムは、野鳥のレクチャーから始まり、
今の時期に藤前干潟で見られる野鳥の紹介とその見分け方が
野鳥観察館のスタッフから簡単に解説されました。
【レクチャー】メモを取りながら熱心に聞いている参加者も・・・。
さらに、野鳥の調査方法の解説があり、
野鳥観察館内で、簡単に調査の練習をしました。
【調査の練習】みんな真剣に望遠鏡をのぞいています。
その後、いよいよ野鳥観察館を出て調査に出発。
3班に分かれて、野鳥観察館の前を流れる庄内川(藤前干潟鳥獣保護区内)に
飛来した野鳥の種類と数を調べました。
【調査】庄内川にはどんな鳥が見られたでしょうか?
参加者一人一人に担当の鳥(例えばカルガモ)を受け持ってもらい、
同じ種の鳥を漏らさないように、カウントしてもらいました。
カワウやカルガモ、ウミネコは100羽以上確認された班もありましたが、
担当の子は望遠鏡とカウンターを上手に使って
最後の一羽まで根気強くカウントしてくれました。
【干潟の上にいるカワウやウミネコなど】
プログラムの最後は、野鳥観察館に戻ってきて
調査結果のまとめをみんなで行い、
それぞれの班で確認された鳥の種類と数を発表してもらいました。
その各班の結果がこちら↓。
【渡り鳥調査隊の調査結果】
今回の調査では全体で、21種、2,171羽の野鳥がカウントできました。
多く見られたのはカワウの1,405羽、ウミネコの266羽、
カルガモの174羽でした。
上流にはカルガモ、下流にはウミネコが多く見られました。
また、秋の渡り鳥であるアオアシシギ、ソリハシシギ、ホウロクシギ等も
確認でき、秋の渡りが確実に始まっていることが分かりました。
【アオアシシギとソリハシシギ(一番右)】
参加者からは、「鳥の特徴について知ることができて良かった」、
「今まで知らない鳥を見ることができた」、
「またこのプログラムに参加したい」等の感想がありました。
また、個人的には参加している子供たちが本当に熱心に
望遠鏡をのぞきながら、野鳥を探している姿が印象に残っています。
今回の調査の体験で藤前干潟の野鳥や調査に対しての関心が
大きくなっていると良いと思います。
渡り鳥調査隊は12月6日(土)にも予定されています。
この頃には、冬の渡り鳥であるカモがきっと藤前干潟に
たくさん来ているはずです。
カモ(特にオス)は色が鮮やかで識別もカウントもしやすい野鳥です。
みなさんもぜひ、気軽に参加してみてください。
詳細はこちらのチラシをご覧ください↓。
「藤前干潟生きもの調査隊 チラシ」